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従来の半導体に代わる究極の小型化 高機能化次世代光デバイスの可能性を切り拓く 単分子スイッチ コロンビア大学

コロンビア大学の先駆的研究により、光で制御可能な革新的な単分子デバイスが開発されました。このデバイスは、従来の半導体に代わる究極の小型化・高機能化を実現する可能性を秘めています。

近年、電子機器の微小化が進むにつれ、構成部品の小型化も求められています。そこで注目されているのが、有機分子を導電路として用いる「単分子デバイス」です。しかし、外部からの光制御の実現は難題とされてきました。

今回の研究では、分子を金属電極と直接結合させる手法を用いて、高導電性で調節可能な単分子デバイスを構築することに成功しました。さらに、光を照射することでデバイスの電気特性を制御できることが明らかになりました。

「この研究は、分子エレクトロニクスの新たな扉を開きます。光を使って分子と電極の結合状態を制御することで、よりスマートで高効率な電子部品の設計が可能になります。」と、分子エレクトロニクスの第一人者であるラサ・ベンカタラマン教授 (コロンビア大学) は語ります。

研究チームは長年、ナノスケールにおける物理・化学・工学の相互作用を解明し、単分子デバイスの基礎研究に取り組んできました。今回の鍵となったのは、有機金属分子であるフェロセンを用いることです。フェロセンはナノテクノロジーの分野で、小さなブロックのような役割を果たします。

研究チームは、フェロセン分子を金電極に接続し、光を照射しました。すると、フェロセンが酸化状態 (鉄原子が電子を失った状態) になった際、金原子と直接結合することが判明しました。つまり、光によりフェロセンの酸化を促すことで、分子と電極の結合を制御できたのです。

「光誘起酸化を利用することで、室温においてこれらのナノブロックを操作する方法を発見しました。将来的には、光で分子レベルの電子デバイス挙動を制御することが可能になるでしょう。」と、研究を主導したリー・ウジュン氏は述べています。

この研究成果は、単分子デバイスの接続方法の幅を広げると期待されます。また、光を当てることでオン・オフを切り替えられる「光スイッチ」としての機能も示されました。このような光制御デバイスは、特定の光波長に応答するセンサーやスイッチの開発につながり、様々な技術革新の礎となるでしょう。

今後、研究チームは、光制御デバイスの実用化に向けて、性能向上や環境条件下での動作検証、金属と分子の界面を利用した新たな機能の開発を進めていく予定です。

詳細内容は、Columbia Universityが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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