財務省の資料に見る信用拡大社会への回帰の兆し

財務省の財政制度分科会が「成長、人口・地域等」という資料を公開しました。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20240409/01.pdf

この資料の下のページ「政府支出と実質GDPの拡大には相関がない」に反緊縮派の方々がご立腹のようですが私が注目したいページは別のページです。

↓例えばこのページ。
この主張は正しく
日本は90年代以降、企業が投資しなくなり、貯蓄超過状態になって、民間の国内投資ベースの経済成長が止まってしまっているのです。つまり緊縮なのは政府ではなく企業のほうなのです。(資本のヴィンテージ化という主張は意味が分かりませんが、、、)

これは何度も書いていますが、理由は金融ビッグバン(90年代後半)の時に民間銀行に対して下記の規制強化が行われ、それを担う金融庁が誕生したからです。

BIS規制+罰則(早期是正措置)+不良債権の定義の押し付け+不良債権比率の低下の強要 

この金融庁の金融行政が銀行が金を貸せない、もしくは企業も金を借りて国内投資できない経済構造(失われた30年)を作ってしまったと私は考えています。

↓このページでは、新自由主義に否定的な見解を紹介し、単に政府支出して計画経済的な補助金をばらまくよりも民間の投資のほうがいいのでは?という引用がみられます。
(日本の経済成長期には間接金融によって民間が自由に国内投資を拡大=信用拡大できたから経済成長したのです)

↓まとめでも、政府支出による経済成長もいいけど弊害はあるかもしれない、民間の出融資(信用創造)を活用をするべきと記載されています。

これはとても良い兆しだと思います。財務省からこれが出てくるとは驚きですね。
(ていうかわかってなかったの?と思いますがw)
※財務省がこのような認識になってきたのは、財務省の職員とよく議論しているという西田昌司議員の功績かもしれません。

企業が借金を増やしても誰の懐も痛まず、貨幣が市中に供給され給料が上がり税収増による減税もされます。新商品開発の創造的仕事が増え、より面白いものあふれる社会になり、他国と価値交換できるものが増えて国力も上がります。

追記
そんなことしたらバブルになるだろう! と言われますが、不動産バブルは、1980年代に米国が貿易赤字を減らすために日本国内で生産が消費されるよう内需拡大を要求し、日本政府が日銀を通して銀行に過大な貸し出し目標を与え、それが不動産に向かってしまい発生したのです。

また、バブル崩壊は90年代序盤で起こり、90年代後半から2000年代の初期の日本経済のクラッシュ(金融危機)は小泉政権(竹中平蔵金融大臣)がこれまた米国に言われ、無茶で不要な不良債権処理を断行し、200兆円レベルの信用収縮を引き起こしたのが原因です。(政府はこのクラッシュを国債を発行することでごまかしました。)つまりこれも人災なのです。

参考記事
黙殺された日本経済停滞の原因、そして誰も本当のことを言わなくなった

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