「純粋に新入生を助けたい」 - 慶應義塾大学学生団体TakeOffインタビュー
今回は学生団体TakeOffの坂本尚斗さんにお話を伺いました。
概要:
TakeOff
慶應義塾大学の学生団体で、新しく入ってきた慶應義塾大学の新入生に向けたオンラインイベントなどを開催する。またイベント後の学生生活のサポートなども提供する。
インタビューをお受けいただいた方:
坂本尚斗(さかもとなおと)さん
慶應義塾大学経済学部2年、学生団体TakeOff代表
インタビュアー・編集:尾本将太(Shakr inc.)
本文:
TakeOffはもともと別の団体の新歓イベントとして新入生のためになるような企画に携わっており、慶應義塾大学でもやってみようということで坂本さんが周囲に「こういうことやってみない?」と声をかけ立ち上げたそうだ。一言に新歓イベントと言ってもその性質はいわゆる昔ながらの飲み会イベントとしての新歓ではなく、新入生にとって何があったら助かるか、そこに一番の主眼をおいていると坂本さんは語ってくれた。
坂本さん)
「去年の春に新入生を助けるためにTwitter上で個人のアカウントを立ち上げて履修相談に乗ってあげたりとか、そういう活動をしている人たちがいて、その人達を見ていて良いなと思いながら、結局自分は何もできませんでした。
それが心残りだったということもあったりして、新入生のためになにかできないかなということを思ったのが団体発足のきっかけです。
新入生に向かって情報発信をしている人たちの中には、自分のサークルに入ってほしいという人たちは多いと思うんですけど、TakeOffはそういう人たちとも協力しながらもまずは新入生を助けるというところに一番重きを置きたいと思っています。」
設立はまだ今月(2021年3月)で、できたばかりではあるがかなりのスピードで仲間も増えて、新歓イベントにもつながっているようだ。
最初は継続的に続けていくというよりは単発で新歓イベントを企画していたそう。しかし本人も驚くほど規模は大きくなり団体としてやることになったそうだ。団体としての軸は2つあるそうで、その軸について伺ってみた。
坂本さん)
「1つ目はイベントです。新入生同士、新入生と先輩のつながりを作る。新入生が現状持っている学校生活とかこれからに対する不安を解消していく場を作ります。大学生活で大学自体に身を置くというところもコロナで難しくなったりというところでその助けになるような情報発信をしていきたいと思っています。そのために交流会、相談会、説明会の3つの要素を兼ね備えたようなイベントを構想しています。
2つ目はSNS上での活動ということを考えています。一番の目的は新入生を助けるということなんですけど、上級生として去年個人アカウントでサポートをしていた人に話を聞くと、わからないことも聞かれるということが結構多いんです。そんなわからないことを聞かれたときに周りに聞きまわったりとか情報収集を個人がしなきゃいけなくなったりしてしまいます。でもそういう上級生として個人アカウントでサポートしている人って結構多くて、その人達同士のコミュニティを作れば聞きまわったりせずに問題解決ができると思うんです。それぞれ先輩の属性などをまとめて、質問されてわからないことがあったら『この先輩だったら詳しいよ』とか、事前にこの人が詳しそうだなっていうことがわかる、新入生に正しい情報が届くような仕組みを作っています。」
新入生のためということを主軸において活動をするTakeOff。その中で坂本さんの役割について伺ってみた。現在は立ち上げたばかりの団体の代表ということもあって何でもこなすそうだが、その中でも坂本さんを軸に集まってくれた人々が集まっている団体であるため、なかなか横のつながりはまだしっかりできていないという。その中で、主に全体をつないだり調整役を担っているそうだ。
主に坂本さんの知り合いづてに広がっている現在のメンバーだが、メンバーを集める上ではSNSも活用して広く募集しているそうだ。SNSで広く公募して新入生に向けた情報発信やイベントで先輩1人に対して後輩4人くらいで話をするブレイクアウトセッションに参加してくれるメンバーを集めているという。
まだ始まって間もないTakeOffだがその団体づくりはなかなか大変なことも多いようだ。何からどう決めて良いかわからない状況ながらも周りの人の力を借りながら考えていって、人の力を借りることで自分たちが新入生に提供しようとしているものと、新入生の求めているもののズレなども見えてくるという。
坂本さん)
