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小1の時の、事件 1

60年以上前の出来事ですが

私は子どもの頃から骨董品が好きでした。
生まれた家に、たくさん有ったからだと思いますが
小1の時に、家族でその家を出て、同じ市内のアパートに引っ越しました
 姑への 気遣いなのでしょうか いつも母は日曜日には 私たち子どもを連れて生家に行きます 
そうすると 私は退屈なので、いつも近くの骨董品屋まで散歩にでかけました。
 その日も ショーウインドウをのぞき、好きな久谷焼、相馬焼を見つけて 楽しんでいましたら
見知らぬ人に「この学校の子でないでしょう?」と声をかけられました
私は「うん お母さんと おばぁちゃんの家に遊びに来たの」と答えると
「あー良かった 今 お母さんが 怪我して入院したんだよ 病院に連れてきてって頼まれたんだ」と言うのです
私は心配でドキドキして、急いでその人に、ついていきました。
が、その人はあちこち歩き回るだけ 病院らしき所には、いっこうに着きません
それで 根っからのボンヤリ者の私でも「なんか怪しい ウソかも知れない」とは思いましたが、確信も持てないので、そのまま、ついて行きました
しばらく住宅街を歩き、今度は人通りの少ない急な坂道を登り始めたのです。
 その日当たりの悪い坂を見上げると、私の不安は頂点に達し、
「やっぱり あの坂の上には、子どもたちをさらって売る悪者の住処が
あるんだ! 絶対まちがいない」と考えました。