Taichi Isaku / 伊作太一

料理の創造性と、エシカルな食の選択について。 英語版→ https://medium.com/@tisaku

Taichi Isaku / 伊作太一

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マガジン

  • 和食ランゲージ通信

    • 24本

    和食ランゲージは、和食文化を捉える、47個の「キーワード」のコレクションです。 それぞれのキーワードは、歴史を通して繰り返し見られる和食の特徴を一つ捉え、概念化しています。 このマガジンでは、これらのキーワードをピックアップしながら、奥ゆかしい和食の世界観を紹介していきます。 「和食」は日本列島の豊かな自然、そして日本人の高度な技術と知恵の賜物で、長い歴史の中で育まれてきた複雑な食文化です。一口に「和食」と言ってもそのあり方は実に多様であり、和食とそれ以外の料理の境目は明確に線引きすることができません。 「和食ランゲージ」は、そんな和食を理解するための視点を増やし、より多面的に捉えるためのツールです。和食を明確に定義づけることは難しいかもしれませんが、より柔軟性をもってアプローチすることで、食文化のさらなる継承と発展につなることでしょう。

  • コークッキング・ラボ

    「クリエイティブ・スペース」としてのキッチンの探究。「生活の場」「学びの場」「遊びの場」が折り重なる、「人間らしく創造的な暮らし」の中心地はどうあるべきかを探っていきます。

最近の記事

物語としての料理

※ このnoteは「料理に名前をつけるということ」の続編です 「すべての料理は一つの物語である」 Every dish is a story. 時折口にする言葉です。人間は本来的に物語を求めるのだと思います。身の回りの出来事の連続性を切り分け、点をつなぎ、意味づけをしていくことで、世界を受け入れるための納得感を得ているのかもしれません。こうして物語を与えることによって、昨日と今日を区別できるようになります。 料理と物語の同型性「始まり」と「終わり」の二つの端点の間を紆余

    • 和食とは結局何なのか:「和食ランゲージ」発表に添えて

      この度、和食文化をクリエイティブに理解・実践できるツール『和食ランゲージ』がコークッキングから発売されました! 冊子版とカード版がセットになった本作品では、季節や地域、時代によって移りゆく多様な和食の特徴を47の言葉とイラストで紹介しています。 本Noteでは、和食の奥ゆかしい世界観についてお伝えしていきます。 日頃食べている和食について、新しい視点で捉えたり、隠された魅力を発見したりするきっかけをお届けします! 「和食」って結局何だ?「和食」ほど曖昧で自由な食文化は珍

      • 料理に名前をつけるということ

        キッチンがどんどんスマート化する中、「レシピ」の存在はこれまで以上に 重要性を増しています。買い物の代行や生鮮品のデリバリーは「買えるレシピ(Shoppable Recipe)」によって成り立っているし、ミールキットのほとんどは、料理を指南するレシピとともに届く。「補助付き料理(Guided Cooking)」とでも呼ばれるスマート調理器具の多くは、レシピに合わせて火加減や調理時間を調整してくれます。他にも有り物の食材からレシピを提案してくれたり、機械が読み取れるレシピ(MR

        • 節分を迎えるにあたって

          考えてみると「節分」は伝統的な日本の行事にして、なんとかわいらしいイベントなのでしょう。鬼の面をかぶってあたりに大豆を撒き、歳の数だけ豆を食べることで厄を祓って無病息災を願う。中々他の文化では見ない不思議な光景です。 個人的な思い出になりますが、我が家では鬼の面をつけた親が家中に撒く落花生やお菓子を、兄弟で競って拾い集めるイベントになっていました。大豆が中々売っていない外国での出来事だったので、苦肉の策でそうしてくれていたのでしょうか。子供からしてみれば、おやつのお菓子を溜

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        • 和食ランゲージ通信
          24本
        • コークッキング・ラボ
          4本

        記事

          人を賢くするキッチン

          「スマートキッチン」は、長らくの間避けてきたトピックだった。新しいテクノロジーはもちろん好きだし、ましてやキッチンに関することなのだから、本来なら興味がないはずがない。けれど、そのアイデアに出会うとき、それはいつも言葉にならない寂しさを伴った。はじめその感情は、変化に対する抵抗感だと思っていたから、中々口には出さないでいた。 去年のSmart Kitchen Summit Japan は、そんなゆらゆらが何年か続いた末のできごとだった。 見渡せば、いつのまにかキッチン内の

          人を賢くするキッチン

          キッチンをひらくための7つの観点

          「コークッキング」ということばができてから、どれくらいの時間が経っただろう。気がつけばきょうは会社の二周年記念で、随分と長いあいだそのことばに魅了されていたんだなと改めて感じています。そのことばは、いつの間にか「一緒に料理する」以上の意味を含み始めていて、少しずつ概念自体が独り歩きをするようにもなったいま、少しだけまとめてみようと思って筆を執りました。 みんなで料理するときに生まれる雰囲気は特別で、その華やかにして絶妙なあやしさを伴う場には、どことない懐かしささえ感じられま

          キッチンをひらくための7つの観点