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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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ここ一年で一番泣いたゲーム「女装百合畑」の話

最近、お仕事が忙しいせいで喫煙量が減ったきゅーちゃんです。
タイトルにもある通り私が上半期通り越してここ一年間で遊んだゲームの中で一番泣いた作品の話を少しだけさせてください。

※話の結末や根幹に触れることはありませんが、微ネタバレ含みます


「女装百合畑」とは

「女装百合畑」は皆さんご存じ「の~すとらいく」様からリリースされたビジュアルノベルです。
原画にはかの有名な「あおぎり ぺんた」氏と「あるぴに」氏、シナリオに「西田一」氏を携えて現れた三年ぶりの女装シリーズとなります。
なんと今作、主人公も男の娘な上に立ち絵やイベントシーンが動くと過去作からパワーアップしてやってきました。

まずは本作品のあらすじを見てみましょう

ここは私立綾野原学園。
名家の男の娘令嬢「雄嬢様」たちが姉妹の契りを交わし、造花の百合が咲き乱れる秘密の花園……
庶民出身の主人公、伊織は自らのスタイルを貫くべく女装を避けていたが、その前に女装を何よりも尊ぶ学生会長の御影が立ちふさがった。
女装に否定的な伊織とそれを許せない御影。二人の出会いが、禁断の女装百合の世界を切り開く!

https://store.steampowered.com/app/2183910/_/

この学園は男の娘の雄嬢様たちが姉妹の契りを交わし、
偽造の百合が咲き乱れる秘密の花園。
庶民出身男の娘の主人公伊織は女装を嫌がって避けようとしているが、女装を尊ぶこの学園では完全に異分子だった。
伊織は自らのスタイルを貫こうと、女装をやめようとするが、その伊織の前に見た目清楚な腹黒女装お嬢様にして学生会長の御影が立ちふさがる。
彼女はそのポリシーから、女装をないがしろにする伊織を許すことはできなかった。

そしていつしか雄嬢様の恋愛は薔薇を超えて百合に行きつく!
それはいろんな意味で禁断の愛だった!

https://no-strike.jp/yuribatake/story/

う~ん、名文ですね。
とても胸がざわついてきますよね。

ビジュアルノベルと書きましたが、公式が謳う正式なジャンルは

「百合というか薔薇ですけど彼女たちは妊娠ができる男の娘の雄嬢様ですAVG」

https://no-strike.jp/yuribatake/

です。

さぁ、これを見ている男の娘、女装好きの皆様。
今すぐ買え。

ただの男の娘・女装フェチ歓喜のゲームではない

この記事を見た人の中には今まで飛び出してきた奇々怪々な文字の羅列に脳が理解を拒んだ方がいるかもしれない。
安心してください。全て事実です。受け入れてください。

確かにいろいろとツッコみたい点はあるかもしれません。

登場人物が全員女装してるだとか、
男なのに妊娠だとか、
雄嬢様ってなんだよとか、
体のいい言葉を並べてるが、ようはホモなのではないかとか
etc…

確かに私のような男の娘・女装というジャンルに明るい人間でなければこのようなゲームは受け入れ難いものに見えるかもしれない。

しかしそんなことは全くない。
本作は「女装」というテーマがちんこの付いた可愛い子に脳が焼かれたオタクくんへのフェチズムの為だけに盛り込まれているわけではない。
世界観やキャラクターの造形が深く練られており、美しくも棘のある恋愛模様を丁寧に描いているとても硬派な作品なのです。

特にキャラクターによっての女装への認識や恋愛観の違い、生き様がはっきりと描かれている点にはその子たちの魂の鼓動を感じてしまう程です。

「おちんちんが付いてる方がお得だろ」なんて陳腐な言葉で片付けられないほど、「女装」という要素が深く刻み込まれているのである。
(まぁ実際おちんちんは付いてる方がお得なんですけど)

一般男性とお嬢様の色恋沙汰なんてものも、もはや使い古されたネタのようにも思えますがそれは所詮男女での話。
これは一般女性(♂)雄嬢様なのですから。
そんな作品見たことありますかって話ですよ。

下らない色眼鏡なんて捨ててあなたもこの美しき造花の百合園に足を踏み入れてみませんか?
最後に待っているのは確かなる純愛だけなのですから。
うだうだと些細なこと気にしてんじゃないよ、器が小さいぞ。

ここ好きポイント

1.登場人物がかわいすぎる!!!!!!!

