「世代を超えたつながりを通して生まれるワクワクをこれからも」- つながるキャンパスインタビュー 後編
概要:
つながるキャンパス(以下つなキャン)
「あなたの出会いと学び、挑戦をボーダーレスに」をコンセプトに日本全国のU24世代の若者および100を超える地域団体・企業・社会人サポーターが集うオンライン上の仮想キャンパス。
インタビューをお受けいただいた方:
高橋ひな子(たかはしひなこ)さん
NPO法人G-netで事務局としてつなキャンの運営をしている。
重田百合香(しげたゆりか)さん
千葉大学大学院の修士課程に在籍しており、運営にも参画している。
インタビュアー・執筆:茶谷力丸(Shakr Inc.)
編集:尾本将太(Shakr Inc.)
本文:
つなキャン内で普段行っている特徴的な活動などはありますか?
重田)
つなキャンの中で一番ふらっと入れる、気軽に交流ができる場所としてつなキャン食堂があります。週2回お昼ご飯の時間帯にZoomを開けて、そこで一緒にご飯食べたりお喋りをしようという場所です。誰でも入れるので、そこにいる人とお喋りしたりしています。
私はそこがまさにキャンパスという感じだなと思っています。食堂に行って、たまたま会った友達と一緒にご飯を食べるみたいな、そういう感覚で若者だったり社会人、もっとそれが幅広い年代になったバージョンみたいな気持ちでふらっと行って、色んなお話を聞いたり私自身も会話を楽しんでいます。
つなキャン食堂には毎回はじめましての人が来ています。私は「大学院生です」と言う自己紹介をすると研究の話を聞かれることが多いです。その時は誰に対しても大体話すことは同じなんですけど、毎回食いついてくれるポイントが違ったりして、「こんな所に興味を持つ人がいるんだ」とか面白い発見も合って楽しいです
またつなキャン食堂以外にも、もっとキャリアに特化したもので、社会人の方にU24世代の若者がお話を聞いたりすることもあります。これまでの経歴だったりとか、どういう風に選択をしてきたのかということを教わるみたいなことをしています。
重田さんが活動で高校生と関わって発見したことは?
重田)
一緒につなキャンサポーターとしてイベントをして高校生と何か一緒にやることが結構あって、そこで感じたのは彼らが本当に積極的だということです。
つなキャンに参加してくる高校生は自分から色んな団体とかに参加したり、社会課題に疑問を持っていたり、大学とかそういう目先のことじゃなくて、もっと先の生き方みたいなところを考えていたりする高校生がすごく多くて、私はすごく刺激を受けています。あまり年下だと思えないです。(笑)
小学校も被らないくらい歳の差はあるんですけど、本当に一緒に活動する仲間として見るようになりました。だから本当は歳の差ってあまり関係ないなと思ったりとか、5〜6歳とかの差があっても自分がもっと高校生を見習わなきゃいけないこともたくさんあります。そういう意味で高校生から日々刺激を受けています。
高橋)
似たようなところで、重田さんから刺激を受けたと言っている社会人の話を最近聞いたのでぜひシェアさせていただきます。
つなキャンサポーターの企画の中で社会人がファシリテーター的にサポートをするというところで、企画運営をつなキャンサポーターと一緒にやってもらっています。でもなかなか企画運営なんて仕事でやったことがない人もいます。そういう社会人の方が「自分もやったことが無いから勉強しながらの参加になります」と言いながらも参加していただいて、でも「色々ネットで調べてみたんですけどちょっと困っていて」というのでお話を聞いてみたんです。「教えてもらう」もあるし、「お友達みたいな感覚」もあるし、という感じです。
そうしたら、自分なんかよりも高校生の子の方がイベント作った経験があるとか、広報の集客の時はこういう所が抑えどころなのでしっかりやりましょう、みたいにみんなを鼓舞している姿とかを見て、やっぱり自分の生きていた範囲って限られていたんだな、みたいなことを仰っていました。
「年齢の壁を越えて、エリアの壁を越えて、たまたまそこに集まって一緒に企画をすることになって、それをすごく強く感じた」と仰っていました。その人は重田さんがあんなにみんなをまとめるのが上手いなんて思わなかったって言っていました。
重田)
ええ、うれしい(笑)
高橋)
大人がファシリテーターで入ると言って入ったはずなのに、全部重田さんがやってくれてありがたかったと仰っていて、すごくつなキャンらしいシーンだなと思いました。(笑)
ラジオについて詳しく教えてください
重田)
ラジオの内容としては、ゲストが社会人の方だと結構キャリアの話になったりすることも多いんですけど、キャリアセミナーみたいにはしたくはないんです。気軽に聞けるというか、気軽に覗ける感じのものにしたいと思って他のU24世代の若者数人と共に企画しています。
人によってはお仕事の話をして下さる人もいますし、自分の子育てのことが話に出てきたりとか、趣味の話が出てきたりとか、ゲストが若者だと大学でのお話が中心になったりとか、話の内容は限定せずにその人の人柄がわかるような1時間の番組を作りたいなという気持ちで毎月実施しています。
つなキャンはどんどん規模が大きくなって、なかなか一人ひとりとお話したり、顔が見える機会って少なくなっているので、このラジオは大事な企画だと思っています。
Youtubeの生放送ではコメントと対話するようなこともやっていたりするんでしょうか?
