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子供の頃のトラウマ?【続】

ない事はない

前回の続きである。
幼児期に怪奇作品を観て、怖い思
いをした事はない。
との過去を述べた。

二度は見た悪夢

然し全く無かった、と迄は言えな
い。
少なくとも悪夢なら二回見た。
順に話そう。

鉄人タイガーセブン
ピー・プロ制作
テレビ映画

一九七十三年〜七十四年の特撮ヒ
ーローもの。
年度からすればリアタイ視聴。
「子供は怪獣の次には妖怪を求め
る」との企画意図に基いて撮られ
当然、大好きだった。
だが此れの中の、

第二十三話
「悪魔の唸り
  コールタール原人」

当エピソードを観た日の夜、夢で
魘されたのだ。

翌日、母と一緒に買い物に出た時
悪夢の内容を話した。
「ミミズがコールタールの入った
ドラム缶に漬けられてたんだけど
本当にやったら死ぬの?」
「さあ。死ぬかも知れないわね」

う〜む……。
我乍ら、随分変な夢である。
フツー怖いといったら、テレビの
コールタール原人に追い掛け廻さ
れ逃げ惑う、とかだろう。

事もあろうに私は、ミミズの健康
を心配していたのだ。

まあ中味は兎も角、一回目。

ひばりコミックス
「謎のゆうれい船」
五島慎太郎/著

狂う程熱中したひばりの一冊。
作中、古代ギリシャ風の文化を持
つ島が登場する。
読んでから昼の間、自宅の椅子に
孔雀の羽根を二本括り附けて玉座
としごっこ遊びをした。

其の夜に悪夢を見たのだ。
内容は、当時でもよく覚えていな
かった。
場所は自室で、装飾した椅子と畳
まれたマットレス等がある。
登場人物は私ひとり。
何も現実と変わらないが、明かり
が薄暗く恐怖で目が覚めた。

母曰く。
「あんな遊びをするからですよ」
いや、ごもっとも。
此れが二回目で、作品由来の最後
の悪夢。

話題は少々脱線する。

民族ブームの時代

何故、うちには孔雀の羽根があっ
たのか?
タネを明かせば、動物園帰りの土
産物である。
けれど同時に異国情緒のシンボル
も兼ねていた。
孔雀は東南アジアに棲息するから
だ。
ひとことでアラビアンナイト、千
夜一夜物語の雰囲気。
他にも、木製品のオランダ風車レ
リーフやセブンアップのオマケと
覚しき温度計が存在。
クラシックカーの形をしていた。
親戚の旅行土産である。

うちは西洋胤が多かったが、世間
では土俗的なものも良く見た。
小学校にはトーテムポールが立て
てあり、他家の応接間には民芸品
の木彫りのお面と像等が飾ってあ
った。
インディアン人形も定番。
語れば又一篇の記事となる為、早
々に切り上げる。
要は、私の玩具となり想像力を育
む品が沢山あったのだ。

まとめと結論

悪夢に限っては、たったの二度し
か見ていない事になる。
繰り返すが怪奇漫画やスリラー映
画が元で、の体験なら。

実母の言葉。
「初めは怖い本を与えていいのか
迷ったけど、別に夜魘されるとか
も無いから自由にさせた」

感謝此の上もない。
相対的に作品摂取量と比べれば、
二回は驚くべく少なかろう。
だから、育て方は正しかったのだ
が……。
矢張り私は人間もどき。
人外には、魔境が良く似合う。

次回予告

明日は日曜日。
時間が自由に使えるので、語り掛
けていた少女怪奇漫画テーマの長
めの記事を書く。

〈了〉

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