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清水建設 初の営業赤字330億円

この記事は、2024年02月08日に https://tickbixs.com に掲載したものです。
清水建設は、2024年3月期の連結営業損益が330億円の赤字になる見通しを発表しました。これは、前期の546億円の黒字から大幅に逆転するものです。営業赤字は、同社の株式上場以来初めてのことです。

この悪化の主な要因は、建築事業の完成工事利益率の大幅な低下です。国内の複数の大型建築工事で契約から着工までの期間が長期化し、資材の高騰が起こりました。また、労務費の上昇も影響し、多額の工事損失が見込まれます。

売上高は大型工事の完成により2%増の1兆9800億円となり、前回予想より350億円上方修正されました。一方、純利益は80%減の100億円となり、政策保有株の売却で黒字を確保しましたが、従来予想より400億円下振れました。

業績悪化に伴い、24年3月期の年間配当が従来予想から7円引き下げられ、20円になりました。また、会長・社長などの役員報酬も返上され、社長は5カ月間、月額報酬の30%を返上します。さらに、受注前審査の厳格化など再発防止策も打ち出されました。

この発表を受けて、同社の株価は急落し、一時的に前日比15%安となりました。

一方、23年4〜12月期の連結決算では、最終損益が208億円の赤字となりました。売上高は10%増えましたが、国内外の大型建築工事で工事採算が低迷し、519億円の営業赤字を計上しました。政策保有株の売却などで246億円の特別利益を計上しましたが、まかないきれませんでした。

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