重田)
事前の質問を募集する時もあるんですけど、聞くこととか流れみたいなものは事前にゲストの方と打ち合わせをしています。ゲストの方が話したいことがある場合もあるので、なんとなくこっちが聞きたいことと向こうが話したいことで組み立てています。
当日はYoutubeのコメント欄も使いますが、Youtubeのコメントってアカウント持っていないとコメントできないと思うので、Slidoというセミナーとかで使われるような質問を投稿できるサイトみたいなものを使っています。そのSlidoのリンクをSlackに貼っておいて、「ここに投稿して良いですよ」みたいにしていて、そこで来た質問と対話する感じの流れになったりします。だから質問が来ても来なくても成り立つようにはなっているんですけど、質問が来るともっと面白い感じになります。
コロナの収束したらつなキャンはどう変わっていくと思いますか?
高橋)
今まで話していて課題解決の為だけにつなキャンはある訳じゃないなって思っています。去年の話になるのですが、年末がちょうどコロナが収まっていた時期で、初めてつなキャンとしてオフラインで大集合しようっていう、つなキャン未来会議の第0回というのをやりました。そこで初めて重田さんと会いました。
重田)
はい、初めて会いました。(笑)
高橋)
これからコロナが落ち着いていって、ずっとお世話になっていたあの人に会いに行くとか、つなキャンの中以外で実際にアクションを取ることができるようになったり、やってみたいことが際限なくやれるようになるという変化なのかなと思っています。
例えば一昨年やった学園祭は花火を打ち上げを中継したけど、みんなで集まって手持ち花火しようってなるかもしれないし、どんどんハイブリッドにはなっていくと私は思います。
重田)
私も同じようなことを思いました。Slackの形とかはそんなに変わらないけど、実行する場所はオフラインでやった方が面白いじゃないか、みたいなことが本当にオフラインでできるようになるとか、そういうことが増えていくという変わり方なのかなって思います。
私もつなキャン生何人かで実際に会ってご飯に行ったりしています。今後はもっと遠くに住んでいる人と会いたいですし、旅行に行った先のつなキャン生に案内してもらいたいなと思ってます。
つなキャンの魅力と特徴というのを一言で表すとしたら、どういう所ですか?
