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ストーンブレイカー【1】 新入り

この記事は、ノベルゲーム「ストーンブレイカー」の先行公開記事です。同じ内容は後日公開予定ですので、以下のような方を対象としています。

・作者(じょにー)の応援、支援がしたい。

・先行してストーリーの概要を把握したい。

・ストーリーを小説形式で読みたい。

また、末尾に、このチャプターのノベルゲーム版の攻略情報も記載しています。ノベルゲーム版は小説版と違った楽しみ方ができると思いますので、是非チェックしてみて下さい!

公式サイトはこちら

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CHAPTER1 新入り


忌まわしき邪石の因果を断ちたくば、劔を求めよ。
石斬りの劔(ストーンブレイカー)を。

広大な草原にどこまでも伸びる赤い道。

レンガ舗装された立派な街道は、かつての賑わいを偲ばせるが、今はほとんど人の往来はなく、あまり手入れもされていない。レンガの間から背の高い雑草が伸び、風に揺れている。

道端の朽ちかけた鉄の看板にはこう書かれている。

〈鉄の街道〉
・西・・・黒鉄の谷(アイアンヴァレー)
・東・・・砂の要(コアサンディア)


西の方角から3台の馬車隊が現れた。
物資を運ぶ輸送商隊(キャラバン)だ。

そのキャラバンを離れた丘の上から見下ろす騎馬の一団がいた。

伸び放題の髪や髭、ギラついた目つき。薄汚い衣服を身にまとい、腰には大して手入れをしていなさそうな剣やナイフを下げている。

彼らはこの周辺を根城にする盗賊の集団だった。
一人が双眼鏡を覗き、キャラバンの様子を伺う。

「ウヘヘ、カモ、きたぜ」
「ちっ、女はいねえのか」
「全員ブッコロだぜえええ!」

ギャハハと下品な笑い声を上げ、集団はキャラバンを目指し丘を馬で駆け下り始めた。

「おや?団体のお客さんか。」
最後尾の馬車の御者が盗賊に気づきながらも呑気な様子で答える。
彼の名はフォルク。
背が高く物腰の柔らかい男だった。

フォルクは馬車の天井からぶら下がる紐をぐいぐいと振った。
カランカランと紐に繋がった警鐘が鳴り響く。
前を行く2台も盗賊に気が付く。

「騎馬隊の団体様だ。逃げられそうにはないから戦うけど…」
フォルクが馬車の中に向かって話しかける。

「ビーゼ君、もう君も団員なんだ。手伝ってくれよ?」
馬車の荷物の隙間にビーゼと呼ばれた男が目を瞑って座り込んでいた。
ビーゼは立ち上がった。

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鋭い眼光に、黒い髪。手には刀を抱えている。
細身だが引き締まった筋肉はキャラバンの団員には見えない。

「…言われなくても、やる」
無愛想に呟き、ビーゼは荷台の後ろから地面に降りた。

「ヒャハー!!」

盗賊の一団の大半はビーゼの馬車を通り過ぎ、前の馬車2台に向かって駆け抜けていく。

3人の盗賊がビーゼの馬車に狙いをつけた。
彼らは馬を降りてビーゼに近づいてくる。


「荷物身ぐるみ置いてけや!」
「ついでに命も貰っといてやんよォ!」
「キャほおおお!!」

盗賊達は奇声を上げて突進してきた。
ビーゼは自分の愛刀「タイニークロウ」を鞘から抜き払った。

盗賊「ミンチにしたらあ!」
敵がビーゼに迫る。
だがビーゼは焦らず、むしろゆっくりと刀を流す。
次の瞬間、鋭い旋風が巻き起こる。

ビーゼの俊速の回転斬りだ。

盗賊「うっばあああ!」
敵は派手に吹き飛び、ゴロゴロと地面に転がった。

「ストレス発散にもならねえ。」
地面でうめく盗賊を横目に、ビーゼはつまらなさそうにペッと唾を吐き捨てた。

ふと見ると、前の馬車が5、6人の盗賊に襲われている。
二人の団員が馬車を必死に守っているが、対処しきれない。


「やべーっす!リープ先輩!やられちゃう!やられちゃう!!」
ボウガンを持った金髪の若い団員が情けない声で叫ぶ。
「うるせーぞウォシュ!しゃべるヒマあったら撃て!」
リープと呼ばれた細身の団員もライフルを構えながらテンパった声で叫ぶ。

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リープとビーゼの目が合う。
「おい、新入り!何ボサッと見てんだ!助けろ!!」
「ビーゼさん!助けて!」
若い団員ウォシュも助けを求める。


