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マクガフィンは罠である

 胸骨が砕ける感触と、同時に伝わる痛みは一瞬で過ぎていった。「アッハ!撃っちゃった!」俺を撃ったイカレポンチの声が頭に響く。「撃っちゃったよォー!」俺は膝をついた。身体の危機に合わせて体感時間が引き伸ばされていく。俺の視界を少女の死体、壊れた酒樽、床を濡らす酒が満たし、酒が俺の眼に染みた。

サポートによってコーヒー代、おしゃれカフェ料理代等になり作品に還元されます。