見出し画像

全社でTikTokに本気で取り組み、開業1年で大阪に9店舗展開!34歳の本部長が見つけた「PR戦略のあたらしい“正解”」

画像1

これまで、不動産の営業マン個人がTikTokアカウントを開設して人気を集めている事例はありましたが、会社単位でTikTokアカウントを複数運用しているケースは極めて稀です。

今回は、そんな状況の中、TikTokの運用が後押しし、開業からわずか1年で9店舗まで拡大している、いまノリにのっている不動産屋さんのお話を紹介します。

それが大阪に本社を構えるLAKIA不動産です。

なんとこちらの会社、月に1度「TikTok会議」を開くほどの力の入れようぶりで、全社のスタッフが集まり真剣に投稿内容について意見を交わしているのだそう。

その結果、TikTokからの来店は月に100件以上!そのうち60件ほどは契約に至っているそうです。

「TikTokだけで言っても月売上ベースで500万円は上回っていると思います。とにかくかかる経費に対する売上効果がTikTokは高いんですよ。これからもっと力を入れていきます」(本部長の山本さん)

いったい、何がここまで山本さんをTikTokに向かわせているのでしょうか。

集客にコストはかけられない。苦肉の策で浮かんだのがTikTokだった

山本本部長がここまでTikTokに力を入れるようになった背景には、大きな苦労がありました。

「不動産屋って儲かってるイメージがあるのかもしれませんが、そのぶん出ていくお金も多いんですよ。大手物件ポータルサイトへの登録料はもちろん、各店舗の家賃、それから街頭の看板まで…。特に店舗はみなさんの目に止めていただくように駅前の高物件に立地するのが一般的ですからテナント代も割高になります」

「たとえば大手ポータルサイトを使った場合、弊社は一ヶ月で550万円のコストがかかります。集客効果はありますが、そこだけに頼るとよりコストがかすんでしまいます。そこで無料で始められるSNSに目をつけたんです」

こうして山本さんは今から2年前、TikTokやSNSのアカウントをつくったそうです。

「いろいろなSNSで集客を試しましたが、TikTokと不動産の紹介って相性が抜群によかったんです。写真をたくさん並べられても、物件のイメージを浮かべるには限界がありますよね。かといって長尺の動画プラットフォームだと冗長になりすぎて、本当にその物件に興味ある人しか見てくれにくい。『10秒だけ!ちょっと見てってや!』という見せ方ができないんですよ」

 そうした尺の面でショートムービープラットフォームのTikTokは最適だと言います。

「さらに、動画に音楽とナレーションを加えられるのも強みです。ただ写真や動画を見せるよりもしっかり説明できますから」

「月100件以上の問い合わせが届きます」

こうして、TikTokにより物件の問い合わせが次第に増えていったというLAKIA不動産。現在はどれほどの反響なのでしょうか。

「グループの店舗すべて合わせると、月100件以上の問い合わせが届きます。もちろん、物件の問い合わせもありますが、それ以外にも『TikTokいつも見てます!今度店舗に伺っていいですか?』といった問い合わせもあります」

 そして、実際に店舗を訪れて契約に至ったケースは少なくないといいます。

「誇張なしで、広告費はいまほとんどかかっていないんです。ホームページにコストがかかっていたのでそれが変わらないくらいで、大幅なコスト削減につながりました」

「うちのスタッフは顔出しでTikTokで物件を紹介しているので、道を歩いていて声をかけられるようになったみたいです。ちょっとしたタレントさんではないけど、覚えてもらえることで親しみやすさを感じくれてるっていうのはいいことだと思います」

 TikTokがきっかけで店舗を訪れたお客様の反応も良好なのもメリットだといいます。

「お客さんも壁をつくってこないんですよ。『いつも出てますよね?』とか言われるので話が早いんです」

 これだけスタッフが有名になったことで、LAKIA不動産ではよりTikTokでの物件紹介に力を入れているそうです。

「いまはスタッフにTikTok更新の優先順位をあげるよう明確に言ってます。『時間があったらTikTokも更新してや』ではなく、重要な業務としてTikTok更新を位置づけています。具体的には社員の1日のタイムスケジュールにTikTok更新が組み込まれるようにしています」

 ここまで山本さんがTikTokに力を入れるのには理由があります。

「とにかく反響がものすごいんです。僕は独立した当時、たいしてお金もかけられなかったし、人脈もなかった。それでもなんとかお客さんに弊社を知ってもらおうと思ったとき、藁にもすがる思いでいろんなSNSを更新しまくった結果、圧倒的に反響が大きかったのがTikTokだったんです」

