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よい絵本

娘が生後2ヶ月の頃から、童話館ぶっくくらぶに入っている。

私自身が子供の頃からぶっくくらぶに憧れていて、自分に子供ができたらぜひと思っていたので、すぐに入会した。

童話館から送られてくる絵本はどれも、絵も内容も、自分では選ばない作品ばかり。

最初のうちは、配本される絵本に対してどちらかというと古臭く退屈な印象を受けて、でもまあこのくらいの月齢だとこんな単純な作品が面白いものなのかな…なんて思っていたけど、娘に繰り返し読み聞かせをしていくなかで、これらがとても"よい絵本"だということが体感としてわかっていった。

よい絵本というのは、まず、どんなタッチであれ、とても上手な絵が描かれている。上手というか、絵がちゃんと生きているというか。

そして、物語も単純に起承転結があるわけではなく、絵本の中に本当に世界が広がっていて、そこでのできごとが書かれていて、絵本を読むことでその世界が私たちの現実と響きあうというか、溶け合うというか…。

たとえば絵本の中でお母さんと赤ちゃんが笑顔でくっついていたら、現実でもそうしたくなるし、するし、娘もなんとなくわかるのか、そういうシーンではニコニコ笑う。登場人物がおいしいものを食べてうっとりしたら、読み手も同じ気持ちになる。

つまり、うまく言えないけど、よい絵本というのは、子どもを喜ばすエンターテイナーというよりは、子どもたちの代弁者であり、読み手の心と地続きなのだと思った。本をパタンと閉じてしまったらおしまいなわけではないのだった。絵本の中のセリフや言葉遣いを自然と日常でも使うようになるし、温かい気持ちが絵本から伝播して、日常生活に溶け込んでいく。

本当にぶっくくらぶに入会してよかったなと思う。入会しなかったら、よい絵本というものを知らないままだったし、知ったからといって自分で選ぶのはとても難しいから。

私はもともと絵本が好きで、絵本作家になりたいな〜なんて(とてもふんわりと)思っていた時期もあったけど、今はとても無理だなと思う。絵本のベストセラーの作家たちは、大人になっても子どもの目線を持ち続けていて、すごいなあ。

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