リスクマネジメント
「リスクマネジメント」
リスクは「不確実な危険」のこと。ハザードは「潜在的危険性」を指す。
リスクは活動や行動、方法が悪いと危険になってしまうもの。密着度が高い介助を必要とする場所は介護事故が多い。人が介在するからだ。ベッドまわりでの介助、トイレ介助、入浴介助、食事介助など。本来、ベッドや風呂やトイレ、食堂、廊下はそれ自体は危険箇所ではない。便利な道具も取り扱い方を誤ると危害を及ぼす物になってしまう。
ハザードは、そのもの自体が危険だから、初めから排除しなければならない。暴行、虐待などの「行為」、経験や技術の未熟などの「能力」、情報の共有不足などの「体制」などだ。
リスクマネジメントでは、危機の発生後の制御方法を考えておくことと、危機自体の発生を予防するためのリスク分析の両方が大事だ。介護・医療事故を防ぎ、被害を最小限にするために事前、直後、事後の行動を考えておく必要がある。
事故報告書、ヒヤリハット報告書はうまく機能しているか?直後の対応や事後の対応については、インターネットでググるか専門書買えばいくらでも載ってるぞ。
もっと大事なことは、失敗から学ぶこと。歴史や他人の失敗から学ぶこと。自分の利用者のケガから学ぶのは本当は避けたいからね。介護・医療事故を防ぐ方法はナン十通りもあると思うけど、自施設に当てはまるかどうかは分からない。「これをやったら失敗する」っていうのは、たいてい誰にでも当てはまるからね。これを2〜3個しか知らないのと、200個〜300個知ってるのとでは行動が全然変わってくる。これもネットや本人にたくさん載っているはず。活用できるものは活用しよう。
しかし、危険を恐れて利用者や患者を寝かしつけにしたり、できる能力を無視して車いす漬けにする、あまりにも低過ぎる食形態で食事をとらせることは本末転倒である。
リスクマネジメントは、やってはいけない行動を排除した上で、不確実な危険性を制御して利用者・患者のQOLや便益を最大化を目指す活動だと思う。
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