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良い問いの立て方、悪い問いの立て方

アインシュタイン曰く、

「私は地球を救うために1時間の時間を与えられたとしたら、59 分を問題の定義に使い、1分を解決策の策定に使うだろう」。
“If I were given one hour to save the planet, I would spend 59 minutes defining the problem and one minute resolving it.”

だそうです。
(ぼくも地球を救うような場面が訪れるのだろうか、、、)

地球規模の話でなくても皆さん仕事で問題解決に直面する場面が多いのではないでしょうか。

そんなときに誤った問いの立て方をするとクリティカルな答えにたどり着けずに成果を出せなくなります。

ちょうど若手社員と話してるときにこの話になったので備忘録的にまとめていきます。

そもそも全体感を把握しているのか?

めちゃくちゃ当たり前の話にはなりますが全体感を理解していますか?
例えば「利益を伸ばそう!」って言われたとしましょう。

利益なので

利益=売上-コスト

ですね。
このときに検討範囲が売上だけになっているとコスト側の課題検討が漏れます(利益出したいならだいたいはコスト見直したほうが早い)

大雑把でもいいので全体を分解して俯瞰する必要があります(いわゆるMECE)

意外と全体に対しての意識が弱いと一部にすぎないものを全体だと思いこむことがあります。

全体感については慣れないと見落としがちだと思うのでミドル・シニア層に早めの段階で相談して自分の思考の盲点を見つけたほうがいいですね。

表面を撫でた課題を設定していないか?

これが一番今回話したいこと。
このnoteを書くきっかけとなったのは後輩とのこんな会話から。

新しいツールを導入してユーザーからの問い合わせが減る予定だったが、減っていない。どうすればツールの機能を使ってもらって問い合わせを減らすことができるか?

みたいな相談でした。
事象としては問い合わせが多くて大変なんだろうなぁと思いつつ、そもそも問いを変換しないといい回答ができないと思ったのでまずは問いの前提から整理をしました。

①そもそも問い合わせが減ることがいいことなのか?
②問い合わせを減らす手段が本当にツールの機能を使ってもらうことなのか?

そもそも問い合わせが来るくらい課題が明確に言語化されてるなら、その窓口で受けずに他で処理できると感じました。
また、その手段がツールの機能である必要はないので一旦考えるスコープから外しました。

この手段が先にくる問題は厄介なのでツールの話とかしてるときは特に気をつけましょう(偉そうに言ってるけどぼくも毎回痛い目にあってる)

そもそもを言うと問い合わせが減ることは全然ゴールじゃなくて、ユーザーの全体の体験がよくなることがゴールだと感じていたのでもっと問いの視座を上げていこうと思いました。

今回の場合だと下記の整理が必要だと思ったのでまずはその整理から入りました。

①月次/週次/日次でどれだけ実際に問い合わせが来ているのか=量の整理
②その質問を内容に応じて分類する=質の整理
③ どの質問がどれくらいくるのかを把握する =量・質の整理

これでわかることは「ユーザーがなにに課題を感じて問い合わせしているのかの全体像」です。

ここで具体的に最初の問を変換するとこうなります。

現在ユーザーが抱えている課題を量・質で把握し、それを解決する方法はなにか?

最初の「問い合わせを減らそう」からだいぶセクシーな問いに変換できましたね。

その課題を解決することでの全体へのインパクトをイメージできているか?

量と質の整理ができたら下記のようなチャートになると思います。

これを全部解決しにいくと成果が上がりにくいので上位の課題にフォーカスしましょう。

絞りを効かせる理由は2つです。

①そもそも全部解決するリソースが存在しない
②E、Fはリソース投下しても得られる成果が少ない

ここまで来ると最初の問いからだいぶ解像度が上がりますね。

ユーザーの抱えてるAとBという課題を解決することで全体の体験をよくする

ここまで解像度を上げればあとは施策を考えていくだけです。
アインシュタイン的にはほぼ解決できたも当然のはず(課題っぽいけどソリューションがない不可避の自然現象の可能性もあるので油断はするなよ!!!)

なんとなーく最初に話を聞いたときにここまでのストーリーは見えたので、この話をつらつらと若手社員に話していました。
どこでも似たようなことありそうだなと思ってのでnoteにまとめた次第です。

Appendix:効果的と効率的を履き違えてないか?

ちょっとオマケ的な話ですが、「効果的」と「効率的」を履き違えてるパターンをよく見かけます。

効果がないことをいくら効率的に行っても成果は出ません。
今回の場合だとツールを効率的に使ったとしても効果があるかはわかりません。
そうした「効果的」なことと「効率的」なことは峻別できると仕事が楽になりそうですね。

おわりに

たまには真面目なことも書こうと思ってまとめたnoteです。
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参考図書

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