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「本好きの会」初参加を終えて

2023年5月21日(日)

終わりました…「本好きの会」初参加。
無事終わりました…と言いたいところですが、いやぁ…無事じゃなかったですかね(汗)緊張しちゃって全然上手く紹介できませんでした…めっちゃ悔しいなぁ。
全然順序だてて話せなくて、でも前を向くとみんな私の方を見てしっかり聴いていてくださっていて、何か話さなきゃ!ってなって、関係のない話までして話を戻すのにあたふた…とにかく0点でした(泣)
皆さんの本の紹介を聞いて読みたくなった本はたくさんありましたが、私の紹介を聞いて読みたくなった人いたのかなぁ(涙)?

noteの下書き機能を使って、カンペ作っておいたのに、それをそのまま読んだ方がよっぽど良かった。なんか書いてないことを話して書いておいたことを話してない(笑)14人いたのにあみだくじで私はトップバッターだったせいもあり、心の準備もできていなかったし、皆さんがどんな感じで紹介するのかを見ることもできなかったし…いや、そんなの言い訳だ(笑)
とにかく、今の気持ちは…リベンジしたい!です。

悔しいので、私がカンペとして用意しておいたnoteの下書きをここに残しておくことにします。

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「本好きの会」に参加させてもらうにはちょっと読書量が少ない現在…
ならば「本好き」であった頃の本を紹介しようと思いました。
私が一番本を読んでいたのは20代のころ…最初の職場で先輩が読んでいた本を貸してもらったことがきっかけで本を読むようになったのが20代の初めなので、そこから結婚するまでの間くらいが一番本を読んでいた気がします。

そこで、最近図書館をうろうろしていたらふと目に着いた作家さんの名前が…それが北村薫さん。
そう言えばシリーズ物でかなり好きだった本があったはず!
実家の倉庫を漁ったらシリーズのうち2冊を発見…
それが「円紫さんと私シリーズ」

今日紹介する本はそのシリーズの1作目にして北村さんのデビュー作
「空飛ぶ馬 」
出版された年:1989 34年前
私が読んだのは巻末の版数を見る限り1999年 24年前のようです。
かなり前のことなので、今回もう一度読み返してみました。
いわゆる連作短編集で、主人公「私」が出会った日常の中の小さな謎を春桜亭円紫さんという落語家が解いていくというお話です。この円紫さんの名探偵ぶりがキレキレで惚れそうなんです(笑)

この本の巻頭に宮部みゆき(それこそ20代にドはまりした作家さんです)さんが寄稿されているのですが…

本格推理の謎解きの興味やその過程の論理のアクロバットの面白さと、人間ドラマである「小説」の醍醐味とは、基本的に相矛盾するものであり、共存が難しいというのは、しばしば指摘されるところである。しかし、このふたつの要素が極めて幸福な結婚をした場合、どんな作品が生まれ出るか?この問いに答えるのが本書「空飛ぶ馬」である。希有のカップルを誕生させた著者北村薫氏は、ヒロインの「私」と探偵役の噺家春桜亭円紫師匠とのやり取りを通して、私たちの日常に潜むささいだけれど不可思議な謎の中に、貴重な人生の輝きや生きてゆくことの哀しみが隠されていることを教えてくれる。

…とあります。
日常に潜む些細だけれど不可思議な謎とは、例えば…

「織部の霊」…子供の頃よく見ていた夢に出てきた人…大人になって初めて見たはずの絵にその人は描かれていた…絶対に見たことのないはずの絵なのにんぜ夢にでてきたのか?
「砂糖合戦」…3人の若い女の子たちが喫茶店でシュガーポットから順番に自分たちの紅茶に砂糖を何倍も入れている…なぜ?
「胡桃の中の鳥」…駐車場に停めておいた車のシートカバーだけが盗まれた…なぜ?
「赤頭巾」…毎週日曜日に公園に現れるらしい赤いものを身につけた女の子のなぞ→女のドロっとした感情にちょっと心がやられます。
空飛ぶ馬」…幼稚園に園庭に置いてあった木馬が、ある日消えて翌日戻っていた…なぜ?

こういった日常に潜む謎を落語家である円紫さんが解いていくのですが、その中で例えだったり、人物の描写に落語の登場人物が比喩として使われていたりするのですが…数えてみたら落語の演目が20個くらい出てきていました。
20代の頃は落語なんて全く知らずにいたので、知らなくても読み進めるのには全く問題ないのですが、知っていた方がより面白く読めるんだろうな…と演目を書き出して動画を探して観たりしてました(笑)
偶然なのですが、私は最近落語を聴きに行くようになりまして、つい先週も行ってきたところです。なので、この本を読み返していたのは何ともタイムリーでした。
この本のメインストーリーには直接関係ないことでも落語を絡ませてくることがかなりありまして、例えばこの中で主人公の「私」が「夢の酒」という落語を聴いた後、外に出た時「妙だな」と感じるのですが、その違和感はの原因は「外は雨が降っていなかったんだ」と気づくシーンがあります。これ…落語の中では雨が降っていたからなんです。
20代のころの私は落語を聴いたことがなかったので分からなかったはずなのですが、今ならわかります。落語は聴いていると風景が見えるんです。映画などで目で見る風景じゃなくて、話を聞きながら想像で見える風景は脳の中で映像化されているので、よりイメージとして鮮明に残るんだと思います。だから外に出て雨が降っていないことに違和感を覚えたんでしょう。
こういうのがわかって、今回読み返したおばさんはニヤニヤしてしまいました。

最初に「円紫さんと私シリーズ」と紹介した通り、これはシリーズ物でこの後、
夜の蝉
秋の花
六の宮の姫君
朝霧
(吹雪の山荘)
太宰治の辞書
と続きます。そしてその都度「私」は成長していくのでこの小説は「私」の成長小説でもあります。
ミステリ小説であり、成長物語であり、落語の演目の勉強にもなる…いろんな要素をあわせもったこのシリーズですが、私が読書をしなくなっている間に6作目が5作目から17年後に出版されていたのです。なんと「私」は結婚して中学生の子供までいるそうです。
まだ読んでいないので私もこの後順番に読み返して6作目まで読もうと思っています。

この作品の特徴として、殺人事件などの警察が絡む事件のようなものは起きないので、ミステリーが苦手だという方も、ぜひ読んでほしいです。

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以上。
長すぎました(笑)?伝わりました?

ちなみに本番はもっと酷かったんです(笑)
ま、いっか(笑)


では、また明日。


毎日読書チャレンジ

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」 : 後半の半分→読了 (ようやくタイトル書けました)

プレゼント用に用意したので再読してました。何度読んでも面白い!ホント落語のようです。
編集者の佐渡島庸平さんとデザイナーの前田高志さんが岸田さんに言った言葉…「岸田さんの文章はね、落語家と一緒だよ。読めば、目の前で登場人物や情景が動いているみたいに感じる。それで、何度読んでも笑える」「たくさん傷ついてきた岸田さんだから、だれも傷つけない、笑える優しい文章が書けるんだと思うよ」
まさに!でした。


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