タイムラボCOO・友成が目指す「なめらかな時間のマッチングが行われる世界」とは?
「複数カレンダーをまとめて管理できる次世代のスマートカレンダー」。それが、わたしたちがタイムラボの開発するプロダクトです。しかしわたしたちが作るスマートカレンダーは、理想の未来を実現するための入口のひとつに過ぎません。
COOである友成は、「タイムラボで、人と人の時間、人と場所の空き時間、のなめらかなマッチングを叶えたい」と語ります。スマートカレンダーで実現する“なめらかな時間のマッチング”とは?友成に聞きました。
“仕組み”でユーザーの行動を変えたい
——友成さんのこれまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後、新卒で大手証券会社に入社しました。本社のシステム部門で3年ほど社内システムや業務設計を行い、2011年に株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)に入社。2011年から5年ほどゲームの開発やプロデューサー業に携わり、2015年にヘルステックベンチャーのFiNC Technologeis(フィンク)に入社しました。タイムラボには、創業の2018年から関わり、2019年に正式に参画しています。
——保積さんとの出会いはいつですか?
DeNAで働いていたころです。彼は大阪のプロデューサーをやっていて、僕は東京にいたのですが、とある案件の引き継ぎをするために1年半ほど同じプロジェクトに携わっていました。当時から「違うプロジェクトも一緒にやりたいよね」と話はしていて、一緒にアプリを作ったり、アイデアのブレストをしたり、いろんなことをしていました。
——証券会社、ゲーム会社、ヘルステックベンチャー、時間に関するサービスに順々に携わっている友成さん。会社や領域を選ぶ軸はどのようなものだったのでしょうか?
もともと“仕組み”に興味がありました。社会的な仕組み、経済の仕組み、行動経済学、そういったものです。証券会社は直接金融を行う会社なので、経済の仕組みや世の中のことがいろいろわかってきます。
「こういう仕組みにしたほうがいい」というものもわかってくるしやりたいんだけど、当然「明日から始めます」みたいな動きはできません。新しい仕組みを作りたい・取り入れたいと思っても、大きな会社の中や制度の変更などが必要な領域では難しかったんです。
一方、ゲームの中の仕組みやルールは自由ですよね。作り手が自由に仕組みを変えられるから、「こうすればユーザーはこう動く」と考えて、作っていける。そこに面白さを感じていました。
ゲームの世界で経験した「こうすればユーザーの行動が変わる」という仕組みや体験みたいなものを、現実世界でも提供したい。その思いが、現実世界の人の健康に関するプロダクトを開発していたFiNCに転職するきっかけとなりました。
——それから、どのような経緯でタイムラボに参画することに?
健康に関するプロダクトを運用する中で、健康は究極的には「何時間どんな活動(運動、休養)をしたか」「何を食べたか、どんなストレスを受けたか」という行動の影響が多大であると理解できました。
何時間寝て、何時間運動したか。バランス良く栄養を摂ったか、誰と話してストレスを受けたか。健康マネジメントは、1日のすべての活動をトラッキングして、「この活動が少ないから取り入れた方がいい」のように改善を重ねることが重要であるとわかってきました。
同時に、組織が拡大する中で「人数が増えても生産性が上がらない」という組織の生産性の課題に直面するようにもなりました。10人だった組織が 100人になったら、単純計算で生産性は10倍になってもいいはずですよね。それなのに、どうしてもそうはならない。
そこで生産性を可視化するために、メンバーにエクセルで活動内容を記録してもらったんです。すると、業務が早い人ほど、アクションが細かくて、見積もりが正確なことに気づきました。彼らは事前に時間の使い方と、時間内で何をするかをクリアにしてから活動に入っていたんですよね。
健康になるためにも、組織の生産性をあげるためにも「その時間に何をするのか」を決めて実行することが重要なんだと気づきました。そんなタイミングで保積さんが「時間をテーマに起業する」と言ったので、それは面白いねとなり、気づいたら一緒に色々と検討をしていました。
自分がワクワクしないものは作らない、という信念
——タイムラボは、創業から複数回のピボットを繰り返して現在の「スマートカレンダー」に辿り着いています。これまでのピボットと、その背景について教えてください。
僕は以前でハードウェアの開発をやっていました。その知見を活かして、タイムラボでも始めはすべての時間をトラッキングして、その時間に何をしていたか、何をしているときにもっともパフォーマンスが出ていたかわかるハードウェアの開発をしようとしていました。今でいうApple watchのようなものですね。
ただ、当時は中国をはじめさまざまな地域で加速度的にIT産業が伸びていて、他の会社と比べたときに、ハードウェアを作るには資金力が不足していました。僕は前職では1年かけてハードウェアの開発をしたんですが、その間に中国のXiaomi(シャオミ)は4つの新しいスマートウォッチをリリースしていました。AppleやXiaomiなどの巨人がいる中で、その領域で戦うのは資金面と開発速度の面で厳しいと断念したのが最初のピボットの背景です。
次に、組織の時間を可視化するプロダクトを作ろうと考えました。先ほど前職にエクセルで稼働時間を記録していたと話しましたが、それをプロダクトにして解決できないかと考えたんです。経営者にヒアリングをしたら、時間の課題は非常にたくさんあることがわかりましたし、ニーズもありました。
でも、いざプロダクトを作ろうとなったとき、経営者のニーズを満たそうとするとどうしても“監視”に近くなってしまうと気づいたんです。当時はPCのログを監視するプロダクトが流行っていた時期だったのですが、自分が従業員だったら、監視されるプロダクトは使いたくない。自分たちが使いたくないものを作ってもしょうがないよね、となったんです。
——たしかに従業員からしたらそうかもしれませんね。でも、経営者からのニーズがあれば、ビジネスとしては成り立つのではないですか?
