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#01 漂泊の王子、決意新たにす

今年7月から放送開始予定の『グレンダイザーU』。その日を待ちつつ、原典『UFOロボ グレンダイザー』を復習。ワルモノたちの奮闘に焦点を当てながら、登場する円盤獣もサクッとお絵描きしつつレビューしたいと思います。


第1話「兜甲児とデュークフリード」

脚本/上原正三

◉逃げも隠れもしていた王子
第1話「兜甲児とデュークフリード」は、この物語の主人公である宇門大介ことデューク・フリードと兜甲児の邂逅を軸に、核となる登場人物たちのキャラクターとその関係性が解ります。
デュークはベガ星連合軍に侵略された母星(フリード星)から辛くも逃れ地球に流れつき、宇門博士に拾われてベガ星連合軍の影に怯えながら暮らしているという設定。”UFO"という言葉にすら過敏になっており、出来ればグレンダイザーに再びに乗るような事態を避けたいと思っています。しかし運命はそうさせてはくれません。
遂に地球を次の侵略対象に定めたベガ星連合軍は、月の裏側に前線基地<スカルムーン>を建設し侵略を開始。彼らを友好的宇宙人だと思い込み、コンタクトを図るべくTFOで飛び出して攻撃されてしまった甲児を救うため、デュークはやむなくグレンダイザーに乗り込みます。

▶円盤獣ギルギル

円盤獣ギルギル

記念すべき地球侵攻の先陣を切った円盤獣はギルギル。グレンダイザーといえばギルギルというくらい代表的な円盤獣ですね。とある衝撃的な秘密が後に明かされるのですが、それはまたその時に。
高速回転で体当たり攻撃する円盤形態から、頭や手足などを展開させて四足獣形態に変形。出撃直後に、手負いのTFOの捕獲を試みますがグレンダイザーに阻止されます。
体当たりや鋭い歯での咬みつき攻撃だけでなく、目からの破壊光線、口から緑色の火炎放射を吐くなどして応戦しますが、グレンダイザーの波状攻撃に圧され、断末魔には首の部分だけで襲い掛かるも敗北。その一部始終を司令船マザーバーンから見ていた隊長のブラッキーは冷静に指示を出します。

よし。円盤獣ギルギルとの戦いで収めたグレンダイザーの電子写真を土産に、まず退却だ。

ブラッキー隊長

いったいどんな分析結果が出るのでしょうか? 今から楽しみですね。
戦い終わって手当てを済ませた甲児くんがデュークのもとを訪れて、「あんた、もしや・・・・?」と、彼がグレンダイザーの操縦者ではないかとの疑いを口にしますが、デュークは強引に話を逸らしてその場を立ち去ります。ますます不信感を募らせる甲児くん。デュークの中ではあくまでも甲児を救うための"今回だけ"の措置にしたかったのでしょうが、ベガ星連合軍がグレンダイザーを放っておくわけもなく・・・。
ちなみに宇宙科学研究所の林、山田、大井の観測所員トリオは『グレンダイザーU』にも光子力研究所の所員役で登場するようです。山田、大井の2人は女性キャラになってますけど。

左から林、大井、山田・・・だと思う💦

第2話「ああ!わが大地 みどりなりき」 

脚本/上原正三

◉ベガ星連合軍のワルモノ序列
絶対君主・ベガ大王のもと全宇宙支配を目論み、その矛先を地球に向けたベガ星連合軍でしたが、思いも寄らぬグレンダイザーの出現に、上層部もその対応を余儀なくされます。初戦を終えたブラッキーがスカルムーンに帰投し基地内を移動するシーンで、背後に次の円盤獣、ガメガメの姿が描かれているのがワクワクする構図だなあと思いました。

移動中のエレベーターの窓の向こうにガメガメの姿が

途切れなく作戦遂行するために次から次へと円盤獣は生産されているのでしょう。ちなみに今年『グレンダイザーU』でリファインされる円盤獣は、それぞれ目的別に設計・生産されているようですね。上司・ガンダル司令の元へ今回の件を報告に行ったブラッキー、案の定ガンダルにどやされます。

ヤツがグレンダイザーに乗って我々に盾突くとすれば、地球侵略作戦は振り出しに戻さねばなるまいぃぃ!

