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自分をさらけ出すことで、誰かが息しやすくなる? #016「『ままならなさ』がご自愛の鍵?」〜タイニーのご自愛タイムズ〜

タイニーのご自愛タイムズはご自愛について語り合う場です。ともこ&あこや、様々なゲストと共にそれぞれの日常を紐解き、「ご自愛」について探求していきます。



今回のテーマは、「『ままならなさ』がご自愛の鍵?」

「生き方編集者」として活躍する山中康司(やまなか こうじ)さんにゲストに迎えた後編。
前編では、こうじさんが「生き方編集者」にたどり着くまでのお話をお届けしました。
今回は、他者と比べたりSNSの反応を気にしてしまう葛藤はありつつも、ままならない自分を受け入れ「周りの人と共にご自愛していくにはどうしたらいいのか?」についてお聞きしていきます!

▽前編はこちら


散歩をすることで「モノサシ的な生き方」から自分を引きはがす


ともこ:
今回は「ご自愛しながら生きることがどうして難しいのか?」というところをお聞きしたいと思います。「自分軸」や「自分を愛する」といいつつも、つい他者と比較したりSNSの反応を気にしたり、そういう「モノサシ」で物事を判断してしまうことがありますけど、どうして引っ張られてしまうのでしょうね?

こうじ:世の中に「人と比べさせることへの引力」みたいなものがあると思っています。比べることによって「モノを買いたい」と消費する意欲をかき立てることが、一つの社会の仕組みになっているんじゃないかな。スマホでいろんな情報に接したり、特に都市では街中を歩くと周りは引力だらけで、そりゃ人と比べるようにもなるよねって思います。
スマホを閉じて触らないようにしたり、田舎に行ってみたり、デジタルデトックスのような使い古された方法も大事なんじゃないかなと。

ともこ:私はなかなかスイッチオフできないタイプなんですよ。ストレスを感じていたり比較している自覚が日常的になくて、突然ガクッと来るんですよね。体調を崩すまで立ち止まらない病なんですけど(笑)
こうじさんは、日常から離れてスイッチオフにするためにどんな取り組みをしていますか?

こうじ:僕はめちゃめちゃヤワなので、1時間毎とかです(笑)
いくつかレベル感があって、長いスパンでいうと1ヶ月に1回キャンプに行ったり、自然がある所に行ったり、週に1回サウナに行ったりしています。。サウナの中ではスマホが見れないから、ある意味強制的にオフになっているのかも。もっと短いスパンだと、1時間おきくらいに散歩に行くんですよ。

ともこ:1時間おきに散歩に行くんですか!?

こうじ:心身の調子がよくないと感じるときは、かなりの頻度で散歩に行きます。無意識でやってるんですけど、散歩をすることで体がモノサシ的な「他者の評価を気にする生き方」を避けようとしているのかも

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こうじ:散歩が心地良いのは、ルートが決まっていないところなんです。目的地がないから「自分は何者かになる必要もない」「どこに行く必要もない」という状態に身を置けるので、デトックスされているんだと思う。僕は常々「散歩する合間に仕事してる」と言ったりもしていて。「散歩の合間に仕事をした男、ここに眠る」とお墓に刻みたいくらいですね(笑)

ともこ:私は今は基本リモートワークをしているんですけど、まだ子どもは小さいし、仕事もちょっとワタワタしていてたので、、朝の散歩から始めようかと思ったんです。でも目覚めると仕事したくなっちゃうんですよね。それがいい状態なのかといわれると、「なんだかな〜」と。そんなに急ぐ必要ある?と自分では思っているんですけど、なんだか散歩に行く脚が止まっちゃうというか…自分を引きはがせないんですよね。

こうじ:定期的にガクッと切れるというのは、何かリズムとか周期があるんですか?

