介護事業所の「営業」について

僕の好きな本に「影響力の武器-なぜ、人は動かされるのか(誠信書房)」がある。営業職のバイブル的な本。この本には、ターゲットの感情を動かす6つの影響力の武器が紹介されている。

1.返報性
2.ある立場をとることと一貫性
3.社会的証明
4.好意
5.権威 
6.希少性

の6つが紹介させれている。人を介するあらゆる仕事やイベント、勉強会、研修会などを開催する人とって参考になると思うし、PR(パブリックリレーション)活動、広報活動、チラシ作成などの営業活動の武器になるでしょう。悪用は禁物。医療・介護の業界で営業活動をしている人にも参考になると思う。いいサービスを本当に必要としている人に届けるために。

1.返報性
何かをもらうと返さなくてならないという心理。物をあげるなら高価な物ではなくアメ玉でも十分効果があるという心理学の研究結果があるが、基本的に医療・介護の業界では金品の享受は御法度。介護・医療業界の人は「営業」という言葉を嫌う(介護は営業しなくていいから、この仕事を選んだ?という人もいるとかいないとか…)ので、「連携」という言葉を使うと良いかも。

契約を取りたい、利用者獲得したいという気持ちが全面に出ると返って相手は退いてしまうので、相手8割自分2割の配分で「営業=連携活動」をしよう。物以外に何を相手にあげるのか。無形で価値のあるモノは情報。クライアントの情報やクライアントの逆紹介、クライアントのニーズ、相手の困りごとに寄り添う姿勢が大切。ギバーズゲイン。

2.ある立場をとることと一貫性
相手にコミットしてもらう。一旦コミットすると、そのコミットを守らなくてはいけないとプレッシャーがかかる。「この地域の医療・介護の発展のために何とかしたいですよね」「人の役に立てて喜ばれるような仕事がしたいですよね」などど、仕事の意義ややりがいに訴えかけて、連携することのメリットを伝える。もちろんこちらもコミット。

3.社会的証明
特定の状況である行動をする人が多いほど、人は正しい行動だと判断する。「すごく好評なんです」「いいというデータが出てますね」など。

4.好意
人は共通点があることを好む傾向にある。良い出来事や悪い出来事に対しても、何か関連があると思ってしまう。
相手と共通点を見出す。対応がいい事業所は他のスタッフも対応がいいと思う。営業担当者が素敵な人だとその事業所もいい事業所だと思う。

5.権威
権威者の意見や権威者に対して、考えずに従ってしまう。肩書き、資格、専門性、認定資格、服装。

6.希少性
数量限定戦略。手に入りにくい物やサービスは最も望ましい。限定3名。今すぐ!。次はいつ空きがでるかわかりませんなど。

いい仕事をして給料(報酬)をいただく。いい仕事をするには自らの仕事を知ってもらい、使ってもらって、相手の役に立つ物を提供しなくてはならない。相手にとってなくてはならない存在になったとき、顧客となる。サービス提供者と顧客は基本仲良しだ。Win-Winだから。相手の役に立てていると思うから、仕事は楽しい。こんな循環をつくっていきたい。労働を通して自分が自分を必要とし、世の中(周り)にも少しだけいい影響力を及ぼせる。自己実現に一つの形だと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?