淋しい村(ドラクエ5全楽曲解析)
この曲はリリース間際に、やはり村の曲が必要ということで急いで作った曲らしい。「カボチ村」と、適齢期のビアンカがひっそりと暮らす「山奥の村」で流れる。メロディは「街角のメロディ」から拝借。幼馴染ということで幼少期に流れた曲ということかも知れないが、ビアンカは「街角のメロディ」が流れる「妖精の村」には行ってないので、とくに関係ないと思われる(笑)。
メロディ
「街角のメロディ」のうち、Aパート16小節だけを拝借している。ハネたリズムはなくなり、代わりにクロマティックな装飾音がところどころ追加されて雰囲気を変えている(楽譜の赤丸で囲った音符)。スケール外のクロマティックな音はすべて弱拍に置かれていることに注意されたい。
なお、一箇所だけ「街角のメロディ」と違うメロディがある。14小節目の冒頭で、本来「ミソ」となるべきところが「ファラ」になっている(楽譜の青丸で囲った音符)。13thのテンション開始はバラードでは向かないと判断したのか、それとも6小節と完全同形にして曲を終結させるためだろうか?
リズム
ドミソシミ〜、というエレピの単純な8分音符のアルペジオが曲のgrooveの主体となる。
ハーモニー
基本的に前述のエレピのアルペジオがハーモニーを担当している。しかし、ところどころ、旋律をハモっている箇所がある(楽譜の青線の箇所)。また、エレピが合いの手フレーズを奏でる箇所が1つだけある(楽譜の赤四角)。この部分は非常にエモーショナルで楽曲中最も盛り上がる部分となっている。この合いの手フレーズが主旋律の「ソ」を重ならないように配慮されているのも注意されたい。
このようにエレピは、ハーモニー、旋律のハーモナイズ、合いの手フレーズと役割を変えながら旋律を彩っていく。
まとめ
大急ぎで作られ、メロディは使いまわしながら、上質な雰囲気と統一感を醸し出すことに成功しており、納期が短い仕事を何度もこなしてきた手腕は流石である。
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