「こっちの敵は倒した。自分のケツは自分で拭え。」
ビーゼは冷たく言い放った。

「て、てめえ!!」
リープが顔を真っ赤にして怒る。

「仕方ない。私が行くから、ビーゼ君はこの馬車を見ててくれ」
腰から鞭を抜き、フォルクは隣の馬車の援護に向かった。


「ハイハイ、お金払わない人は帰ってくださいよ!」

フォルクの鞭『シルバースネイク』が唸る。
伸縮する特殊なチェーンで作られており、
剣や槍の間合いの外から強烈な打撃を与える。

盗賊達はフォルクに近づけず、次第に後退していく。
「畜生!覚えてやがれ!」
やがて戦意を失った残党は逃走して行った。

「はあ…助かった」
ウォシュは馬車の荷台にへたり込んだ。

先頭の馬車が引き返してきた。

「大丈夫か。」
先頭の馬車には団長のベーヴェンが乗っていた。

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ベーヴェンは身長2メートルある巨漢。
眼光鋭く、はげ上がった頭には大きな刺青が入っている。
鋼のように鍛えられた肉体を持ち、並の盗賊では到底敵わない。
「俺たちを狙うんなら、もっと強くなってから来いよ!ガハハハ!」
ベーヴェンと同じ馬車に乗っていたもう一人の大男ドラリオンが豪快に笑う。
無造作に伸びた長髪を後ろで括っている、ガサツだが陽気な男だ。

この二人を襲った盗賊達は一瞬でひねりつぶされていた。


ドラリオンがビーゼの肩をバシバシと叩く。
「おうビーゼ、キャラバンの初陣はどうだったよ?」

「退屈だった。」
ビーゼは一言呟いた。

「おっ!言うねえ〜!さすが黒鉄の谷の一流剣士様だ、ガハハ!」
ドラリオンはガハハと笑い去っていった。

「ちっ、気に食わねえ。」
リープが吐き捨てるように小声で呟いた。
「聞こえますよ、リープ先輩。」
聞こえていたが、ビーゼは反応しなかった。


ビーゼは尻ポケットから煙草の箱を取り出した。
一本咥え、金属ライターで火を付ける。
ゆっくりと煙を吸い込み、吐き出す。


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ベーヴェンとフォルクはその様子を見守る。


「ビーゼ君、このキャラバンでうまくやっていけますかね。」
フォルクが呟く。

「大丈夫だ。」
ベーヴェンは低い声で言うと、先頭の馬車に戻って行った。

ビーゼは馬車に乗り込む前に立ち止まり、キャラバンの来た道を振り返った。
(黒鉄の谷には戻らない。石斬りの劔〈ストーンブレイカー〉を手に入れ、因縁に決着をつけるまでは。)

その眼には固い意志と静かな怒りが漲っていた。

TO BE CONTINUED...


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最後までお読みいただきありがとうございました!

めっちゃ感謝です!次はもっと面白いの作ります!よかったらまた読んでください(^^)

チャプター1攻略情報【ノベルゲーム版】

以下、ネタバレになりますので、未プレイの人はご注意ください!!










【バトルVS盗賊】

最初の敵は三人組のザコ盗賊です。ゲームの初戦にふさわしいザ・かませ犬ですね。ただし、油断したら負けます。

攻略のコツ①・・・敵を倒す順番

三人の盗賊はHPと攻撃力が異なります。まずは「剣の盗賊」をやっつけます。こいつは攻撃力が高いので、放っておくとこっちのHPがあっという間に削られてしまいます。次に「槍の盗賊」、最後に「斧の盗賊」という順番で各個撃破すれば確実に勝てるでしょう。

攻略のコツ②・・・必殺技を使う

必殺技は、最初選べるコマンド欄に出てこない裏コマンドです。コマンド選択画面で、入力をせず7秒間じっと待つと・・・「回転斬り」コマンドがピコンっと出てきます!こいつを発動すればまとめて一発KO!倒す順番とかも考えなくていいですね!ただし、それから更に3秒経つと、タイムアップになって、一方的に敵の攻撃を食らうことになるので注意です。


【バッジ回収】

バッジとは、プレステで言うところの「トロフィー」機能です。ノベルゲームコレクションさんでログインしてプレイするとゲットできます。是非やってみてね!

バッジ①「俺はまだ本気出してないだけ」・・・ザコ盗賊三人組に負けちゃった人に与えられる称号です。欲しかったらあえてバトルで負けましょう。

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バッジ②「一網打尽」・・・回転斬りで敵を倒すともらえます!

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バッジ③「我、関せず」・・・バトル後、ウォシュとリープを助けない選択をするともらえます。初見プレイでこの選択肢する人・・・あまりいないかな?

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バッジ④「SB第一話クリア」・・・第一話を最後まで読むともらえます!

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以上、攻略情報でした!


ではまた次回お会いしましょう!

じょにー






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