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都市の中の自然:白金幼稚園 「わいぽきのもり」のお披露目

昨日白金幼稚園の「わいぽきのもり」の正式お披露目の会があり訪問した。

東京都港区にある白金幼稚園は、子どもたちが自由に遊ぶ中で、様々なことを学ぶことができるというユニークな教育方針を持つ私立幼稚園として知られている。自然豊かな環境の中で、子どもたちが自由に遊び、様々な経験をすることで、生きる力を育むことができるというポリシーは実質的な創園者である海卓子先生の時代に既に確立されていた。

1947年に開園し、今年で76年目を迎えるが、約2,000平方メートルの園庭と周囲の自然環境を守っていくことに歴史的に積極的に関わっており、猪瀬直樹氏の代表作である「ミカドの肖像」にもその活動を紹介されていることからご存知の方もいるかもしれない。

今般海先生の想いと長い年月をかけた働きかけの中で、自然環境を保護していくという前提のもと、隣地の「自然教育園の飛地」を園庭の一部として利用できることとなりお披露目がされた。既存の園庭に加えて「森」が緑地として園と一体になったことで、都心では類を見ない自然環境を実現している。私の娘たちもこちらの幼稚園でお世話になったが、初めて園に伺った時に緑豊かな庭園と子供たちの笑顔に驚かされたのをよく覚えている。

改めて「わいぽきのもり」を見てみると園と一体なった緑地は自然教育園の指導のもと武蔵野の森を限りなく自然な形で整備され、都心の中とは思えない環境を実現している。当然遊具などは置いていないため、子供たちは生の自然と触れ合いながら工夫して遊んでいく。ある意味、現代の都会に住む子供たち(とその保護者)が自然と関わっていくことを見つめる場となるようなラボラトリーになっていくようにも感じる。

系列校や特定の団体をスポンサーとしない私立の幼稚園が80年近く緑を守りながら運営されてきたこと、そしてユニークな教育方針を守りながら今後も、自然と一緒に地域の中で運営されていくことなどに想いを馳せた。


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