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未来への名言117「生き延びること以外の価値を持たない社会とは、どのようなものか?」(ジョルジョ・アガンベン)

コロナウィルスによる世界中の緊急事態宣言の中で、

今まで当たり前だった自由や権利が制限を受けました。

日々の「当たり前」の「ありがたさ」を実感して

「自分は幸せだったんだな」と実感した方も多いと思います。

このような謙虚さ・思慮深さも大切ですが、

改めて自分たちの自由や権利の危うさや脆さ、

それを守るために考え、行動することや

姿勢を持つことの大切を感じます。

今回の緊急事態で改めて感じたのは

人間の野性的な「『自分が』生きること」への欲求の強大さです。

マレーの欲求リストからピックアップすると、

■傷害から回避に導く欲求
・ 毒性回避欲求:有毒な刺激を回避して逃れたい
・傷害回避欲求: 痛みやケガ、病気や死を避けたい
■物質に関する欲求
・保持欲求 お金やモノをいつまでも持ち続けたい、手放したくない

上記の欲求が他の欲求の権利を大きく上回ったのが今回の社会状況でした。

・遊戯欲求 リラックスしたい、気晴らしをしたり楽しみたい、娯楽を求めたい

遊戯欲求のようなものが否定されて、

いよいよ「移動の制限」にまでつながりました。

非常時は、特定の欲求が他の欲求を否定するような

社会のムードを生むことを実感し、学ぶ体験でした。

(まだ終わっていない?)

もしもの時、戦争や独裁を止めるためにも

哲学から人間の欲求・欲望を分類して考えることが

有効と考えています。

「死者は葬儀を執りおこなわれる権利がなく、愛しい人の死骸がどうなるのかはっきりしない。私たちの隣人なるものは抹消された。生き延び以外の価値を持たない社会とはどのようなものか?」(ジョルジョ・アガンベン)

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