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猪豚蛇

猪豚蛇 夷堅志
 宋の時代、都の南門で軍の訓練をしていた際、竹藪から怪物が現れた。
 これは長さは三尺あまり。太さは杵ほどもあり、全身が毛に覆われており、四本脚であった。豚のような鳴き声を上げ、人に襲い掛かった。
 どうしようもなく桶を被せて、静かにさせた。

 当時、武功大夫であった成俊という人は禁呪の術を善くしたので、この人が呼ばれることになった。
 成俊は禹歩をして息を吹きかけた。そうして桶を外すと猪豚蛇は動けなくなっていた。そうして再び桶を被せ、同じように禹歩をして、三度繰り返した。桶をとると猪豚蛇は血の塊となっていた。


 

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