なぜ眼鏡屋である私が鍼灸師になったか①〜社長とドイツ式両眼視検査との出会い〜
私の勤める眼鏡店ではドイツ式両眼視機能検査を行ってます。
名前だけを聞くとどんなことを行っているのか想像がつかないと思います。
日本で技術的に難しいためほとんど普及していませんが、その名の通りドイツではベーシックな検査方式です。
今回は私の実の父である社長とドイツ式両眼視検査との出会いについて書きたいと思います。
社長は元々アメリカ式21項目検査というものを行なっていました。
検査の内容としては、プリズムレンズといい、眼の周りの筋肉に負荷を掛け、どれくらい右眼とと左眼の映像を合わせる筋力があるのかということを検査するものです。
イメージで言うと、持てるか持ってないかギリギリのおもりを検査中(約40分)ずっと持っているような検査を受ける人にとっては負担の大きな方式です。
このアメリカ式の検査方法にずっと疑問を持っていた社長は40年程前にドイツ式両眼視機能検査の発明者ハーゼ先生が来日した講習会に参加しました。
そこでたまたま検査の被検者に選ばれました。
この時、社長は当時22歳で裸眼視力は左右ともに2.0でしたが、度重なる偏頭痛と肩こりに悩まされ、病院に行っても原因はわかりませんでした。
しかし、ドイツ式両眼視機能検査では左右の視線のズレは1m先で20㎝内側に向いていることがわかりました。
検査後に検査用のメガネを外すと映像がダブってしまい、
終いには、その場から立てなくなったしまいました。
この光景を見ていた他の参加者は社長のことを回し者ではないかと非難するほどでした。
アメリカ式の検査では検査時の環境の問題で内斜位が検出されにくいため、反対のズレで検出されてしまうと見え方の問題や身体の不調をより助長させてしまう可能性もあります。
ドイツ式検査では視力だけではなく、斜位という眼のズレを測ることでき、
脳に正しく映像が届いているのか、どのように立体感や距離認識を行っているかをチェックすることができます。
日常生活により近い環境下で検査を行うため、実際に眼鏡にした際にラクによく見える状態が作りやすくなります。
そこから社長はドイツ式両眼視機能検査で測定された度数のメガネをかけてからは、原因不明の偏頭痛と肩こりはなくなったそうです。
実は視覚情報は五感のうち約87%を占めているため、身体を代償してまでも見ようとします。
また自律神経とも密接に繋がっているため、視覚情報の影響で痛みや不調が出ているケースも出てきます。
ハーゼ先生との出会いから紆余曲折ありましたが、40年以上先生から教えてもらった検査を忠実に続けています。
次回はなぜ田舎の眼鏡屋が銀座に出店した理由について書きたいと思います。
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