ともこ:半年に一回とか多くても3ヶ月に1回とかなんだけど、長い目で見ると学生時代から同じことをしているかも…
学校生活とか、要は社会の中にいるとオンにしちゃうんですね。土日は疲れて月曜は学校休んじゃうということが思春期からあったわけですよ。
そういう意味では、私自身がご自愛しながら働けていないという感覚があるんでしょうね。だから仕事でもご自愛をテーマにして取り組んでいるのかも。

こうじ:僕みたいに散歩したいと思って勝手に散歩する人は、放っておいてもやるからいいんです。一方で働くことが好きでやりたくなっちゃう人って、やっぱり働きたくなっちゃうから難しいですよね。そういう人がふっと力を抜いたり、ご自愛する時間をどう作るかといったら、気持ちいいことや楽しいことじゃないとやらないと思うんですよね。

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ともこ:別に自分を仕事人間だとは思っていないし、仕事が人生だと思っているわけでもないんですけど、そんな私ですらや日常的にかなりオンモードを発動しちゃってることにも気づけなかったりするんです。

自分の「ままならなさ」を表現することで、誰かが呼吸しやすくなる

ともこ:私からすると、こうじさんはブレずに仕事をして輝いているように見えているんです。そんなこうじさんも他人と比較したり、葛藤を抱えて1時間に1回お散歩に行っていると聞くと、人のイメージと自分の中に沸き起こるものは違うんだなと思いました。

こうじ:僕もそこは越えなきゃいけない壁だと思ってるんです。「自分をよく見せなきゃいけない」という人からの評価を気にしている自分もいて、本当はもやもやして葛藤しているのに、そこを出せていないというか…

ともこ:でも、私はこうじさんのtwitterとかを見ると呼吸できる感覚がすごくあるんですよ。
葛藤がありつつも、諦めずに真摯に自分なりの生き方や仕事の仕方を見つけて歩んでいる姿勢があって。「あ、人間なんだな」みたいな感覚になれる。

こうじ:僕、生きることがままならないんですよね。最近歯医者さんに通っているんですけど、歯科衛生士のおばちゃんに「山中さん、何で歯磨かないの?歯磨き教えたじゃん。なんでこんなに磨き残しがあるの?」と怒られたり(笑)
でも「ままならなさ」を感じる自分は、誰かにとってのリトマス紙みたいな役割があると思っているんです。社会で他者と生きることにままならなさを感じるからこそ、それをツイートなり文章なり写真なりで伝えることで、荒井さんが言ってくれたように誰かが息をできるようになる。もし僕がままならなさを否定したら、誰かが息をできなくなるってことだから、僕はままならなさこそ感じて、伝えたいなと思っているんですよね。

ともこ:呼吸しやすいと感じる人と一緒にいたり、お互いに呼吸しやすいようなコミュニケーションをとることが大事かなと思っています。
「ままならなさ」や、弱さを出すことって憚られる感じもするんだけど、勇気を持って「ままならーん」と言うことで自分も周りも呼吸しやすくなるのかも。

こうじ:ご自愛も、誰かと一緒にやったらいいと思うんですよ。自分が「ままならない自分」をちゃんと受け入れてあげることが、実は誰かが息ができることつながるように。僕は自分では自分を変えられないんですけど、関係性を変えることで外から自分もじんわり変えていくんだって思うようになりました。
みんなで「ままならなさ」を含めて自分を愛して、それを伝えることで他の人も同じようにままならない自分を愛せて…そうやってやさしい輪ができていくんじゃないかな。

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ともこ:最近は「私たちのご自愛」というテーマでいろいろディスカッションをしているんです。自分がご自愛するためには関わる人が影響しているから、誰かのままならなさを受け止めることで自分が救われたりもして、それぞれがご自愛しやすくなるのかなと思いました。

30代は「ままならない自分でもOK」とできる環境・関係性を増やしていきたいな。
私は「ままならなくてもいいじゃん」って自分に言いたいから事業やチームを作ったのかもしれない。そこが原点だったのかもしれない。
こうじさん、ありがとうございました!

「ままならない」って普段あまり使わない言葉ですが、なるほど、、ままならないことだらけかもしれません。ままならない、隠しておきたいと思うことを表現することは勇気のいることですが、自分も他者も息がしやすくなるなら、試してみてもいいかも?

▼こちらの内容は、タイニーのご自愛ラジオに収録されています。
通勤時間や、料理をしながらなど、スキマ時間にぜひ聴いてみてくださいね。




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