【転職報告】31歳から飲食への挑戦〜IT業界から料理人見習いへキャリアチェンジします〜
初めてのnote寄稿。ドキドキ。
タイトルの通り、昨年12月に新卒から約7年間勤めた会社を退職し、飲食業界、それも料理人見習いとして転職しました。
現在は、東京・広尾にある一軒家のフレンチビストロで働き始めています。
これまで勤めていた会社は、SNSの運用やマーケティング支援を主とした、いわゆるIT業界の仕事でしたが、今回の転職は全くの異業種への挑戦。
このキャリアチェンジは、自分にとって本当に大きな決断でした。
せっかくなので、決断に至った理由を綴ってみたいと思います。
●自己紹介
「お前はそもそも誰なんだ?」という初めましての方、なんなら友人でもこれまで何をしていたのか知らない人もいるかと思うので、これまでの経歴を。
幼少期〜高校時代
東京都武蔵野市で育つ。幼少期はサッカー小僧でした。
サッカー選手を夢みて、石川県の名門、星稜高校へ進学。
親元を離れて寮生活で3年間を過ごすも、結局レギュラーになることはできず、プロへの道は諦めました。(入学早々に膝を手術したのですが、リハビリに失敗し約1年間怪我人生活。長い間水汲みやトイレ掃除、花壇の手入れなどの雑用が主だった記憶です。笑)
大学時代
指定校推薦で早稲田大学に進学後、サッカー以外のことに挑戦したいと思い、飲食のアルバイトやサークルなどに没頭。
大学2年時に初めてアジアに3週間の一人旅をしてから、これまでの価値観や考えの広がりを感じて旅にハマる。大学3年時に1年間休学し、196日間10ヵ国の世界一周へ。(当時は、世界一周の理由探しに必死で、とりあえずサッカーボールを持って行き、世界中でサッカーするんだと息巻いていたなぁ...笑)
大学卒業〜社会人(仕事編)
大学を卒業後、SNSマーケティングの会社、株式会社コムニコに'16新卒として入社。
SNSアカウントの戦略立案、運用代行、レポート作成、月1回の定例会などを担当させて頂き、これまでメインで担当した運用案件は40アカウント以上。
入社時は30人にも満たない規模感でしたが、退職時は100名を超える規模にまで拡大。沢山の経験をさせて頂き、ベンチャー企業の醍醐味を味わうことができたと思います。
その後、コムニコのグループ会社である株式会社24-7に転籍。(2020年)
Salesforceを主軸としたマーケティングオートメーションツール(Pardot)の導入支援・B2Bマーケティング支援を担当させて頂きました。
新しい事業にシフトしたタイミングだったため、自分たちで会社を創っていくことができる環境。
社員は8名と小規模でしたが、その分風通しが良く、2022年にはマネージャーに就任。様々なことにチャレンジさせて頂きました。退職を伝えた際も、快く送り出してくれたことには感謝しかありません。
大学卒業〜社会人(プライベート編)
社会人になると同時に、旅を通して知り合った人たちが始めた、男だけのシェアハウス(通称:恵比寿ハウス)に入居。
仕事終わりに家へ帰ると、カウチサーフィンで海外から泊まりにきている人もいれば、住人が全国から友人を連れてくるといった環境のおかげで、社外の交友関係も広がりました。
そんなシェアハウスに住んで人が集まると、自然と「今日ご飯どうする?」となるわけですが、そこでご飯を作り始めるようになったのが、料理が好きになったきっかけだったなと思います。
素人ながらに、拘りのポイントや献立を考えたりするうちに、料理の魅力にハマっていって。
そこから料理担当として、もてなしたくなる性格も相まって、ご飯をよく作るようになりました。
●飲食に惹かれたきっかけ
僕のInstagramを見てくれている人は、料理投稿ばかりなので「料理が好きそう」というのはなんとなく分かるかと思いますが、「そもそもそんなに飲食をやりたかったんだ」って思う人の方が多いかもしれません。
そんな想いは、就活時からぼんやりと思い描いていた夢でした。
話は少し脱線しますが、飲食店をやってみたいという夢は、大学時代の2つの経験がきっかけになっています。
①世界一周の経験
大学時代、休学して世界中を旅していた時、本当にいろんな人と出会い、一緒に食事する機会が数多くありました。国籍も年齢もバックグラウンドも異なる人たちと、食卓を囲みながら過ごす時間。言語は違えど、コミュニケーションの手段には必ずと言っていいほど食事がありました。
また、これまで見たことも食べたこともない調理法や食材にも沢山触れ、その土地のローカルフードを食べるのは旅の一つの楽しみでした。
「価値観が変化した」なんて大袈裟には言えないけれど、旅を通していろいろな経験をしたことで、これまで築いてきた価値観が広がる感覚は間違いなくありました。
その一つに、「食は人生を豊かにするな」なんて、ぼんやり考えていた気がします。
②vivo daily standでのアルバイト
