私的映画ランキングトップ100をレビューする :Extra「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」

俺はキャプテン・アメリカだぞ!!!!!

フェーズ5以降も楽しみすぎることでもおなじみ、我らがマーベルシネマティックユニバースのドラマシリーズ第一弾…になるはずだった今作。
「エンドゲーム」でちょこっと触れられた盾を受け継いでいくお話、そして”キャプテン・アメリカ”というヒーローを受け継いでいくお話を、おそらくファンが思っていた5万倍はヘビーなテーマと共に濃厚に描いたドラマシリーズでございました。
コロナの影響で公開順とかいろいろごたついたりもしていましたが、まあめちゃくちゃに面白かったのも事実ですのでね、思いつくままに行きましょう。

・1話冒頭のあのアクション!
これが見たかったのよね~~~~~~!!
ドラマ前作の「ワンダヴィジョン」がですね、まあ面白いことは面白いんですけど言ってしまうと森のカットボールくらいには渋い変化球なもんでして、こっちが望んでいたのは千賀のストレートなわけですわ。
開幕からファルコンの楽しい楽しい空中戦、それとチラっとというか結構大胆に登場してくるお久しぶりなバトロック・ザ・リーパーさんだったりとね、ファンサも忘れないというのがにくいところ。
ところでこれは余談なんですけどこのドラマ「バキ翼(つば)」とか「バッキー&翼」って呼ばれがちなあまりつい変に混ざって「バッキー&ウィンター・ソルジャー」って言っちゃうんですよね、いや同じやないかい!

・いや、重くない???
先述の1話冒頭こそ爽快なアクションシーンで魅せてくれるんですけどね、そこから先はもうず~~~~~っとギスギスギスギスしていまして。
事の発端はファルコンことサム・ウィルソンがキャップから受け継いだ盾をアメリカ政府に返却したことで、まあね~アメリカにはアメリカの事情、言ってしまえば人種のアレがあってやいのやいのってことらしいです。
それに対してキャップことスティーブ・ロジャースのズッ友でもおなじみなバッキーことええと…なんでしたっけ……バッキーか……が怒っちゃってしかもこいつらのいがみ合いがもうね…見てられないといいますか……。
私たちファンの皆様はいうなれば「アントマン&ワスプ」のようなニコニコ爽快バディアクションを望んでいたわけででして!!そんなツンケンしているあなたたちを見たいわけじゃないの!!

・ジョンウォーカーという男
そんな空気感の中現れたのがこいつですからね。
政府公認の新「キャプテン・アメリカ」として華々しく登場し、そこからはまーーーーーーーーーーーーーー嫌な奴として物語を引っ張ることになります。
終わった今だからこそこいつはもう一人の主人公なんだなと結構ね、終わってみればですけどかなり好きになれるキャラではあったんですけどもね~~もう当時は頼むから大人しくしてくれと、お前までギスギスさせるなとそんな感じで一週間を過ごしていたような思い出もございます。
相方のええと…名前忘れちゃったけど黒人の兄ちゃんとのやりとりもあったりしてね、あれもあれで中々趣のある関係性だったりもして、やっぱ今思うと結構魅力あふれるキャラクターだったんだよな……。

・ジモさん
ドロッドロでヘビーな物語の中に吹き抜ける一陣の風、まさかまさかこんな役割になるとは思ってもみなかったのが「シビル・ウォー」以来久々の登場となるヘルムート・ジモだかなんだか忘れましたがジモ様。
登場するや否やマキャベリを読んでいるというイキりムーブをかまし、その後もいつ殺されてもおかしくないはずの立場なのにま~~~~不遜、不遜も不遜な態度を取り続けるんですけどね、逆にその態度が面白くなっちゃうくらいには本筋がダークというかヘビーなもんで助かっちゃいましたね。
「超人」が憎いという根底があるからこそ、ファルコンとウィンター・ソルジャーの二人に複雑なかかわり方をすることになるんですが、やはり1本の映画の黒幕として暗躍していただけのことはあってか、なんだかんだ最後に笑っていたのはやはりこの男なのかもしれないというね、お上手な立ち回りでございました。

・ブラックキャップ
ゴキブリ殺しみたいな名前だね~~~。
などといじるのも憚られるほどにダークな設定を抱えた”黒人”のキャプテン・アメリカことええと…お名前が……イザイア・ブラッドリーさんですね。
初代キャップが氷漬けになってからというもの残酷な人体実験の被害者になり、せっかく生き残って超人の力を身に着けたかと思えば捕まってあれやこれや、いやはや原作通りの設定とはいえね、現実の世界でもあれこれ起こっている時勢なもんでこれは中々にヘビーだな…とマーティになってしまうのも致し方無いというところです。
原作では彼の背景のあれやこれやを現代キャップがただただ聞き続けるというこれまたクッソ重いエピソードがあったりするんですけど、今回のドラマでもその再現と言いますか、なんといってもそのエピソードをまるまる一個救済するような終わり方をしてくれているというのがね、こう、MCUってすげえなあってところでもありました。
ちなみにこのイザイア・ブラッドリーさんの息子だか孫だか忘れましたけど、後のええと…パトリオットとかいうヒーローになるかもしれないということでこっちはこっちでヤングアベンジャーズ的な楽しみもございますね。

・なんやかんやあって5話くらいのアレ!!
いや~~~これが見たかったのよね~~~~~!!
問題児ジモさんとのすったもんだや、ジョン・ウォーカーのクソ野郎ムーブや盾で人殺しを働いてしまったりというあれこれがありましたが、長く短い旅路を経てバッキーとファルコンもついに和解、なんと全6話の内5話の終盤からようやくまともなバディとしてプリキュアすることになりまして、すごい思い切りですよこれは。
スティーブさんとは違って超人血清を使っていないが故、人間として人間のまま盾を背負う男としての決意がうかがえるちょこっとした修行シークエンスなんかもあったりして、そういえば5話冒頭のVSジョン・ウォーカーのアクションもこれまた珠玉と言いますか、やっぱり一般人組はこういう硬派なアクションが映えますね~!