今まであーだこーだ理屈を垂れてきましたが結局はこれに尽きます。
美少女と美少女がイチャイチャしている様子が嫌いな人なんてこの世にはいません

妹にしてくださいませ~!!!!!!

元々女装なんてクソくらえなノンケヤンキーボーイだったけど嫌な奴を見返すために完璧な美少女になる主人公。
キラキラ笑顔の素敵な王子様系のお助けキャラポジ友人に、先輩の主人公に懐いている忠犬不良ギャル後輩。
テンプレお嬢様だけどノブレス・オブリージュの精神も持ち合わせている縦ロール髪のシスコン先輩。ガキみたいな先生。
そしてメインヒロインの表は清楚、裏は腹黒の学生会長で理事長代理の後輩ちゃん。

どうです?魅力的でしょう?
みんな生えてますよ。

これだけを見たらどこかで見たことあるような設定のキャラクターばかりなのですが、ここに「女装」という要素が入ってくるのが本作の特徴です。

なぜ女装をしているのか、なぜあんなトチ狂った変わった校風の学園にいるのか。
いろんな思惑が渦巻き、ぶつかり合っていく様がこの作品ならではの魅力なのです。

2.王道展開+男の娘

いってしまえばこの作品のストーリー自体は王道です。

  • 伝統と格式を重んじるお嬢様学校に入学させられたパンピー主人公の苦悩。

  • 最初はネチネチと陰湿に見下してくるヒロインが
    「自分のことを見下してくる性悪女を見返してやりたい!」
    そんな一心で努力をした主人公に徐々に惹かれるが、それを認めたくない自分もいて…。

  • 凡人と上流階級の人間、自由な人生を謳歌できる人生と家に縛られた人生、そんな交わることの許されない二人の禁断の恋。

  • 家という重く苦しい枷を生まれながら背負った少女を愛する主人公の葛藤。

要素だけを抜き取ってしまえばPixivでもX(旧Twitter)でも見れるベタベタな展開です。お涙頂戴を狙ったよくある話です。
だがそれがいいんです。私はそれで泣いたのですから。

そんなので大泣きできるお前がチョロいだけだろという心無い言葉はやめてください。違います。
そんなベタな展開中にふと脳を過ぎる「そういやこいつら男だったなぁ…」が堪らなく””いんですよ。

男の娘であるというスパイスがこの作品から陳腐さを感じさせない、ありがちな展開なのに心を震わせてるストーリーとなるのです。

あら~^

例え女装した男同士であっても、そこにあるのは人を愛する純粋な気持ちですから。

総評

この作品が女装や男の娘といったものに興味がない人にオススメできるのかと言われたら難しい所です。
私がどんなにこの作品を推しても、興味がない人からすればかわいけりゃなんでもいい奴の世迷言でしょう。

しかし、だからといってそういった人が楽しめない作品なのかと言われたら違うのではないかと思います。
必ずしも女装・男の娘というジャンルが好きじゃないと楽しめない作品ではないと私は思います。
(もちろん、ある程度理解を示している人に限りますが)

それは、この作品がただ単に「女装してる男の娘が好きなんだろお前ら!」と癖を一方的に押し付けてくるような下世話な作品ではなく、
性別、立場、生い立ち、あらゆるしがらみに愛の力と我が身一つで抗おうと手を差し伸べる主人公と建前と本音の板挟みにされ差し向けられた手を素直に握れないヒロインを描くヒューマンドラマなのですから。

私はそんな様子を見ていたら目頭が熱くなり、気づいたら大泣きしてしまいました。
正直、この記事だけではそんな泣ける要素ある?と思われるかもしれません。
騙されたと思って遊んでみてください、中盤からの怒涛の展開にあなたの心もきっと曇っていきますから。
特にラストはハピエン村在住の私にはめちゃくちゃしんどかったです。

稚拙な文章でしたがここまでお読みいただきありがとうございます。

語りたいことの4割は消化できたので私は満足です。
これ以上話すとネタバレ祭りになってしまいますのでこの辺でやめておきます。

是非、名前の印象と自分の中の固定観念を一回取っ払ってみて遊んでみてください。
きっと、最後の主人公の台詞に心打たれることでしょう。

余談

真尋ちゃんルート待ってます。

公式HP行ったらえっちシーン追加パッチあります。
僕はまだ見てません。


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