小説「暴れん坊の大ちゃん」

高校時代に、大ちゃんという人がいた。大ちゃんは僕からみたら、アクティブに写っていた。
文化祭で大ちゃんがガムテープを後ろに投げてきた。座っていた僕は、ひょいとかわす。ガムテープは窓ガラスを割った。その後に言われたのは、「何で顔で受け止めてくれなかったん?」その発言に驚いた。
そんな大ちゃんに気づいたら攻撃のターゲットにされていた。
嫌な思いをすることが増えていった。たとえば、一緒に勉強していて、あくびをすると、「あくびをするな」と叩かれた。英語の授業でカンガルーのスペルを調べていたら、「そんなんもかけんのか」と罵られた。
2年生で大縄の練習に遅刻したら大声で怒鳴られた。
体調も悪くて、うまくできなくて野次られた。
修学旅行のときに、アイスを注文しようとしたら、割り込まれたこともある。クラスの席替えであみだくじに名前を書こうとしたら割り込まれたことがある。自転車置き場でふいにあらわれ、自転車で道をふさがれたこともある。いくら待ってものいてくれる気配はなかった。僕は、当時、吐き気を催していて、人と話すのが怖い、うつ状態だったため、「のいて欲しい」という言葉で伝えることはできなかった。どうしたかというと、そのまま自転車を無理やり出そうとしたら後輪のタイヤが大ちゃんの自転車にぶつかった。
案の定、相手方が怒り出す。そのまま、口論になった。「きもい」とか「頭大丈夫?」を言って、彼は立ち去った。
翌日、相手から話を持ちかけられた。
「昨日のことなんやけど、謝ってほしい」
そこで、一応「ごめん」とだけ伝えた。
その後、「謝り方が適当だ。」と言われた。
その後もチャイムがなるまで絡み続けてきた。
クラスメイトの一部の人がこのやり取りを不思議そうに見ていた。
他には、運動会のときに、学級旗を彼が持っていた。体育委員だった彼は、僕に、理由をこじつけて旗を持たせていた。それを見かねたクラスメイトが「僕がやっておく」とかわってくれた。
僕のミスは何度もいじってきた。漢字間違え、番号間違え、英語の授業で失敗するときにずっといじられた。
担任の先生に相談することになるのは二学期以降になる。これはあくまで自分の視点にしかなっていない。担任の先生に投げかけられた言葉は、「相手の言い分を聞け。」「言い返しているからお互い様」
「受け流せ」等の言葉だった。
でも、この相談のおかげで、嫌がらせは幕を閉じた。
先生に抗議して、席替えで彼の近くになりたくないと言ったら、「わがままだ」と突き放された。
その後、先生たちを交えて話し合いをすることになった。それは口下手な僕にとってあまりにも不利だった。
話し合いをする前に、担任が「この件は今日で終わりにしましょう。」と言われて、「えっ」となったのを覚えている。
僕がされて嫌だったことを話すたびに向こうが反論して言い負かされる流れになった。
担任以外の先生は僕の肩を持ってくれた。
この話し合い以降は嫌がらせがなくなった。
納得できなかったのは暴力を受けることは多少あったが、コミュニケーションを通して、嫌な思いをするため、いじめや嫌がらせを受けたと捉えるのに時間がかかった。
ターゲットにされてから、どう周りに助けを求めたら良いのか分からなかった。、
担任に対しても納得がいかなかったから、カウンセラー等の方に話を聞いてもらった。
成績が落ちた。うつになった。それがこのトラブルとの因果関係を証明するには至らなかった。
ときはたち、2024年1月4日。僕の高校の同窓会がひらかれたらしい。僕は不参加だった。彼は参加してグループラインで同窓会の写真を投稿していた。

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