・怒涛の最終回
ここまで触れるのをすっかり忘れていた今作のヴィラン、フラッグスマッシャーズというチンピラ集団もといテロリストたちのトップ「カーリ・モーゲンソウ」さんですけどね、まあなんというか主義主張こそそれっぽいですけど主役3人に比べるとどうしても……ってところがあるのはね、仕方ないところです。
そんなこんなでカーリ・モーゲンソウとの最終決戦に臨む御一行、ファルコンはワカンダの皆様に協力してもらってなんとヴィブラニウム製のウイングスーツを作ってもらっちゃったりもして!!これがまたかっこよくてな~~お前な~~~!!
てんわやんわしている街中を颯爽と飛び回り、「ファルコンだ!」「いや、キャプテン・アメリカだよ」なんていう件はもうね~~~泣いちゃうね~~~!!!!
必殺の扉展開ディフェンスとかシールドタックルとか、まるでお前マブカプか?ってくらいかっこいいアクションなんかも飛び出して、最後は盾を文字通りの盾として使ってカーリ・モーゲンソウさんともね、すったもんだしておりました、が!

・大変申し訳ございませんでした
ジョン・ウォーカーがここに来て刺すのか……!
これまでの一件で盾も、「キャプテン・アメリカ」の名前すらも剥奪され失意のどん底にあった彼ですが、カーリ・モーゲンソウらフラッグスマッシャーズの悪行を阻止するべく往生際も悪く現地に参戦。
ここでね~~お手製の盾(名誉勲章付き)を持ってきちゃうのとかね~~もう切なくて切なくて、なんか最初の方はひたすらイライラしてたのにこの辺からね、もう人間臭さがたまらんくなってましたね。
そして極めつけはレマー(思い出した!)を失うきっかけとなったカーリ・モーゲンソウを目の前にしたあのシーンですよ!逃げていくカーリか落ちかけている何でしたっけねあれは輸送車的なアレ、どちらを取るんだ…!となったときに!!咄嗟に盾を放り投げて輸送車を助ける!!!その時彼は”ヒーロー”になったのだ!!!!!!!!
もう最終回までのアレもコレもこの瞬間の為に用意されてたんやなって、完全にしてやられました、ほんとね、お上手すぎるのよ。

・「キャプテン・アメリカ」
また触れるのを忘れていたシャロン・カーターさんの暗躍やらなにやらで、フラッグスマッシャーズ一味は壊滅に追い込まれたわけなんですけれどもね、その後のええと…GDなんちゃらみたいな組織と対話するファルコンのシーンもまた良いんですよねこれが。
相手の話を真摯に聴き、受け止める。これまでのヒーローが実はあんまりやってこなかった「対話」で事態の収束を図ると言いますか、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」で彼が行っていたセラピストとしての活動にも通じるものがありましたね。
スティーブにはキャップたる鉄壁のメンタリティがありましたが、サムにはサムなりのこれまた驚異的な精神性があるんだなというところでして、かくしてサム・ウィルソンはファルコン改め「キャプテン・アメリカ」と成るのでありました……最後のタイトルロゴの演出とかまあコッテコテながらにして感動極まれりでしたね………。

・ウィンター・ソルジャー
一方そのころこっちはこう…まあキャップ程ではないにしろやはり”ヒーロー”としてのオリジンというか、これまで縛られてきた過去、スティーブの残したノートからの決別というお話にはなっていましたけれどね、ちょーーーっと不完全燃焼感あるので是非とも今後のMCU作品においてもっともっと深堀りしていただきたいといったところ。ワカンダ製ニューアームもあんまり目立ってないですからね、せっかくなんだから変形くらいしてみればいいのに。

・USエージェントだ!
これもアツいですね~!
実はブラック・ウィドウで先に出てくるはずだったあまりにも怪しいおばさんことコンテッサ・ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ様によるスカウトなのかよくわからないアレですがね、せっかく最後にヒーローっぽい感じで終わったんですからせめてダークヒーローくらいの扱いにとどまって欲しいものですが、こちらも今後の展開や掘り下げに期待といったところです。

・シャロン・カーターさん
お前何勝手に闇落ちしとるん?????
エージェント・カーターの名前はあまりにも重いんだぞ??????
パワーブローカーの設定変更は良い感じでしたが、何があってあんなことになってしまったのやら、彼女も彼女できっと今後色々あるんでしょうが、まあ「キャプテン・アメリカ4」も制作が決まっていることですし、こちらは気長にまっていましょう。

・終わりに
最後ちょろっと言いましたけど既に新キャップを主役とする映画「キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー」の公開は決まってるんですよね、もう楽しみすぎて泣いちゃうぞ。
ワンダヴィジョン後の濃厚ドラマということでもう1話1話面白いし展開も読めないしと、そしてこの辺でMCUドラマの終わり際というか、めちゃくちゃ終わってほしくないシーンが来たら「あ、今週はここまでやな」って察せられるようになったのもいい思い出?ですね。

ということで、多分次は間に何も挟まなければいたずらな神様のドラマのことを書くんじゃないかな~と思います。ブラピが新幹線で暴れるやつかもしれねえな!!

ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

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