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タイトルのみチェックはしたけど、読まずに蓄積されていた論文をちゃんと読んでいこう

最新論文のチェックはどうしていますか?

私は研修医の頃、図書室に行き紙のジャーナルを手にしたり、木曜日になったらパソコンでNEJMのホームページに行ったりしておりました。

何年か前からは、Feedlyを使用しております。RSSリーダーで、ジャーナルを登録しておくと、それぞれのホームページに飛ばなくても、最新の論文のタイトルを一覧で見ることができます。

iPhoneのアプリでいつでも簡単に論文チェックできるので、通勤途中にでもさらっと目を通せます。ただ通勤中ですので、論文にアクセスしにくいこともあり、気になった論文タイトルをスクショして、読まずにiPhone内に溜めてしまってました。こんな感じです。


スクショのスクショ

タイトルのみチェックはしたけど、読まずに蓄積されていた論文をちゃんと読んでいこうかと思います。略して"タイちゃん"

"ちゃんと読んでいこう"と書くと、思い出されるのは昨年の血液内科流行語大賞「みなさんちゃんと論文読んでますか?」(笑)。

こんな風に言われないように、論文読むのを習慣化していきたいですね。
では早速 タイちゃん 始めましょう。今年の1月頭から溜めていた論文でスタートです。

1. Extended duration letermovir prophylaxis in recipients of HSCT

Russo D, et al. Efficacy and safety of extended duration letermovir prophylaxis in recipients of haematopoietic stem-cell transplantation at risk of cytomegalovirus infection: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet Haematol. 2024 Feb;11(2):e127-e135.

LetermovirによるCMV予防を移植後day100までではなく、day200まで行う臨床試験。day100以降letermovir群とplacebo群に無作為割り付けされている。day200の時点でCMV infectionを起こしたのは、letermovir群で3%、placebo群で19%。GVHD、下痢、吐き気などに差はないけれど、気になるのは、移植後のCMV infectionは再発を減らすとする報告がいくつかある中で、letermovir群でAML発症が多いこと(4% vs 0%)。

2. Decreased FN during COVID-19 pandemic

Toriumi R, et al. Decreased febrile neutropenia during inpatient chemotherapy for urologic cancer during coronavirus disease 2019 pandemic. Cancer Sci. 2023 Jan;114(1):201-210.

金沢大学泌尿器科からの報告。化学療法目的に入院されてた泌尿器科の患者を後方視的に調べた研究。FNを発症したのが、2018-2019年は20/317 cases、2020年は1/276 cases (p = 0.005)。neutropeniaのgradeには特に差はない。筆者らはコロナ禍の感染予防対策がFNの減少につながったと考察されている。

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