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【読書】のマガジン

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2021年1月の記事一覧

ダイナミックな数学|「正しさ」は絶対か?

■加藤文元『数学の想像力 正しさの深層に何があるのか』 「論理」は必ず「流れ」を伴って現れる。いや、それだけではなく、そもそも論理と流れとは同一のものだ。 素晴らしかった。 加藤文元さんの本をこれまでに(ガロアの伝記も含めると)3冊読んで、その面白さと読みやすさに疑う余地はないと思っていた。 で、4冊目に読んだこの本。私にとっては最も興味深く、なおかつ最も完成度が高いと感じられる1冊だった。 これまでの『数学する精神』『数学の歴史』と根本的にスタンスが同じで、内容も

Kindleではなく紙の本を買っている理由

私は読書が好きでガジェットも大好きな人間なので、当然Kindleに惹かれます。惹かれて惹かれて(特にPaperwhite)、カートに入れるところまでいったのですが、迷った結果「Kindle(電子書籍)は買わない」と決断しました。3年ぐらい前かな。その理由を書いてみます。 ◎ 前提として、Kindleを使っている方を否定するつもりはまったくありません。むしろ「Kindleいいなぁ……」と、いまだにうらやましく思っています。 何事もそうだけど「絶対にこっち!」という決断は、

「傷つくことは正しいことだと思うから」

■益田ミリ『すーちゃん』 こういうときに友達に電話してはいけない おしゃべりをして気を晴らすのは早い 傷ついているあたしを軽く扱ってはダメ 今はあたしをそっとしておこう 傷つくことは 正しいことだと思うから 10年ぐらい前に買って以来、数年おきに読み返しているマンガ。 たかがマンガ、されどマンガ。主人公のすーちゃんとその友達のまいちゃんは、誰しもが抱えていながら言葉にできない「悩み未満」のモヤモヤを、ズバズバと言葉にしてくれる。 上司にイヤミを言われても笑顔で返す、