もちろんそういう考え方もできます。でも僕たちは「自分が納得しないもの」は作らない。保積さんは「自分が熱狂できるもの」しか作りたくない人ですし、僕も「自分が熱狂する」か「チームが熱狂するもの」しか作りたくありません。「組織の時間を可視化するプロダクト」には、そのどちらもなかったんです。
仮にそのプロダクトを作ったら、使ってくれる経営者もいたかもしれません。でも、自分たちが、自分事として「作る理由」と「納得感」を語れないのだったら、自分たちがやる意味はない。大切な自分の時間を使ってやるなら、自分が使いたくて、納得感があり、顧客ニーズもあるものを作ったほうがいいと思っていました。
そんなふうに、何度かのピボットを繰り返しながら、今のプロダクトに近づいていきました。
タイムラボで“なめらかな時間のマッチング”が行われる世界を実現したい
——タイムラボは「世界の時間ロスを無くす」をビジョンに掲げています。友成さん自身も、同じビジョンのもとタイムラボの開発にあたっていますか?
そうですね。自身のビジョンとは微妙に表現は異なりますが、本質的には同じものを目指していると思っています。
たとえば新卒である会社に入社するとき、新しい会社で活躍できるまでに何時間かかるのかわからない状態で、給与だけ見て入社しますよね。本来だったら、目指したい未来に到達するまでにどれくらいの時間がかかって、本当にペイできるのか?を考えるべきなのに。
もしも活躍するために想像の何倍も時間がかかったり、時間をかけたのに目指していた職位にたどり着けなかったりしたら、「時間ロス」になりかねません。そういうことを、世の中から無くしていきたいと思っています。
——なるほど。友成さんが実際に感じる「時間ロス」はどのようなものですか?
たとえば、飲食店の予約時にも「時間ロス」は発生しています。今は誰かと会食に行くとき、最初にエリアとお店を決めて、そのあとでお店の空き時間を確認しますよね。でも、もしも行きたいお店が希望の日に満席だったら、調整していた時間は無駄になってしまいます。だったら、先に会食に行く人たちのカレンダーを見て時間を決めて、時間に合わせていくつかのお店がレコメンドされるほうが楽だと思いませんか?
このように、「その手段が当たり前だと思っているせいでロスしている時間」って、実はたくさんあるんです。
ここまで挙げた課題を解決するためには、世の中のすべての情報がオンライン上にある状態を作る必要があります。あらゆる情報がオンライン上にあれば、人と人、人と場所、人と物、人と仕事、人とお金、そして時間。それらが組み合わさったものをなめらかに選択・マッチングできる世界を実現できると考えています。
——「なめらかな時間のマッチングが行われる世界」を実現できた先には、どんな未来が待っていると考えますか?
「なめらかな時間のマッチング」を実現できると、人は「自分の人生をコントロールできる」ように感じるのではないかと思っています。
今は「スマートカレンダー」として、1日の予定、1週間の予定が可視化できる物を作っていますが、たとえば「この職場で活躍できるようになるまで2000時間かかる」と分かったら、より未来のことまで見通したうえで、いろんなことを自分で設計できますよね。
そもそも人は、自分で時間をコントロールできないとストレスを感じます。たとえば買い物でストレス発散をしている人の中には、日常において自分で決めた選択肢を取れていないと言われています。だから買い物で「選択する」体験をして自分を満たしている。そういう必要がないくらい、時間の使い方を、未来を、自分の何に投資するのかを選べる人が増えたらいいなと思っています。
——友成さんの今後の展望を教えてください。
必要な機能は粛々と作りつつ、今後はさらに「組織」や「働き方」を変えるようなプロダクトになっていけたらいいなと思っています。
さらに、タイムラボを「人が集まるプラットフォーム」にしていきたいと考えています。YouTubeやApp Storeが良い例で、プラットフォームを通して、配信者は広告収入を、アプリの開発者はアプリの売上を得られます。そんな風に、タイムラボも人が集まる場所になり、誰かがそこで稼げるようになったらいいなと。
たとえばコンサルティングをできる人が、空いているスケジュールを選択したら「コンサルをしてほしい人」とマッチングして、しっかり稼げる。そんなプラットフォームにできたらいいですよね。
僕たちは、ずっと「当事者」であり続けるために、「タイムラボでのサービス開発」「タイムラボメンバーとしてのコンサルタント」「タイムラボ以外の仕事」の複数の草鞋を履くことを大切にしています。
これからも当事者の痛みを“わかったまま”でサービスを作り続けていきますので、アップデートを楽しみに待っていてください!
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