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しん劇の小噺・怪談

おはようございます。
しん劇でございます。

まだまだ暑うございますので、恐怖体験でも話しましょうか。

こないだのお昼過ぎです。
ちょっと用がありまして外に出たんですね。
そしたら、さっきまで晴れていた空が、急に鉛色の雲で覆われて、風がびゅうびゅう吹いて来たんです。
これがもうすごい風で、目も開けられないし前にも進めない…
あ、これは強風体験か。



ほんとに怖かったのは電車の中で遭遇した事件なんです。

夜遅くなって、終電で帰るところでした。
真っ白な髪の毛に、しわくちゃの顔をした、まるでミイラみたいなお婆さんが乗って来たんです。

なんとなく不気味な雰囲気だったんで、こっち来なきゃいいな-って思ってたんですけど、あたくしの左隣が空いてるもんだから、案の定そこに座ったんですね。
そしたらお婆さん、おもむろに右手の人差し指をこう立てて、鼻の穴に突っ込んだんです!
でもって、ものすごい勢いで鼻の穴グリングリンしだして…
怖い怖い!その指どうするの!こっち向くんじゃねえ!
たまらず次の駅で降りるふりして隣の車輌に移動しましたよ。

運良く席が空いたから座って、やれやれとひと息ついてるところへ、恐ろしく顔色の悪い、骸骨みたいにガリガリに痩せた男が乗ってきて、前のつり革に立ったんです。
なんとも言えないいやーな感じがするなあと、思うやいなや、男が鼻の穴に指つっこんでグリングリン…
もう、生きた心地しませんでしたね。

え?下らない?
じゃあ、幽体離脱の話をしましょうか。

昔、寮に住んでおりまして、相部屋で2段ベッドに寝てたんですね。
あたくしは上の方だったんですが、ある真夜中。
急にゾクゾクッとして目が覚めたんです。
ふと天井を見たら、下の段のやつの背中が!
ええーっ?
これってもしかして、幽体離脱?
下のやつが幽体離脱して、俺の体を通り抜けて天井に浮かんでる?
怖い怖い!
でも体は金縛りみたいになってて身動きとれないんです。
うわーっ、いったいどうすりゃいいんだ!
と思っていたらいきなり浮かんでるそいつが、くるんてこっち向いて…
おもむろに鼻の穴をグリングリン…



おまけ。

浴室で頭を洗ってるときって、誰かに見られてる気がしませんか?
こう斜め上あたりに何かが浮かんでて、じっとこっちを見てる。
こないだまさにそんな感覚になったんですよ。

急に怖くなって、慌ててシャワーで頭の泡を流して、ふっと顔を上げたら、曇った鏡に誰かが指で書くように文字が!

カタカナで、コ、ロ、ス…
こ、殺す!?
ガタガタふるえてたら、あとに続いた文字が
ケナリヨー。

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