「忘れる」を積極的に活用する
私は「メモをとる」ことを非常に大切にしています。その理由は「人は忘れてしまうから」と「脳に休息を与えるため」です。ひとつずつ、掘り下げて見ていきましょう。
忘れてしまうことを防止する
強烈な印象が残ったものや、いつも使っているもの(たとえば言葉)は常に脳に記憶されていますが、それ以外のものは忘れてしまうのが脳の仕組みだと私は理解しています。ですので、メモを取って脳の外に記録を残すことは非常に重要です。
ひらめいたことをメモする
何気なく考えているといいアイデアが浮かんだ経験はありませんか。いいアイデアというのは、リラックしているときに浮かびやすいものだと思います。そして、いいアイデアが浮かんだのに忘れてしまったこと、ありませんか? 残念ながら、私はよくありました(笑)
そこで、思いついたときにすぐメモを取るようになりました。基本的には紙に書くようにしていますが、紙がなければスマホのメモ帳を活用します。
紙であれば、簡単に書くことが出来るので、文字だけでなく矢印や絵を使って、後から視覚的に分かりやすいようにして書くようにします。スマホであれば、メモ帳は文字でしか残せないので、文字で残します。
こうすることで、忘れてしまってもメモした内容から思い出すことが出来ます。そして、思い出した内容をさらに深堀りすることで、新しいことが始められます。
ワーキングメモリの有効活用
次に、私がよくメモを使うのは買い物に行くときです。買い物に行く前に、紙に欲しい物を書き出します。この目的は「買い忘れないようにする」ですが、それだけではありません。
人間の脳は「ワーキングメモリ」と呼ばれるエリアがあります。ワーキングメモリとは、作業するために必要な場所と考えていただければいいと思います。このワーキングメモリ、個人差はありますが、人間の脳にだいたい3つくらいあるそうです。つまり、同時にこなせることは3つだけになります。
ワーキングメモリの一つに「買い物で欲しい物リスト」を使用してしまうと、使用できる場所は残り2つです。必然的に、脳の作業スペースが狭くなっています。この状況で、他に何かしないといけない事が発生したら、優先度によっては、欲しい物リストのエリアを他の作業のために開放しないといけないかもしれません。開放してしまったら、それはすなわち「忘れる」になってしまいます。
開放しなくても、脳の作業スペースが狭まってしまっているので、他の作業の効率が落ちてしまいます。メモを取れば、1つのワーキングメモリを開放できるので、作業効率の面からも、メモを取ることは重要なことだと理解できます。
メモに書いて「忘れる」
メモには他の利点もあります。それは「忘れても思い出せる」です。私は一日の仕事を終えるとき、次の日に持ち越した内容は必ずメモします。こうすることで、積極的に忘れるためです。
仕事が終わった、つまり、もう仕事はしないわけです。しかし、ワーキングメモリに仕事に関する内容を置いたままにしていると、脳は「まだ仕事している」と認識します。これでは脳が休まるわけがありません。
脳を休ませるためにも、持ち越した内容はメモに書いて、ワーキングメモリを開放する、つまり忘れる必要があるのです。忘れることで、脳がリラックスできる状態を生み出します。
そして、次の日にメモを見ることで内容を思い出し、時間のロスなく仕事が始められます。
このようにメモを活用することで、オンとオフの切替がスムーズに出来るようになり、あなたのパフォーマンスを向上させることが可能になるのです。
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