旅から帰国後、食事を通して日本でも様々な人と交流ができる場所=Barだ!と思い立ち、アルバイトを探していた時、東京・中野にあるvivo daily stand(以下:ビーボ)に出会い、働き始めました。
ビーボは、2007年5月に創業したワインバル。
創業者の健太郎さんが、バルの本場スペインを旅していた時、老若男女が集まり、朝から晩までコーヒーやワイン、料理を楽しみながらコミュニケーションをすることで日常を豊かに過ごしている姿を見て、都内にも地域密着型のコミュニティを創りたいといった想いから始まっています。
そんなビーボで働く時間は、想像していた通り、むしろ想像以上にかけがえのない経験をすることができました。
お客さん同士が知り合い、結婚し、その子供を連れてくる光景は微笑ましく
新規のお客さんと話していたら、実は共通の友人がいることが分かったり
お客さんと飲みにいき、熱く将来について語りあったり。
年齢も、会社内の役職も飲食店では関係なく。もちろんお客さんと店員という立場の違いはあるけれど、多くの人に出会わせていただきました。
さまざまな人が、飲食店という場所で出会い、人生を豊かにしていく。
そんな飲食店の魅力に、すっかり魅了されていました。
この2つの経験が、僕の中で飲食店に興味を持った理由ではあるのですが、
結論から言うと、就職活動を迎えたタイミングでは飲食店に就職する覚悟が持てませんでした。
一般的に、飲食店は薄利で長時間労働といった現実もあり、大学を卒業して飲食に飛び込むという選択肢を当時は考えられず、まずは会社へ就職する道を選びました。
「飲食から会社員への転職は難しいけれど、会社員から飲食への転職ならできるはず。」
そんな風に自分をいい聞かせつつ、社会人としてのスタートを切ることになったのです。
●キャリアチェンジへ至った経緯
新卒で入社したコムニコは、前述したように、会社員として働く楽しさを教えていただき、職場の方々、特に同期には本当に恵まれたと思います。
ただ、転籍した24-7でも、会社は違えど同じグループ会社の転籍だったため、新卒から数えると7年間同じ会社にいたことに。
業務のやりがいはあり、居心地が良く、業務とプライベートのリズムも取りやすい状態。
いわゆるコンフォートゾーンに身を置いていたため、その環境から抜け出す勇気もなく、どんどんチャレンジをしなくなっている自分に、モヤモヤしはじめてたんだと思います。
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2022年は、30歳という節目を過ごした一年であり、また、引越しや結婚式を挙げ、ライフスタイルが大きく変化しました。
そんな、人生の一大イベントが重なったこともあり、
「今後の人生で、どんな仕事をしていて、どんな生活を送っていたいか」を改めて考えなおした時、飲食店の夢を思い出しました。
入社時は思い描いていた飲食店の夢。「いつか」とずっと思い描いていたけれど、いつやるんだろう?このままではその「いつか」は絶対にやってこない。
そんな当たり前のことにふと気づき、真剣にその夢を実現させるには、直感で「今しかない」と思ったタイミングだったんです。
もちろん、決断する上で本当に多くの懸念がありました。挙げ出せばキリはないですが、それでも一番心がワクワクする選択。そんな想いに突き動かされた時でした。
●理想とする飲食店を実現させるには
しかし、「飲食店をやりたい」といっても、具体的なイメージを詰めて準備していたわけでもなく、漠然としている状態。
30歳で脱サラをして、どうしたら理想とする飲食店を実現できるのか。まずは頭の中を整理するところから始めました。
「そもそも、なぜ飲食をやりたいのか?」
「どんなお店をやりたいのか?価格は?雰囲気は?」
「どんな内装で、どんな料理を提供する?」
「いいお店って、どんな要素がある?」
そんな自問自答を繰り返しながら、自分の理想とする飲食店の要素を言語化していった時、
良い飲食店は「料理、接客、空間」のバランスが大事だという考えに落ち着きました。
この3つのバランスが悪いと、例えば
といった評価になるだろうし、反対に何かが突出していれば
といった評価につながると思います。
だからこそ、30歳から飲食店を目指す自分が生き残るには、これまで料理一筋でやってきた人には味で敵うことは難しいけれど、この3つのバランスを大事にし、接客や空間でカバーすることが重要だと考えました。
そして、飲食店の大前提となる料理。
飲食店を経営するためには、大きく分けてオーナーとシェフの2つの役割があると思います。オーナーは、いわゆる経営面ですが、シェフの仕事とは完全に別物。そこで自分がある程度のシェフのスキルを担えれば、いわゆる手に職をつけることができるし、自分がオーナーとしてシェフを雇った際も、ある程度共通言語を持って会話ができるため、今後の選択肢も広がってくるのでは?と考えました。
