空園とある記憶

皆さんも昔の事を思い出すなんて事はあると思います。私も昔の事を思い出してうわーと落ち込んだりほほーと感心したりするんですが、最近ある事を思い出しまして「あ!」となった次第であります。

空園です。

今回は空園が過去に人助けをしたかもしれない話


私が中学生のころ、同学年にヤマザキという奴がいまして、そいつは女子達からめちゃくちゃ嫌われてました。

男子達からはどうだったかと云うと、まあ普通でしたがサッカー部とかバスケ部のイケてる連中からは距離を置かれてるみたいな奴でした。

いわゆる冴えない奴です。

特に女子達からの嫌われっぷりたるや凄かったです。なんでこんな嫌われたのか?と振り返るとヤマザキという奴は、おそらく小学生の頃は女の子達にちょっかい出したり、嫌なこと言ったりしてたような奴だったんだろうと推測出来て、中一ぐらいの時だったか、女子のグループに対して「うっせぇブス!」みたいな事を言ってたような気がします。(あー...ダサい...)

中学生になったら男子も心が成長して、女子に対してそんなの無いもんだと思いますが、その成長が訪れるのが遅かったんだろうと今は思ってます。


ヤマザキが何かしたら聞こえるぐらいの大きさで「きしょっ」「死ね」みたいな悪口が教室にこだましたもんです。

ある日のこと


なにかの授業で全員の前で自己紹介をするみたいな機会がありました。

みんな怠いなーと思ってるところ、なんと自分から「おれやります」と手を挙げた奴がいました。

そいつはサノと言いまして、サッカー部でレギュラーをやってる様な奴でクラスの人気者でした。

サノが意気揚々と元気爆発させて自己紹介をし始め、最後に「あと、俺女好きですw」みたいなのを放り込みました。ドカウケです。

クラスの女子達は「サノ可愛いー」みたいなリアクション。同じサッカー部の奴らはなにやらギャーギャー言いながら笑ってました。僕は空気読んで軽く笑顔を作ってたと思います。

先生が「じゃあサノからスタートで」と言い、次の自己紹介の発表者をヤマザキにしました。

ヤマザキは淡々と自己紹介していき、なんと最後に「あと俺も女好きです」と被せやがりました。

なんだかんだヤマザキもお調子者でヒトウケ欲しい場面で貪欲になるタイプだったので、こういう事をしたんだと思います。ヤマザキだって、そらウケたいです。


教室は全女子(ほんとうに全女子だったと思いますし、もしかしたら教室の外の女子も入ってたんじゃないか?ってぐらいの)の「キモっ!」「いやぁー」「最低!」「うぅわぁ...」みたいなのが充満しました。ドンズベリです。

もちろん女子だけじゃなくて、男子も先生もみんな顔が引き攣ったみたいになってて凄い空気になりました。「ズゾォー」みたいな波が引いてくような音が聞こえたような気がします。

僕は思いました。

こんな嫌われる事あるのかと、支持者ゼロやんと、ていうか凄いなこれ、またサノの自己紹介で振りが効いてるから一段とこれ...

気付いたら僕の「アッハッハッハ!!!!!!」という大笑いが教室に響きました。僕は心の底からウケてしまいました。本当に面白かったです。今振り返っても、あの時のヤマザキは面白い仕上がりになってたと思います。

すると、僕をきっかけに1人また1人と笑い出して気付いたら教室が揺れるぐらいみんな笑ってました。

ヤマザキは肩をすぼめて「やれやれ」みたいな動作をして着席しました。お疲れさんやでほんま。

僕は別にヤマザキを助けてあげようと思ってなかったですが、ヤマザキはあの時、実はだいぶ助かったんじゃないかと思います。

本当に昔の事なんで忘れてましたけど、なんで思い出したか?空園が家でウマ娘やりながら感傷に浸ってたからか?とにかく思い出したわけで「あ!あの時!!!」と空園の全身に電流が走りました!


いやー



そんな事あったなー



いやー




ほんとにね




いやー




空園

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