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文学フリマ東京38 感想1


 購入させていただいた作品の感想などを書いていきます。

『余白』 
  やまざき想太 様
 
 これから先、何度も何度も何度も読み返していくであろう作品です。心からこの作品に出逢えて良かったと思います。読むことが待ちきれなくて会場の外で開いてしまいました。
 読み始めてすぐにはっ、としました。私の今までに感じていた言葉にしきれない感情だとか形のない想いを言葉にしてくださったようでした。あたたかい夜の海辺でゆっくりひっそり、焚き火にあたるような。揺れる炎を見つめながらおだやかに紡がれる言葉、そんな優しい印象です。
 私は朝やけの空が好きなんです。静まり返る空気、何かが始まりかけた時間。希望を感じることができるからです。私の大好きな朝やけの時をこんなにも美しい言葉で綴ってくださった。ありがとうございます。
 朝やけの言葉の美しさも素晴らしいのですが、私は「深夜」のある言葉がとても響きました。ここに書いて良いかわからないので曖昧にしますが、「夜明け前」、「光に近い場所」、の言葉です。心にすっと入ってきて、じんわり広がるぬくもり、涙が滲みました。
 本当に素晴らしい作品です。忘れられない時でした。



『僕があなたに最期に伝えたいこと』
  やまざき想太 様

 この感想を書こうと思ったきっかけのひとつです。
 言わなければ良かったよりも言えば良かったのかな、言いたかったな、の方が圧倒的に私は多いです。言いたいことも言わなければならないこともなかなか口にできない性分でして。
 そんな思いを汲み取ってくれたのがこの作品でした。表現するってとても楽しいけれど、同時にすごい不安も感じる。昔、自分の書いたものを笑われた経験があるので余計にそう思う所があります。でもだからわかってもらえた時、好きだと言ってもらえた時の嬉しさがわかるのだと今は思えます。その暗い思いがこの作品によって安らいだ、そんな心地です。
 どんなに素晴らしいと思っていても、言葉にしなくては、表現しなければ伝えられない。大切な人たちに伝わらない。この作品が後押ししてくれました。自分も話して、書いて、描いていいんだなってホッとします。

 どちらも私の大切な一冊になりました。素晴らしい作品をありがとうございました。

 今後も感想など書けたら、と思います。感想文を書くのが苦手で、伝えたいことが伝わっていたら本当に嬉しいです。

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