 すでに家賃30万円のタワーマンションの入居が、TikTokが決め手となり契約に至るなど、高額物件の契約も増えているそうです。

 なにより山本さんが感じているのは、店舗に対する知名度が上がり、選択肢として自然と自社を浮かべてくれるようになっていること。

「引っ越しを考えたときに、大阪でTikTokをしている人ならば『LAKIA不動産なら知ってるわ。TikTokでいつも見てるあそこに連絡しよ』となってきてるんです。言ってしまえば未来のお客様です。それはTikTokアカウントが資産性を持っている証拠。すごく嬉しいですよね」

「弊社では月に一度、9店舗のスタッフを集めてSNS対策会議を開いています。最近でてきた気になるクリエイターをチェックして、最近の投稿を振り返って反響をみんなで確認する。他にはTikTokのレコメンドシステムについて仮説を立てたり、いいねが押されやすい時間帯や人気のハッシュタグまで。ナレーション原稿を再構成することもあります」

 もはや、その本格的な取り組みはWEBマーケティング会社といっても過言ではありません。

これがヒットのコツ!不動産アカウント必読の知見

こうして人気アカウントを育て上げた山本さんに、TikTokで人気を集めやすい投稿の傾向を聞いてみました。

「企業秘密にしたいところですけど、教えちゃいます(笑)。一般的に戸建てやメゾネットが人気です。それから動画映えするものですね。屋上とかテラスがついているような。それと同じくらい投稿時間も重要です。19〜21時の投稿がもっとも伸びやすいです」

「特に天王寺店の動画は人気です。理由は…僕が撮影して、僕が編集してるから一番こだわってるんですよ(笑)」

 山本さんと話してわかるのは、とにかく撮り方に異常なほどこだわっていることです。

「iPhoneなら絶対にレンズが3つついている機種を使って、広角モードにして撮ってください。お部屋を広くきれいにうつせるようになります。これはもう仕事の必要経費です。それから、下手に動かしすぎない。ユーザーはゆっくり撮られたものじゃないと追えないからです」

 さらに、一定の編集力も求められます。

「玄関からずーっとワンカットにして投稿するアカウントもありますが、ワンカットはおすすめしません。見た人がダラけないように編集しないと最後まで見てくれませんから。メリハリがあったほうが最後まで見るんです。ただし、お風呂とトイレは隣接しているケースが多いのでワンカットにするのがおすすめです」

 こうして、LAKIA不動産のTikTok動画は、こだわり抜かれて投稿されているのです。

「全店舗のアカウントを投稿前に最後に僕が必ずチェックしています。最初の1〜2秒は特に大事なので編集し直させることもあります。もう、本部長っていうより編集長状態です(笑)。でもそれだけ効果があるからこだわるんですよ」

 では、今後の展望は?

「そうですね、なんか不動産屋さんっていうより、インフルエンサーみたいになってますが、今後は店舗全体で動画のクオリティを統一することを目指しています。それから絶対に継続すること。弊社と同じ用に不動産のアカウントは増えてきていますが、物件ではなくちゃんと会社名を動画内でアナウンスしているので、一定の知名度を得ている。その意味では今後もブランディングしやすいと思います」

管理会社もオーナーさんも。TikTokを見ているのはお客様だけじゃない

 さらに、最近では思わぬ効用も表れているのだとか。

「初めてお会いする物件のオーナー様や管理会社さんと打ち合わせするときにも、『いつもTikTok見てますよ!』と言われるんです。結果、一棟をLAKIA不動産さんに任せたいんですと言わることも出てきました。あとは『うちの物件もTikTokで紹介してください!』とか。もはや自社のTikTokアカウントがひとつのメディアになってるんです」

 今後は、店舗の立地を駅前などの一等地に必ずしもこだわらなくてもいいのかなとも思うようになりました。かなりの集客をスマホでできていますから。そうすれば店舗のテナント代もかなり抑えることができると思います」

 最後に、今後TikTokアカウントを開設するビジネスアカウントにアドバイスをお願いします!

「めっちゃ基礎的な話かもしれませんが、毎日更新し続けることです。だんだんコツをつかめるようになりますから。それから撮り方や編集については、いろんなTikTokの人気クリエイターさんの技を盗んで一定のクオリティにすること。なんでも最初は真似てみることです」

ランニングコストを抑え、集客力を強化したい企業の方は、不動産業界に限らずTikTokを始めてみてはいかがでしょうか。

クリエイタープロフィール

LAKIA不動産 山本本部長

画像2

大阪府出身、1986年生まれ。不動産歴15年。
LAKIA不動産開業1年で9店舗、従業員80人まで拡大している今大阪で最も注目されている不動産屋。今後も続々出展計画中。時代の流れにのり、脱ポータルを掲げ、SNSに目をつけてTikTokを始める。

禁無断転載

▼その他のインタビューはこちら


Twitterでも、TikTokに関する様々な情報を毎日発信しています。ぜひフォローしてください!