見出し画像

花狂いとちんちん。

 よく花の画像をツイッターで投稿する。

 目的は、花のツイートにいいねをされたら、すかさず「出会ってください! お願いします! ぼくのあたまは限界なんです! 花きれいだよねー。ちんちん」という内容のDMを出して、女性と出会おうとしているのだけど。
 ツイッター以外でも、グラビティというSNSでも似たようなことをしている。いろんなところで花を咲かせて、DMを送ったりして。まるで食虫植物になった気分だ。

 まだこの方法で女性に出会えたことはない。

 だが、自分の下半身露出画像を女性に送り付けるよりは、出会える確率は高いんじゃないかなあ。
 そのため花の写真を、労働から帰る道でひたらすら撮っている。
 ひたすら撮っている。
 狂ったように撮っている。
 ハアハアと、息を切らせながら。花の写真。
 かわいい花、美しい花があったら、スマホ片手に、ぐいぐいと。変な方向向いてる花があったらぐいっと顔を向けさせたりして。
 花は連鎖したように咲いているので、一つ撮ったら次から次へと。だからもう、花が群れて咲いていたら、これはもう、あっはっは、はっはっはは、はははははははは! って感じで笑いが止まらない。

 痴漢になった感じする。
 抵抗しないのをいいことに、好き放題、感情を晒して写真を撮っている。

 というか、花も花だ。
 セックスしたさを隠しもしないで咲きやがって。そのうえ、自分のことを美しいと信じてやがる。誰の花粉で受粉してもいいと思って咲いてんだもんなあ。

 なので、花相手なら罪悪感なく残酷になれる。花は抵抗しないし、こっちがどれほど美しいかわいいと思い、その念をぶつけても誰も傷つけない。一方的に容姿をたたえ、かわいい、かわいい、かわいい、死ね、美しい、美しい、咲いてて恥ずかしくないの? 性欲晒してなんのつもりなの? かわいい。美しい。死ね。美しい。
 と、欲情をぶつけている。

 というか花は人権がないから、どれだけひどいことを思っても人権に反しないから、罪悪感を感じないで済むしいいよな。
 花を見たら本当いじめたい。花に対するいじめは罪にならないから、本当に楽しい。ずっと笑っちゃう。春になるとずっと笑っちゃう。ずっと笑っちゃう。あはははははははーと笑っちゃう。もう止まらない。笑いが止まんない。

「花にも気持ちがあるのではないですか」
 とある人に言われる。

「花は会話しないし、自分の気持ちを言葉にしないけれど。でも気持ちがあるのではないんですか。」

「会話もなくて、気持ちを言葉にしてないからといって、不満を口にしていないからと言って、感情や内面がないと思ってませんか。」

「だから、あなたは恋人と別れたんじゃないんですか」

 花は気が狂っているし、自分のことを美しいと思っているし、誰の花粉でも受粉したいと思っている変態のくせに、そのへんにいて、腐りかけても咲こうとしていて。本当どういうつもりなんだろうな。
 何度もコミュニケーションしようとして、こっちの言ってる言葉が伝わんなくて、しかたなく暴力しているだけなんだけどな。
 花はどういうつもりなんだろうな。
 花とセックスしようとすると、必然的に路上でちんちんさらさなくちゃいけないし、ちんちんを花にいれたら、花は壊れるんだろうなあ。

 簡単に壊れるんだもんなあ。


 



サポート、という機能がついています。この機能は、単純に言えば、私にお金を下さるという機能です。もし、お金をあげたい、という方がいらしたら、どうかお金をください。使ったお金は、ちんちん短歌の印刷費に使用いたします。どうぞよろしくお願いします。