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「がんばらない経営」 ここがすごいぞケーズデンキ(1)

がんばらないでうまくいく!?
そんなうまい話があるものか。


どんなことだって
がんばるから
上手くいくんだ!


っておもうでしょう。
私も思います。


ケーズデンキさんは
いわずとしれた
郊外型の家電量販店です。


この業界は
昔から、価格競争がはげしく
社員に厳しい販売ノルマが課されることも
少なくないそうです。




しかし、ケーズデンキはちがいます。


ノルマもなし、残業もなし。


それは、ケーズデンキが
「がんばらない経営」
を目指しているからです。


当社の経営を「がんばらない経営」と表現していますが、なにもしなくても楽に仕事ができる経営ということではありません。
「がんばる」という言葉には自分の持っている以上の力を出す、つまり「無理をする」というようなイメージがありませんか?
短時間であればそれも可能かもしれませんが、終わりのない会社経営には「がんばる」という考えは適切ではないと考えています。無理をすれば必ずその反動があります。「がんばらない」は、お客様にご満足いただくためにあるべき姿に向かって、正しいことを無理せず、確実に実行していく当社の経営スタイルを表現しているのです。

ケーズデンキ|事業コンセプトより


なぜこのような考えに至ったのか。
この本に詳しく書いてありました。



この本、実はどなたかに貸してしまって
今は私の手元にないのですが。


この「がんばらない経営」という言葉は
創業者の加藤馨さんのお考えだとか。



馨さんの口癖は
「急成長したら会社の寿命が来てしまうから、
ゆっくり大きくしなさい」
だったそうです。


会社を大きくしようとすると
在庫を抱えたり、
無理な押し売りになったり
社員が疲れてしまう。


逆に、常に手札に
いろいろなチャンスを
ためておきながら勝負するべし
と考えていたそうです。



なので、好景気で売上を50%アップできそうでも、
25%アップにあえてとどめていたのだそう。


だからこそ、不況のときにも投資ができて
大きくなったらしいのです。



これって、実はボクが大学の
工学部システム創成学科で勉強した
システム工学でも説明できるんです。


ビールゲームというゲームがあります。


小売、二次卸、一次卸、工場を
それぞれ1人の人が担当します。

小売店の人には
毎日、何本売れたかのデータが公開されます。

例えば、小売店で
1日目は10本売れました、
2日目は13本売れました、
3日目は18本売れました、とくれば、
4日目はもっと売れそうですよね。

でも在庫が50本しかなかったら、
4日目の分がもう足りないですね。

とりあえず200本くらい注文しておきましょうか。


すると、二次卸の人は、
急に200本の注文がきたから、
びっくりして一次卸のひとに500本注文します。

一次卸の人は
急に500本の注文がきたから、
またまたびっくりして、工場に2000本注文します。

工場の人は
急に2000本の注文がきたから、
本当にびっくりして5000本製造します。


でも、小売店では1週間後に
ビールの注文数が10本になってしまいました。


工場から大量のビールが届いた頃には
過剰在庫で困ってしまうのです。

これ、上流にいけば行くほど
需要が拡大してしまうことを
ムチのしなりに例えて
ブルウィップ効果というそうです。
バタフライエフェクトにも似てますね。


つまり、
急に店舗を拡大させようとすると
システムに無理が生じて
過剰在庫などの問題が起こりやすいのです。



だからこそ、
「がんばらない経営」をすることで
ブルウィップ効果を抑えているんですね。

勉強になりました!




P.S.
ちなみにビールゲームを体験したい人は
英語ですけどここからできますよ!