新人賞にトップ入選するのは良くない兆しなのか?
サルまん
『サルでも描けるまんが教室』は、1989年~1991年に『ビッグコミック スピリッツ』に連載した漫画です。
その作中で、漫画家デビューを目指す「相原」と「竹熊」が、作った漫画を新人賞に回されることになります。
「相原」は「大賞をとったら100万円!!」という欲望しか頭にありません。
しかし「竹熊」は、大賞はとりたくないと考えていました。
というのも、多くの審査員がいる新人賞では、「平均的に得点が高い、完成度の高い作品」が入選するので……。
……という理由で「竹熊」は、大賞(100万円)・入選(50万円)・準入選(25万円)・佳作(10万円)なら、佳作が良いと言っていました。
気持ちは分かります
「○○は準入選だった、××は佳作だった」みたいなことをいちいち覚えている気色悪い読者なら、似たようなことは考えたことがあると思います。
実際、雑誌を追いかけていれば、
「トップ入選を果たしたはいいが、以後鳴かず飛ばず」
「佳作だったけど、のちに大ヒット」
といった実例は、どんどん出てきます。
このnoteで過去に取り上げたところだと、「手塚賞」でトップ入選した曼荼羅先生が、そんな感じでしょうか。
……まあ、曼荼羅先生は「鳴かず飛ばず」というより、「受賞後に1作品も発表されなかった」のですけど。
ちなみに、このひとつ前の回では、甲斐谷忍先生が「準入選」。
のちに『LIAR GAME』『ONE OUTS』などのヒット作を生み出します。
そんな感じで、手塚賞だけでも、
・トップ入選したのに読切だけで消えてしまった野村繁裕先生など
・準入選から大成功した冨樫義博先生・荒木飛呂彦先生・北条司先生・桂正和先生……
といった例が、たくさん思い出されます。
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