見出し画像

🔍「富士山カヌレ パクリ」🔍

2016年11月・1週間限定で売り出した富士山カヌレは、想像のかなり斜め上を行っていったん終わりとなる。
最終日は、型が30個しかないのに200個以上も売れていきました。感動っす

もう予約取らなくてもいいっか。って思ったりするも、自分のカヌレを希望する人がいるってことが嬉しくて朝5時とかに起きるのも余裕だったんだと思います。

現実的にパティシエのスペースの邪魔になるのと、クリスマス&年末の時期でカヌレを焼いてる時間もなく、来年の春ごろにまたイベント的に・・・と、思っていた春になる前。

「富士山カヌレ」上野で売られているのを見ます。

そのころボクは、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が著作権フリーになったニュースを見て、それをベースにカヌレの箱を考えている時でした。

富士山カヌレが上野で売られている?
中に酒粕と焼酎が入っていて、ホワイトチョコをつけて酒粕のパウダーがかかっているらしい?

僕としては、ちょっとオモシロい話だな。って思ってスタッフや友人に話しました。

パクリって別に問題ないと考えます。クリエイティブって面では「死」だけど、パクリと影響を受けるの線引きって、他人が決めることだと思うし、自分の思いつきも「あれ」の影響をうけてるな〜ってことも、ある。

パティシエの本でいうとピエールエルメもイデミスギノもオーボンビュータンの持っているので、お菓子やデザートを調べる時、ソムリエとしてペアリングを考えたりする時に見たりする。

そして「富士山」というワードを使った時点で、日本では商標が取れない。そこに世界でも通じる「カヌレ」を付けたところで、何にも取れない(笑)

だから、パクられても何にも言えないのも知っていました。
ちょっと調べていくと、人間的にけっこうつながりが多い方でしたので、いちおうコンタクトをとりました。

すると、TIRPSEに1本の電話が入りまして「お客さんに頼まれて作ったものがブログに載ってしまった」とのことでした。

それじゃあ、しょうがないですよね

・・・ってなるわけですが、悪い友人を持ったようで、そのお電話をいただく直前に「富士山カヌレ」をそのパティスリーで買ってTIRPSEに持ってきてくれました。

ボクも大人げがないので、翌日にスタッフを買いに行かせると
「今日も作ったけど、急に売るのをやめた」と言われてしまい。

なんか面白くなってきたので、大人気なく「パクリ、ダメゼッタイ」とインスタにあげて煽ったりもしてました。

もうこうなるとボク的には大茶番劇なのですが、その当時まわりもだいぶ巻き込んでしまったのと相手も先輩なので、こちらもすいません、やりすぎましたって想いを伝えて、向こうからも「ごめんなさい、もう売らないね」で、はい終わり〜って感じだったのですが

「富士山カヌレの販売は無期限で延期します」
と投稿されて、笑ってしまいボクの中では終了しました。

しかし、この一番後半の部分だけが、SNS上を突っ走りネット記事ができて拡散されていきました。

それはそれは怖いくらいに凄いスピードで。

1個も焼かずに休んでいた4ヶ月の間に、炎上商法でちょっと有名になるなんて、想像もしていませんでした。

その騒動が落ち着いた頃に何も知らないデザイナーさんから「箱のデザインができました〜」と素敵なメールが届きます。

時は、2017年4月。
やっとこ、富嶽三十六景を切り取った箱が完成して、元祖・富士山カヌレも再スタートです。

よろしければ、サポートお願いします。 自分のモチベーションアップのためと、今後のためにインプットに使わせて頂き、またアウトプットできればと。サポート頂いた方へはちゃんと返信させて頂きます。