ガンダル司令

デューク本人に闘う意志が希薄なだけで、ベガ星連合にとってはデュークとグレンダイザーの存在は作戦遂行にあたって、かなりの影響力があるようです。そこに連合軍トップのベガ大王から直々に通信が入り、今度はガンダルがどやされることに・・・。

太陽系を完全征服するためには最後に残った地球はなんとしてでも攻め落とさねばならん! よいか、ガンダル。ベガ星連合軍の総力を挙げてヤツを叩き潰せ。ヤツを叩き潰さぬ限り地球侵略は不可能と思え! わかったな、ガンダル? ・・・・吉報を待っておる。

ベガ大王

なんだかよくある会社の、上司と部下との関係を見せらているようで辛いですね・・・・。このブラッキー報告シーンでベガ星連合軍側の基本的な人物と相関関係について理解できます。唯一、ガンダルの顔がパッカーン!と割れて出てくるレディガンダルだけは、あまり上下関係無い感じの存在で、女だてらにオラオラ系で異彩を放っています。いずれにせよ、ベガ大王ですらあの権幕なので、デュークの存在は彼らにとって相当な脅威なのでしょう。

ベガ星連合軍と地球攻撃軍司令部の上下関係概念図(というほどのものでもない)

話がちょっと脱線しましたが、「やられたらやり返せ!100倍返しだっ!」とまでは言っていないものの、断固報復すべし!というレディガンダルの言葉を受けて、ブラッキーは再び地球へと向かうのでした。

▶円盤獣ガメガメ

円盤獣ガメガメ

赤く染まった月をバックに、再び地上に向けて侵攻するブラッキー率いる一軍。斥候のミニフォー部隊に続いて出撃した円盤獣ガメガメは、円盤形態から人型に変形するタイプの円盤獣。ニマーッとにやけたような顔がなんとも不敵なヤツです。スペースサンダーを喰らうと、円盤形態に戻りノコギリ状の回転刃を展開して体当たり。グレンダイザーが怯んだのを見逃さず、ブラッキーが指示します。

よし、今だ!万力作戦を開始しろ!

ブラッキー隊長

「万力作戦」とは、グレンダイザーに怪力でしがみつき、コントロールを奪い、そのまま地上に激突させるという捨て身の攻撃。成功するかに思われましたが、甲児くんの支援によってギリギリのところで直撃を回避するデューク。しかし、落下のダメージで思うようにグレンダイザーを操縦できず、再びピンチに陥ります。

ヤツは半死半生だ。円盤獣ガメガメ、なんとしてでもヤツを地獄の底へ葬り去るのだ!

ブラッキー隊長

遂に崖下に転落し、とどめをさされそうになるグレンダイザーでしたが、ガメガメのビーム攻撃をすんでのところで交わし、逆に防御がガラ空きになったガメガメをスペースサンダーで仕留めます。甲児くんのサポートのおかげで辛勝したデュークは、甲児くんへ感謝を伝えると同時に、第二の故郷・地球を守るため、ベガ星連合軍と対決する覚悟を決めるのでした。
今回は戦闘終了後に、ベガ星連合軍側の描写は特にありませんでしたが、汚名挽回どころか二度の連敗で、ガンダルにシバかれないか心配です。

ちなみに今回、大介と宇門博士は甲児くんにデュークの生い立ちを含め、隠していた真相を明かすのですが、その際にグレンダイザーは、ベガ星連合軍がフリード星の技術で造り上げたロボットだということも語られます。そうなんだ、ジャイアントロボ的なマシンだったんだ。知らなかった。


次回、第3話に続きます!


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