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タイニーのご自愛プレイリスト vol.3「Power&Love」

「タイニーのご自愛プレイリスト」では、「ご自愛おんがく部」のメンバーが選曲するプレイリストをご紹介します。
毎回違うテーマ・シチュエーションで、音楽を通したご自愛をみなさまにご提案します。


第3弾は「Power&Love」です!

「Power&Love」は、タイニーでこれまで行われてきたご自愛談議の中から出てきた言葉です。
そもそも、この言葉はキング牧師の言葉から引用されました。

「愛なき力は暴力であり、力なき愛は無力である。」

「Power&Love」は、言い換えると「男性性と女性性」「父性と母性」とも言えると思います。

このお題をご自愛おんがく部の天野部長にお渡しし、意味を分解・再構築してもらい、プレイリストにしていただきました!

選曲していただくにあたり、おんがく部の天野部長&DJヨーダと一緒に「Power&Love座談会」を開催しました。その内容を一部抜粋してご紹介します。
こちらを読んでからプレイリストを聴いていただくと、音楽の聴こえ方が変わるかもしれません。

プレイリストのための座談会:お題「Power&Love」

【座談会のメンバー】
天野光太郎:ご自愛おんがく部・部長
よだえりこ:ご自愛おんがく部・副部長(DJヨーダ)
聞き手:まい(タイニーメンバー)

女性の力強さと、男性のやわさを表現しました

まい:今日はよろしくお願いします!「パワー&ラブ」のお題はどうでしたか?

天野:「パワー&ラブ」を「男性性・女性性」のように分けて考えるのは、ある意味では型にはめることだから簡単ではあるんだけど、気をつけないと表面的になりやすいし、難しかったな〜。考えすぎるとわかりにくくなるから、逆にシンプルにしてみたよ。

今回のプレイリストでは、女性の力強さと男性の弱さ(やわさ)を表現してみました。
激しい曲から徐々にやさしい曲にグラデーションしていくんだけど、前半の激しい曲で「女性」を表して、後半のやさしい曲になるにつれて「男性」をイメージしてる。
単純にね、僕からすると女性の方が強いんですよ。

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まい:天野さんが女性に対して感じる「強さ」ってどういうものですか?

天野:「男性性・女性性」という看板を外して考えたら、生き物として女性はたくましいよね。男は激ヨワですよ。

一般的に、女性性は「やさしさ」「プロセス」「感情」みたいなことだと言われるよね。
野球に例えると、女性性は「長嶋監督タイプ」で、男性性は「落合監督タイプ」。
例えば、ノーヒットノーランの完全試合で、1対2で巨人が勝ってるとします。投手はもう疲れて球のスピードも落ちている。その状態で投手に「最後までやり切っておいで」と言うのが長嶋監督。投手の気持ちも汲み取っていて、ここで負けても次に勝てばいいという考え方。
一方で、落合監督は同じ状況で投手を交代させるんだよね。「勝つ」という結果にこだわるから。
でも、男性性っていう「男性」がついている価値観に男性自体が苦しめられている場面もあると思うんだよな〜。

えりこ:私は女性として生きているんだけど、女性は弱いって思ってた。
社会に出ても、大きいお金を動かしているのは男性であることが多いよね。わたしがファッションの仕事をしていた時、男性がたくさんいる現場で「負けないようにしなきゃ」って感じてた。でも、自分が成功したいと思った時に、「何と戦ってるんだろう?」と疑問に思う時があったんだよね。

天野:「力がある方がいい」という流れがあって、それに対して「おかしい」と言う人もいなかったのかも。「強くあるべき」「力がある方が優位」という流れのまま来ちゃったから…

えりこ:これまでの流れだと女性が生きにくい思いをすることがあるし、男性もやりにくさを感じることがあるんじゃないかな。

まい:「男の子は泣かないの」っていう言葉もあったよね。

天野:「泣いても良くない?!」って思ってたな〜(笑)。弱くなりたいわけではないけど、強さって何?って。
ジェンダーじゃなくてさ、長所や短所であって、個性なんだと思う。「男・女」っていう看板がつくことで、本来持っている良さが出せないこともあるんじゃないかな。
「男のくせに情けないな」ってセリフがあるけど、「女のくせに情けないな」って言われたらどう…?

えりこ:すごい破壊力があるね…

音楽って、あらゆるボーダーを超えて繋がれるところがいいよね

天野:今世の中で語られている「女性性」は力強さの裏返しで、「男性性」は弱さの裏返しだと僕は解釈しています。
このプレイリストに込めたメッセージは、男だから・女だからとかはやめて、女性には男性のアホなところを許してほしいし、男性には素直に弱さを認めましょうと。
お互いに補い合っていけたらいいよね。

まい:弱さを出さないことには補えないですしね。

えりこ:「ご自愛カフェ」に参加してよかったなって思うのが、男女で分けずにその場にいられること。ご自愛に性別は関係ないしね。
日常的につい自分で「女性」として振る舞わないといけないと思っちゃうことがあるから。
今回のプレイリストは、「そもそも分けるのっておかしくない?」から始まっているんだね。

天野:いちいち分けずに、分け隔てなく語ってもいいんじゃない?ってね。
女性性」は、許容したり受け入れたりする「力強さ」のことを指しているんじゃないかな〜。いろんなことを見守ったり許せたり。結果というよりは、物事や人に対してどれだけ考えられるかとか。強さゆえに持てる余白があったりするのかも。

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天野:社会には圧倒的に女性性の概念が浸透していない感じがする。許容したり受容したりすることが、もっと浸透してもいいんじゃないかな?
個人的には、本当は「男性性」や「女性性」と分ける言葉すらなくなる社会になるといいんじゃないかなって思うよ。

音楽でもジャンル分けはあるけど、いい音楽はいい音楽なんだよね。どうして分けられているんだろう?とか「そもそも」の部分を考えられたらいいよね。

えりこ:音楽ってさ、プエルトリコにいる人と日本にいる人で、全然環境や背景が違っていても「なんかいいな」で繋がれるんだよね。悲しいとかうれしいという感情は一緒で、共感することができる。
最近はご自愛カフェでも「みんなのご自愛」という言葉が出てくるけど、自分が経験してきたうれしいことや悲しいことも、自分だけのものじゃなくて、みんなのストーリーなのかも。

ご自愛プレイリスト「Power&Love」

いかがでしたか?
最後に、キング牧師の著書の抜粋をご紹介します。

「力は、適切に理解されるならば、目的を達成する能力にほかなりません。それは社会的・政治的・経済的変革を起こすのに必要な強さです。
歴史上の大問題の一つは、愛と力の概念が、たいていは相反するもの、対極にあるものとして対比させられてきたことです。
その結果、愛は力の断念と同一視され、力は愛の否定と同一視されています。今こそ、この誤りを正さなければなりません。
私たちが理解しなければならないのは、愛なき力は無謀で乱用をきたすものであり、力なき愛は感傷的で実行力に乏しいものだ、ということです。
現代の深刻な危機を生み出しているのは、この道徳なき力と力なき道徳の衝突なのです。」
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア「ここからどこへいくのか」より


▽ご自愛プレイリスト第1弾「インストは心の鏡」

▽ご自愛プレイリスト第2弾「ウキウキなご自愛」



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