きっかけは、あの子からだった。大学の食堂にて、桜ちゃんという女の子が僕に話しかけてきた。

 アイドルの話から自分の家族構成まで話していた。盛り上がっていたところで、解散した。

後日、親友の陽太といると、桜ちゃんの姿を大学の図書館付近で見つけたため、追いかけることにした。正直、陽太がいるとコミュ障で話が終わってしまう。だから、彼女ときちんと話ができない。彼女の前で陽太をいじって面白い男だと思ってもらおう。彼の容姿いじりをしたところ、桜が全力で彼のことをかばったので驚いた。

それから、彼女とその友達の野々花とレストランで食事をした。別の日には、大学内で仲良く歩いた。

長時間話をした。

しかし、ある時を境に脈なしではないかと思うようなところがあった。

ラインで彼女に大学にいるか聞いたら、帰ったと返信が来たのに、大学にまだいたところだ。どうして嘘をついたのだろう。

陽太の様子もおかしい。一緒に話していても、生返事が続いている。余裕がない状態だ。

あるとき、思い切ってさくらちゃんに告白した。

「ごめんなさい」という返事が来た。

その場にいた陽太からも絶交を言い渡された。

おれは立ち直れないほどのショックを受けた。

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