「新入生のために役に立ちたいからこそ、その思いはあってもどうしたら役に立てるのか、というのがわからなかったというのが一番大変だったところですかね。
でもやってて良かったと思うことは、SNSで活動しているということもあって新入生の生の声が聞けることや、繋がりも増えていくというところで、実際に人と話して役に立っているというのが見えるところです。
自分の理想に対して共感してくれる人がいるということも嬉しいなと思いますし、やりがいを感じています。実際にこれからイベントをやって、みんなが来てよかったなと思ってくれると良いなと思います。」
TakeOffは未来あるまだまだこれから活動を広げていく団体だが、そんなTakeOffの魅力や特徴について伺ってみた。一番大きな特徴は「純粋に新入生を助けたい」というところから始まっている団体だということだ。そのなかで何が必要とされているかというところに真摯に向き合っていることも大きな特徴だろう。
坂本さん)
「本当に何を求められているかというところにあったものを新入生にあげないと、確かに助けにはなってるかもしれないけど、『もっとやってあげられることがあるんじゃないか』ということになると思うんです。その新入生が何を求めているかというところに重点をおいていて、それが行動の判断基準になっています。
参加してくれる人がどういうことを求めているかというところをしっかり吸い上げて、それを元にコンテンツを作っていこうという風に思っています。
なので参加者を集めてから何がほしいかということを考えてコンテンツを作っているので、急ピッチになって大変なんですけどね(笑)
でもそこは参加してくれる新入生たちにとってすごく良いところなのかなという自負はあります。」
新入生がどう思ったかということが作ったものの価値基準になる。そんな真摯な姿勢がTakeOffの一番の魅力なのだと思う。
これから新歓イベントを実際に開催する予定のTakeOffだが、そのイベントの先にどんなことをしてみたいか訊いてみた。もともと単発イベントのつもりで始めたためにあまり先のことは考えていなかったそうだが、来年以降も毎年必要としてくれる新入生がいる限り活動は続けていきたいという。同じ志を持った人同士が集まってまたやりたいそうだ。また新歓イベントそのものだけで普段挨拶する程度の友達にとどまってしまわないように、イベントをやった後のアフターフォローというところで本質的なつながりづくりをしていきたいという。
坂本さん)
「TakeOffのコミュニティそのものでなくても、TakeOffをきっかけに本当に強い繋がりができると良いなと思っていて、その助けをTakeOffはしていきたいなと思っています。」
TakeOffがこれから継続的に活動を続けていくにあたってメンバーも増えていくわけだが、どんなメンバーに入ってきてほしいか、その人物像について伺ってみた。
坂本さん)
「僕と同じように純粋に新入生を助けたいという風に思ってくれる人が入ってくれることが一番嬉しいです。活動をするメンバーも新歓の時期が迫って来るとやっぱり多少の力はかかっちゃうじゃないですか。そういうところもあるので純粋に新入生のために動ける人がいたら本当に嬉しいと思いますね。
あとはいろんなつながりを持っている人が来てくれたらありがたいですね。繋がりって財産で、この活動で繋がりがいっぱいできてよかったと僕は思っています。
とはいえなによりも本当に人を助けたいという人が来てくれるのが一番嬉しいです。」
そんなTakeOffにこれから入ってきてくれるメンバーへのメッセージを伺った。
坂本さん)
「これから入ってくれるメンバーの人たちは、自分が一回新入生で困った経験をしているはずなので、その人達の気持ちが本当にわかると思います。
なので自分が苦労したっていうその気持ちを忘れないでほしいというのと、それに対して助けてあげたいという風に思った自分の気持ちを大切にしてほしいなと思います。
なのでそういう思いを実際に活かす場としてのTakeOffがあったら嬉しいなという風に思います。」
編集後記:
新入生のために何かをしたい、そんな気持ちから始まったTakeOff。その気持ちはどこまでも新入生本位で、純粋に誰かのために何かをしたいと思える気持ちにとても心を震わせられるインタビューだった。ぜひ今年のみならず、来年以降も継続的に活動を続けていってほしいと思う。
◯リンク
Twitter: @TakeOff_2021
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?