重田)
色んな意味で、本当に自由な場所だと思います。
強制されないというところもあるんですけど、基本的なマナーを除けば何も強制が無くて、そういう所って意外といままで無かったと思っています。何をするにも本当に自由ですし、だから何もやらないこともできるし、入ってきて何もしてなかったけど突然何かすることもできます。本当にやりたい時にやりたいことをできる、喋りたい人と喋れるとか、良い意味でも悪い意味でもすごく自由な場所です。
でも一方で自由というのはすごく難しいと思います。「自由だよ」と言われて、じゃあ何をすれば良いのか分からないという風になってしまうと思います。本当にやりたいことがやりたい時にいくらでもできるという自由と、逆に自由だから難しいという所が両方あって面白いなと思っています。
何かを始めたとき誰かに何かを言われる訳じゃないけど、自分から何かを初めて壁にぶつかることもあるじゃないですか。どうやってやろうかなとか、どういう風にしたら良いんだろうって困る所もつなキャンの自由さから来ている難しさだと思うので、単純に面白いという意味でも、難しさの面でも、自由である所が魅力なのかなと思います。
高橋)
つなキャンにいる大人たちは願いを込めて、つなキャン生たちの可能性を信じている人しかいないと私は思っています。
自由だから動けないこともあるけど、動けないってなった時に動かないのか、動けない自分自身をどうにか変えていくのか。大人たちはつなキャン生には変える力があると思っているし、変える為のサポートもいくらでもするっていうのがつなキャンらしさなのかなと思っています。つなキャンはそういう願いで作り上げられてきたキャンパスです。
私が一言で表すならば、つながるキャンパスのコンセプトである「あなたの出会いと学び、挑戦をボーダーレスに」という言葉です。これは去年の10月くらいにブランドリニューアルをした時に決めました。1年間コンセプトが無い状態で走ってきているんですけど、でもそれで良かったと思っています。このコンセプトを新たに作る時、重田さんとか実際にいるつなキャン生たちの顔を思い浮かべながら、あの子たちが1番いきいきしていた瞬間ってどういう瞬間だろうね、みたいなことを考えていました。
そういうふうに考えていく中で、出会いには何の境界も無いし、年齢の壁も無いし、挑戦したいと思ったらして良いし、という全部がボーダーレスな場所を作れたら、すごくみんなわくわくして生きていけるんじゃないかなという風に思って、このコンセプトを3か月くらいかけて作りました。
私たちはこの言葉を重田さんがするっとボーダーレスって言い始めるくらいまで唱えなきゃいけないなとおもいます(笑)
最後にこの記事を見てくださるU24世代の若者や高校生へメッセージをお願いします
重田)
コロナでできなくなったことばかりではないと思うんですけど、色んな打撃を受けたりとか制限されているのは事実としてあると思います。そういう中で自分のやりたいことができなくなったとか、何かしたいけど何から始めたら良いかよく分からないとか、何かもやもやしている人は若者じゃなくてもいると思います。
私にとってつなキャンは、「コロナで何もかもできなくなった」じゃなくて、「ちょっと未来の可能性を感じられるような場所」だなと思っています。私はコロナで留学が中断になった経験をしたんですけど、「もう終わりだ」みたいな悲しい気持ちになっていました。もちろん留学がちゃんと続けられていたらその先に違う未来があったと思うし、それもそれでとても幸せだったと思います。留学が中断になって良かったとは思わないし、コロナが流行って良かったとも思わないですけど、コロナがあったからこそ今つなキャンで出会えたたくさんの人がいます。
「コロナが起きた先の自分の未来」をポジティブに捉えられるようにもなりました。「何もできなくなっちゃった」とか辛い思いをしている人が、つなキャンという場所で「何か自分にもできるかもしれない」とかそういう風に感じてくれたらすごく嬉しいなと思います。
「自分何もしてないから駄目かも」みたいに思って、こういうのに入るハードルが高い人も多いと思うんです。「凄い」が何かも分からないですが、何か特別な経歴を持ってなきゃいけないとかも全く無いので、「何かもやもやしているな」とか、「誰かとお話したいな」とか、そういう気軽な気持ちでつなキャンに来てくれたらとても嬉しいなと思います。
私もまた新しい色んな人と繋がりを持ちたいですし、お話したいなと思っています。
高橋)
「つながるキャンパスは、進む”進化”も、深くなる”深化”も続けます」ということを年末にやったつなキャン未来会議の時に皆さんに宣言をしています。今のつなキャンのシーンって、1年後にはあんなこともあったね、くらいのものにどんどん更新されていくと思います。
更新されていくのはやっぱり色んな人が入ってくるから、ある人にとっての「面白いこと」とか、ある人にとっての「ちょっと大変なこと」とか、「こんなことをやってみたい」という気持ちが共鳴しあってどんどん繋がりも深くなっていくし、つながるキャンパスという場所自体もどんどん新しく前に進んでいくなと思っています。
何かちょっと面白そうだなって思ったらとりあえず「おいでよつなキャン」という感じです。色んな人が「ようこそ!」って言ってくれるよというのは伝えられたらなと思います。
編集後記:
コロナ禍で誰もがマイナスの気分になっている中でもその中で起きる変化をプラスに捉え、つなキャンを通して世代や地域を超えたつながりを生み出していることがとても印象的だった。コロナが収束していく中でつなキャンで生まれた若者や社会人のつながり同士で実際に会う日が来ることを心から願っている。
○リンク
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Twitter: つながるキャンパス|2021年度入学者受付中✨ (@tsunacam)
Instagram: つながるキャンパス (@tsunacam)
note: https://note.com/tsunacam/
Peatix: つながるキャンパス
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