何より、料理が好きなことを踏まえ、料理スキルを学べる環境で働きたい。そんなことを考えながら、働き先を探すことにしました。
●働き先となる飲食店の探し方
飲食店の数は、都内だけでも約80,000店あると言われています。
しかも、和食、中華、フレンチ、イタリアン、エスニック、居酒屋...etc. とジャンルも多岐。これから料理や接客を学ぶ際に、どこの飲食店で働けばいいのか、ジャンルはどうするのか全くわからない状態。
そこで、転職先の条件として下記を決めました。
上記の条件に絞れたことで、対象となる飲食店がかなり絞られました。
(振り返ると、だいぶ身勝手な条件だなと思います。笑)
飲食店の求人サイトなどに登録して探してみたりもしたのですが、そもそも個人店は求人にかける広告費もなく、そもそもリストに挙がらないと考え、求人サイトは早々に切り上げました。
そこからは、友人づてにお店を紹介してもらったり、Instagramやnoteで気になるお店のアカウントをフォローして、スタッフ募集の投稿があれば、お店の雰囲気やタグ付けされた投稿を頼りにイメージを膨らませ、コンタクトを取り面接をし、体験入店をさせてもらったり。
もちろん、条件が合わずに落ちてしまったところもありますが、何回か面接を繰り返すうち、自分の考えをブラッシュアップする機会となりました。
正直、そんな上手い条件が見つかるものだろうかと不安な時期もありましたが、とにかくひたすらに飲食店を探しつつ、気になるお店に食べに行っては、働き先を探していました。
●「YOSHIDAHOUSE/ヨシダハウス」との出会い
そんな条件を掲げつつ出会ったのが、広尾にある一軒家のフレンチビストロ「YOSHIDAHAOUSE/ヨシダハウス」です。
きっかけは、友人が「このお店、たむに合いそうだから一回行ってみて!」と、スタッフ募集のInstagramの投稿をシェアしてくれたことから。
(いつか僕も出てくるかも。よかったらフォローしてください!↓)
そこからDMで連絡を取り、面接・試用期間を経て、2月から正社員として働き始めています。
面接時に希望条件を伝えた際、
「未経験でも問題ないし、独立も応援する。盗めるものは盗んで構わないし、関わった人が幸せになってくれることはむしろ喜ばしいこと。一番大事なのはやる気。働き方もこれまでと変わると思うので、奥さんと相談して決めてくださいね」と言った旨を話して頂きました。
これまでの希望の条件にあっていることもびっくりですが、こんなに懐の広い言葉をかけてくれたオーナーシェフ吉田さんに強く惹かれ、この方と働きたい!と思ったのが決め手です。
その後、1月は試用期間としてアルバイトさせていただき、現在に至ります。
ヨシダハウスは、2019年にオープンした2階建ての一軒家フレンチビストロで、現在はオーナーシェフの吉田さんと、社員(通称:こむさん)が1名。
▼お店を勝手にご紹介。▼
お知り合いの方限定にはなりますが、
気になる!行ってやってもいいよ!という方がいらしたら是非ご連絡ください!
●最後に
長々となりましたが、そんな過程を経て、現在は飲食店で働いています。
3ヶ月前までZOOMでMTGをしながら、PCとにらめっこしていた生活とは一転。
包丁の持ち方.切り方から学び直し、茹で卵をひたすら向き、洗い物をする日々を送っており、ギャップに自分でも驚くばかりですが、本当に充実した日々を送れています。
今回の転職を通して、ただ「飲食店をやりたい」という夢が、
「人や美味しい料理に出会う場を提供し、人々の人生を少しだけ豊かにするきっかけを提供したい」とより具体性のある夢を描くことができました。
将来、自分のお店を持つのが何年先になるかは分かりません。もしかすると、これから働いていく中でお店以外の違う選択肢が出てくる可能性もあります。
それでも、食に携わる仕事に就く決断を出来たことは、大きな一歩として捉えたいと思います。
そして、転職に伴い、本当に多くの友人に相談に乗っていただきました。
また、会社を辞める時も、快く送り出してくれた会社のみなさまには改めて感謝申し上げます。
そして、今回の決断に反対することなく、応援してくれたパートナーのりっちゃん。
ポストイットの書き出しの時は朝方まで一緒になって考えを整理してくれて、判断に迷っていた時は的確なアドバイスをしてくれて。また、気になる飲食店を見つけてはシェアしてくれてと、感謝しかありません。
りっちゃんの協力と理解がなければ、今回の決断は出来ませんでした。ありがとう。
本当に、周りに恵まれていることを実感した2022年でした。改めて、関わって頂いた皆様に感謝申し上げます。
長々となりましたが、以上、近況のご報告でした!
最後まで読んでくれた人。スキです。(いるのかな?🧐)
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