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みんな違うという当たり前のことを改めて思い出そう

公園に「立ち入り禁止」の張り紙

自宅から徒歩5分もかからない場所に公園がある。数日前、その公園の前の道路を自転車で通り過ぎていたら、公園の真ん中にある大きな木の周りに「立ち入り禁止」のテープが張り巡らされていた。

近所の公園と言っても、グラウンド3つ分くらいはある大きな公園。「立ち入り禁止」のテープが張られていた木も、大人3人が両手を広げたくらいの直径がある。張り巡らされていたテープは、その木から半径4mくらいのけっこうな大きさで、その中に砂場とちびっこ向け遊具がすっぽり収まっていた。「一体どうしたんだろう?またハチの巣かな?」ぼんやり思ったまま、急いでいたので通り過ぎた。

午後、小学校から帰ってきた子供達に話を聞いてみると、「毛虫が大量発生したため」だそうだ。

なんと!毛虫!

そういえば、ニュースで今年は暖冬の影響で虫がたくさん冬越しができ、大量発生の可能性があると言っていたのを思い出した。それが原因かどうかは分からないが、毛虫が理由で立ち入り禁止になるのは初めてのことだ。

いやー、毛虫となれば、木から離れた場所でも風で飛んでくることもあるだろうし、おさまるまではしばらく公園は厳しいな…という感じ。せっかく自宅からすぐの距離なので頻繁に遊んでいるけど、仕方ない。

今年はコロナやら猛暑やらで、ただでさえ遊び場が少なくなっているのに、ここにきて毛虫…。なんだか大変な年だ。けっこうリアルな世界って想定外だらけだなと思う。

毛虫つながりで…ザンビアの話

毛虫といえば、昔、少しの間だけ住んでいたアフリカのザンビアという国では、イモムシが普通に市場で山盛りになって売られていた。レストランにもチキン&ライスと同じような感じで、イモムシ&ライス定食みたいなメニューがあった。初めて市場で見かけた時は「すごいなぁ、ザンビア人ってイモムシ食べるのか…!」とかなりの衝撃だったことを思い出す。

あるとき、首都から私の住む地方に来た日本人と、ドライバーのザンビア人と3人でレストランで食事をする機会があった。レストランといっても、本当に田舎なのでちょっとした市場に1軒あるだけ。他に選択肢はない。いや、レストランというより定食屋というほうがしっくりくる。

そこで今食べられるものを聞くと、チキン&ライスが2つ、イモムシ(キャタピラー)&ライスが1つということだった。私を含めた2人の日本人はイモムシが食べられなかったので、日本人はチキン&ライス、ドライバーのザンビア人がイモムシ&ライスというのが当然の流れかな…と思っていたら、ドライバーさんいわく「僕、イモムシ食べれなくて…」とのこと。

「えぇ!ザンビア人でも食べれない人いるんだ…!」
心の中で衝撃だった。

私「えっと…食べれないんですか?」
ドライバー「あぁ、苦手で…」

その時はかなり驚いたが、改めて考えてみると、全然不思議なことではない。日本人でも納豆や生の魚を食べられない人はいる。私だって、納豆もウニもイクラもサザエもホタテもカキも食べられない。ある国の人が、みんな同じものを食べられるわけがない。

みんな違うという当たり前のことを思い出そう

こんなに当たり前のことなのに、意識していないと、「〇〇=〇〇」という単純な図式を思い込んでしまうから恐ろしい。コロナが流行りだしてからは、本当にそう思う。

見た目や報道や行動など、分かりやすい側面だけで、単純に判断されてしまう怖さと、判断してしまう怖さ。常に「みんな違う」ということを今一度思い出してもいいのではいないかと思う。「〇〇=〇〇」という図式より、もっともっと複雑な思考ができる能力を、みんな持ち合わせているはずだ。



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