寒い日にはミステリ小説が読みたくなる。
寒い日にはミステリ小説が読みたくなる。
……のは、わたしだけでしょうか?それは実家を離れてからますます思うようになった気がする。
それは外界と連絡が取ることが困難であったり、密室がいとも簡単に作られたり、被害者が意味深なダイイングメッセージを残していたり、場合によっては信じられないくらい人が死んじゃったりしてもいい。(わたしはホラー小説は読めないけど、ミステリならどれだけ血が出たりしても平気)
本格であればあるほど嬉しい。
読み始める前にたっぷりマグカップに淹れたお茶が熱いことを忘れて、無意識に口に運んで「熱っ」と火傷しちゃうくらいのめり込むためには、それくらい非現実的でないとだめだからだ。
寒いからと毛布に包まると、ふわりした暖かさに感覚が麻痺してくる。そうすれば、すぐさま事件現場に潜り込むことができる。
ちょっと不安になっちゃうくらいおどろおどろしい展開になったら、ますます毛布に埋もれていくのも気持ちが良い。
関係者だけは取り残された環境は、冬の、雪なんかが降ってるようなしんしんと静かな夜によく似ている。
ひとりぼっちで毛布に包まっているとちょっと孤独に感じるかもしれない。でもそれも「次はわたしが殺されるかもしれない」と怯えるシーンに寄り添うことができるのだ。(実際になりたいかどうかについては全く別だけども)
佳境に入ったころには、もうお茶の存在なんか忘れていたい。見事に披露された推理に「ぐうう」と感嘆しながら本を閉じて、初めて思い出したい。
じっくり余韻に浸ったり、もう一度振り返ったりするには冷え切ったお茶のほうが思考の邪魔にならないから、やっぱりこれくらい寒い日に読むのが好き。
もっともっと新しい世界を知るために本を買いたいなあと思ってます。