自衛隊時の心霊体験の話

どうも俺です。


いつの間にか6月ということで、眠っているだけで汗をかく季節になってきました。湿気も多いしムカつく時期ですね。俺は低気圧のせいなのか何もしていなくても涙が出るようになりました。限界かな?

さて暑い季節には怪談と昔から言われているので、俺も自分が体験、もしくは聞いた話をつらつらと書いていこうと思います。

散々noteにも書いてきたのですが、俺は18〜22歳まで陸上自衛隊に在籍しておりました。閉鎖的な空間なので、娑婆の人間の方たちには未知な部分が多いのではないでしょうか。自衛隊は言っちゃえば軍隊なので、人を殺す訓練を主にするわけなので、死が割りと近かったりします。

俺が自衛隊で初めて心霊体験をしたのは、入隊してすぐの教育期間の時期でした。入隊して自衛隊の基本的なところから職種のことについてまで半年で叩き込まれる時期なんですが、基本的に時間もないし追い込まれるわけです。特に洗濯は毎日しないと追いつかないので、洗濯機は奪い合いです。5分でも終わった洗濯物を干さずに洗濯機の中で放置すると怒号が飛び、喧嘩が起こります。

洗濯室の隣には乾燥室があるのですが、教育してくださっている班付(班長を補佐する係)の方からあるお話を聞きました。

「あそこの乾燥室で首吊った人がいるから出るよ」

自衛隊は自殺者がかなり出ます。
大体は人間関係(主に上司からのパワハラ)でポンポン死にます。俺がいた頃は特にそれでお咎めがあったなんてことはなかったです。内々で処理してました。
これも今思うと怖いな……。

さて話を戻します。乾燥室で首吊った人がいたところで乾燥の時間が短縮される訳でもないし、怖がってる時間はないので特に何も気にしてませんでした。怖がる暇がある場合のみ怪談とは機能するんですよね。

その日もかなり忙しく、食事、風呂、アイロンがけ、靴磨き等やることを済ましつつ洗濯も並行してやってました。洗濯も終わり、乾燥室で乾かそうとしていた所、坊主のジャー戦(下ジャージに上戦闘服という自衛隊で1番緩い服装)の人が壁に向かって立っていました。

「おつかれ〜」と声をかけても返事はなし。ケータイでも弄ってるんだろうなと思って洗濯物を干してました。

すぐに干し終わり乾燥室から出たところで「そういえば今のやつ誰?」と思いました。当時合わせて40人弱位しか同期はいなかったので、一人一人の背格好などは熟知してましたが、さっき乾燥室で会ったやつは自分が見たことない背格好でした。記憶を思い返すと両手は下にあったので、洗濯物で見えなかったですが、首元には紐があったのかもしれません。何かの拍子でこっちに顔が向いていたら流石に驚くと思うので、背中だけでよかったです。

今も彼はあの薄暗く蒸し暑い乾燥室で1人虚空を眺めているのでしょうか。


俺が体験した話は他にもあるのですが、全て睡眠不足と疲労による幻覚で片付くと思うのでサラッとお話します。

行軍訓練が1番辛い訓練でした。夕方から朝にかけて暗い山道を計30キロの荷物を背負い、40kmを10時間かけて歩きます。疲労もありますが、なにより寝れないというのが1番キツかったです。半分寝ながら歩いていました。

横で歩いている先輩を見ると寄生獣のミギーみたいな腕が身体から何本も生えていたり、その他似たような幻覚を沢山見ました。

1番強烈な幻覚は、富士演習場での行軍のときでした。その日も寝ながら歩いていたわけですが、基本的に夜間活動は光を出すのは厳禁な訳なので、薄らと見える前の人について歩きます。暗闇で目が慣れるので、一列縦隊の隊列がぼんやりと見えていました。

かなり傾斜の激しい道へ行くんだなとぼーっと隊列を見て歩いていたところ、後ろから背嚢を捕まれました。
「どこ歩いてんだ!」と怒鳴られ、ハッと前を見てみると、いつの間にか隊列から離れていて、すぐ目の前は崖でした。俺が見ていた隊列はただの木で、自分の幻覚で死ぬところでした。怪談的には「あの世に引きずり込まれかけた」などという話になるのでしょうが、俺のはただの幻覚だと思います。悪いことしてないし、ただ歩いているだけだし……。


ですが幻覚では片付けることが出来ない話も出てくるのが山の怖いところです。

これは先輩がレンジャー教育に行っていた時の話です。ご存知の通り、レンジャー教育は死者が出るほど追い込まれる厳しい訓練です。俺はお金を積まれても行きたくありません。

斥候などの役割を担うレンジャーなので、自己完結性を多く求められます。教育中の山での演習も2人1組のバディで4日間で3食しか食べ物を与えられません。1人3食ではなく、2人で3食です。先輩はカエルを生で飲み込んでました。

その演習で先輩は警戒(見張り)に出ていました。人が少ないので1時間1人だけで警戒をするわけですが、怖さとかそれどころではないので俺も一切恐怖などは感じたことないです。先輩も暗視ゴーグルをつけ、警戒をしていました。

すると30m先から何かが右へ左へ動きながら近づいてきます。暗視ゴーグル越しに見てみると髪の長い白いワンピースのようなものを着た何かが、高速で右へ左へ走りながらこっちに近づいてきたそうです。先輩はそのとき「熊じゃなくてよかった」とホッとしていたそうです。確かに熊は怖いですからね。

ですが流石に異様な状況なので、銃を構え「近づいてきたら殺してやる」と殺意を向けていたそうです。すると残り10mといったところでどこかに走り去っていったそうです。

そして警戒の交代の時間が来て、近くに止めてある車に戻り仮眠をしようとしたところ、なにか音が聞こえてきたそうです。自分が乗っている中型トラックをコンコンと叩く音でした。また同じ場所ではなく、車の周りをグルグルとコンコンコンコンと叩かれたそうです。イタズラではないと気づいた先輩は銃剣片手に「俺の仮眠を邪魔しやがって」と怒りながらトラックのドアを開けたところ音が止んだそうです。周りに人気はなく、動物や風のイタズラでもなかった不思議な体験だったと先輩は語ってくれました。

「心霊体験は殺す気で挑めばどうにかなる」と瞳孔が開いた目で語る先輩が俺には怖かったです。


いかがでしたでしょうか。心霊体験という縛りでしたが恐怖体験でいうとまだまだあります。
ですがお話がエグすぎるのと、傷つく方もいらっしゃると思うので出来ません。

聞いてみたい方はいつか俺から聞き出してください。酒かタバコを奢ってくれたら話します。

拙い話でしたが、少しでもみなさんの肝が冷えてジメジメとしたこの暑さを吹き飛ばせたら幸いと思います。



無理かな?

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