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娘の好きと私の苦手

娘の好きと私の苦手の折り合いが難しい。
絵本なんかは何も気にせず読んでおけばよいの
かもしれないが、例えば娘が好きな
『パンどろぼう』私は読んでいるとモヤモヤ。
だけど、持って来られてこれはイヤ、 
は言いづらい。
まぁ、LIFE is hard enough 
気楽に読めばよいのだろうけど。
以下はツベコベ。

パンどろぼうはしばしば絵本界に登場する
「ちょっとワルイコ」ではすまされない。
立派な 犯罪者である。
(窃盗罪:「1か月以上10年以下の懲役」または「1万円以上50万円以下の罰金」※窃盗を
重ねているため、執行猶予はつかないだろう。)

盗んだパンをまずいという場面があるが、
「まずい」というのはパンどろぼう一匹の
感想なうえ、そもそも盗っ人に感想を言う
権利はない。
トイレットペーパー盗んで、紙質に文句を
言うようなもんである。
そして、「まずい」のシーンは「おいしい」でも
成り立つと思う。あまりのおいしさに
再び盗みに入るパンどろぼうが捕まり、
しっかり謝罪し、そんなにパンが好きなら
自分で作ってみたら?と提案される。
初めて自分でパンを作ったパンどろぼうは
その大変さを実感し、今までの窃盗行為を
深く反省する。そして、パン作りに邁進する。 
みたいな・・・

まずいストーリーのままでも、
せめて世界中のパンを盗み歩いた罪を償う
シーン(牢屋に入る等)がほしい。
そこで、猛省し自らしっかり詫びをいれ、
パン開発に協力、ならまだ理解できる。
作中では、盗みに入ったとあるパン屋の
おじさんに「すまなかった」と軽く
謝るのみ。(しかも促されて。)
あまりにも説明がつかない、説明するのも
野暮だろうが、絵本の世界なんだから
とか絵柄の可愛さで割り切れない。

続編第4作目『おにぎりぼうやのたびだち』も
せがまれて読んだのだが、これまた衝撃。
内容はぱんどろぼうの前日譚。
パンどろぼうの実家はおにぎり屋、
しかし、「自分はパンの研究をしたい」と言い、
跡を継ぐ継がないで父親と一悶着あったが、
説得し、両親は涙を飲みつつ応援、 
そして旅立ち・・・って盗んで研究?!
ツッコミ待ちなのだろうか。
親御さんは知っているのか、この事実を。

この没落っぷり、現実にありそうなのが
闇深く、絵本とは思えない世界観。
そう考えると何だかすごい作品シリーズで、
自分が読む分には面白がれる気がしてきた。
子供の頃、ただ楽しく読んでた絵本が大人になり
読み返してみたら、トンデモ設定だった、
そういう楽しみ方もあるかもしれない。
でも、ひとまず3歳の親としては「まずい」
がほんとにイヤなのです。 

見開きの「まずい。」インパクト大。
口にしたくない、覚えてほしくない。

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