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Windowsではなく“あえて”Macという覚悟

最近、M1チップの登場によって「Macもコスパが良いから選択肢に入れた」というWindowsユーザーが増えているらしい。

そんな中で私がずっと思っているのは、Macは“あえて”選ぶものだ、ということ。つまり「比較的コスパが良いから」という程度の理由で選ぶと、後悔する確率が高い気がする。

なぜ後悔するかを一言でいえば、「いまだにMacのシェアが小さいから」だ。

特に私が「こういう人はMacを選ばない方がいい」と思うのは、

・Macのデザイン性に惹かれない
・ガッツリとゲームをやりたい人
・性能をかなり重視する人(自作PCなどが好きな人)

こういう人はMacを買ってもたぶん後悔すると思う。一方で、

・軽作業にしか使わない人
・具体的な用途が見えていない人
・動画鑑賞や写真の整理程度しかイメージできない人

こういう人はよく「Macだともったいない(宝の持ち腐れ)」と言われるが、私はそうは思わない。もしMacを心から使いたいと思うのなら、用途がフワフワしていても買って後悔しないと思う。なぜならその人は「PC」ではなく「Windows PC」でもなく「Mac」が欲しいということだから、買った後に楽しく使ううちにどんどん自分の世界が広がる可能性があるからだ。

MacはWindowsに比べて操作が直感的で使いやすいので、むしろこういったライトユーザーこそ楽しさを享受しやすい。金銭的に厳しいのでなければ、投資として良い選択肢だと個人的に思う。

「操作が直感的で使いやすいというのなら、普通にMacを選んでもいいのではないか?」と、言われるかもしれない。

そうでない理由は、「シェア」という要素が単純な使いやすさ以上の足かせになってしまっているからだ。


Windowsのシェアが9割、Macのシェアが1割。この前提で考えると、

・Windowsの使い勝手(キー配列、コマンドなど)のほうが「使いやすい」と多くの人が感じる
・Windows向けのアプリケーションの方が多い
・Windowsだと困った時に相談できる人が多い
・Windowsだとデータのやり取りにおいて不具合が起きづらい

こういう状況になってしまっている。これらは、本質的な「使いやすさ」ではなく単純に「シェア」の問題だ。


よく、「WindowsユーザーがMacを使ってみた感想」といった動画投稿を見かけるが、そこで語られる「使いにくさ」のほとんどが、本質的なものではなく「慣れ」つまり「シェア」の問題だ。と私は思う。

──iPhoneやiPadは(Androidよりも)使いにくい、と思う人がどれだけいるだろうか?おそらく「iPhoneやiPadのほうが使いやすい」と多くの人が思っているだろう。なぜなら先にシェアを奪ったのが、そして今でも支配的なのがiPhoneやiPadだからだ。

私は本来ならばMacをデザイン性だけでなく操作性や諸々の面で推したいところなのだが、知人に強く推せない。その理由は、シェアの小ささゆえにその人が不便を感じることは目に見えているからだ。「ある程度は不便を感じても大丈夫だから、私はMacが欲しい!」という強い気持ちがある人にはガンガンに推したい。

ちなみに私がはじめてMacを買った(買ってもらった)のは学生時代だった。その頃専門的なソフトなどは全く使う予定がなく、一応パソコンがあればいいや程度の状況だった。単純に「(Windowsよりも)Macが欲しい」と思って買って、それ以来ずっとMacを愛用している。

私の場合、職場がずっとMac優勢だったので不便を感じたことは一度もなかった。正確には、不便を感じてもまわりがみんなMacだから許してもらえた、という感じだ。

例えば「受信するメールがいつも文字化けする」取引先があったとする。おそらくはWindowsとMac間のやり取り故に発生している問題だ。そういったトラブルの際にも「向こうがWindowsだからしょうがないね」となる。決して「お前がMac使ってるから悪いんだぞ」とはならない。

使いたいソフトウェアがMacに対応してなくても、「対応してないならしょうがないね(他を探そう)」となる。

これは結構大事なポイントなのだ。もしデータを頻繁にやり取りする環境にいるのなら(学生さんなどでも同じく)、「一人だけMac」は非常に危険である。トラブルの原因は常に少数派、あるいはそこにいない勢力に押しつけられるという社会の法則を、ぜひ忘れないでいただきたいなと思う。


そういう点も含めて、Macはやはり“あえて”のモノなのだ。残念ながら、少なくとも今は。

でも私はMacを愛している。iPhoneよりもiPadよりも、Macを愛している。やっぱりMacは使っていて圧倒的に楽しい。そして、美しい。

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