うつ体験記#2 もしかして
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昨年5月6日木曜日、すなわちGW明けの出勤日、朝。
布団から出られない。
顔を洗って、服を着替えて、朝ごはんの用意とお弁当の用意と...やるべきことは頭に浮かぶけれど、体が動かない。
家を出るいつもの時間が過ぎた。
今日は休もう。そう決めて職場に電話をかけた。
実はこういうこと、つまり朝起きて布団から出られないことには慣れていた。中学生の時に不登校を経験していたからだ。懐かしいな、あの時は父さん母さんには迷惑かけたなと思い出しつつ、二度寝した。
翌日、朝。
布団から出られない。
実は当時、入社5か月目だった。大学を出てから1年ほど空いて、ようやく社会人デビューした頃だった。
2日連続で休むのはまずい、なんとか布団から出て支度をするけれど、今度は涙が出てきた。
『もしかして』が頭をよぎった。いやいや鬱なんてことは、残業もないし職場の人は優しいしの超ホワイト、鬱になるなんてことはない。けれど、涙が出るほど体が拒絶したことって今までないんだよな。
家を出るいつもの時間が過ぎた。
今日休めば、このまま土日だ。職場に電話をかけた。
そして、週が明けた月曜日も、出勤できなかった。
母に付き添ってもらって、婦人科に、行った。
PMS(月経前症候群)を疑ったのだ。以前から月経前の精神不安定には悩まされていたし、なにより、鬱なんてことはないと思っていたから。
病院に着いて、問診票を書くよう渡された。いつもならもちろん、ひとりですらすら書けるのだけれど、その時は問診票の言っていることがイマイチ頭に入ってこなかった。結局、一つずつ母に確認しながら書いていった。
診察室でお医者さんに話を聞いてもらって、低用量ピルを処方してもらうことになった。これで、生理のタイミングがコントロールできるから、気持ちのコントロールもできそうだ。安心安心。
最後に、担当のお医者さんに聞かれた。
「死にたいなっていう気持ちは、ないの?」
私は「あります」と答えた。
その時初めて、私は自分が『もしかして鬱』であることに気付いたのだ。
(つづく)