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二つの六地蔵

二つの六地蔵 ひがしうらの民話
 むかし、六地蔵は大切に扱われていたが、村の若い者が話した時に、祟りがあるのないという話になった。
 祟りを信じない男が、しょんべんをかけ、ついには首の一つを落としてしまった。
 その男は翌日の夜から寝込んだ。六地蔵が来て、踏んでいくからだという。
 そこでお寺にお願いしてお経をあげてしまうと、六地蔵はこなくなった。

 ただし、一日のみだった。

 男は憔悴して、故郷を離れたが、六地蔵はついて回ったという。
 男は白装束を身に着け、全国の地蔵に贖罪の旅に出たという。

 男の事が忘れられた頃、新しく六地蔵が作られた。
 すると作った人々の家で不幸が続いた。
 これは新しい六地蔵を古い六地蔵の前に置いたためだろうということだろうと位置を変えた。
 今では二つの六地蔵がある。
 

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