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挑戦するには

世界旅行は幼い頃からの夢だった。

僕は大学で ‘政治外交’を専攻したが、いくら本を読んでも実感が湧かなかった。 そのためか、勉強をすればするほど、間接的に世界と接するよりも、直接的に世界と触れ合いたいという思いが強くなった。

初めから世界旅行を計画したわけではなかった。最初はワーキングホリデーでオーストラリアに行き、英語を学び、新しい文化を経験し、お金も貯めるつもりだった。 それでワーキングホリデーでオーストラリアに行っていた知り合いのお兄さんに連絡してみた。

色んな話をしたが、お兄さんが急に僕に質問した。

“ミョンアンはこの先、何がしたいの?”

僕は率直に “20代の内は世界中を旅しながら多くのものを見、聞き、感じたい”と答えた。

2週間後、お兄さんから連絡が来た。

“ミョンアン! 一緒に世界旅行しない?                                 費用は自分が負担するから”

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予期せぬ提案にビックリ仰天。

当時、僕は奨学金をもらえる状態だった。 もちろん成績が良いからではなく、在日韓国人の団体で、韓国に留学中の在日韓国人に与える奨学金だった (1年に50万円。1学期通うごとに25万円ずつ支給)。しかし、世界旅行に行くためには休学は必修不可欠。もしも休学したら奨学金はもらえなかった。多少悩みはしたが、長くは掛からなかった。僕は奨学金を諦め世界旅行を選んだ。

新しい '何か'に挑戦しようとすれば、必ず諦めなければならない ‘別の何か'が生じるはずだ。奨学金かもしれないし、時間かもしれないし、経済的安定かもしれない。しかし、自分が手にしていたものを手放してこそ挑戦が現実となり、挑戦を通じて、それまで知らなかった ‘新しいこと’に気付くことが出来るはずだ。

自ら作った ‘安全基地’を旅立つのは決して簡単な選択ではない。しかし、本当にしたい ‘何か’があるのなら、それまで自分が大切にしてきたものを手放すだけの十分な価値があると思う。

to be continue

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