[開発雑記] ユーザーの創造性に賭す

どうも。おはぷり。ぷりけつです。
私はCGIゲームの「あるけみすと」を開発しています。

「あるけみすと」は、週間のアクティブユーザーは約2000人、同時接続数は500人弱と、個人開発としては成功している部類だと思います。

今回は、以前の記事で紹介した成功要因の一つである『創造性の発揮』の部分を深掘りして、解説したいと思います。

本記事の対象者

・ゲーム開発をしようとしている人、興味がある人
・作りたい自分のゲームがある人
[注意] プレイヤーさんは楽しめる内容ではないと思いますので、閲覧注意です。運営上の戦略的な話もあるので、純粋にゲームを楽しめなくなる可能性もあります。

創造性の発揮とは

あるけみすとでは、ユーザーが創造性を発揮できることを一つの差別化要素として捉えています。
創造性を発揮している状態とは、「ユーザー自身がアイディアを考え、外部に発信している、能動的な状態」と考えてください。
普通のゲームは、作られたものをユーザーが楽しむ、受動的な遊び方が多いと思います。一方、マインクラフトマリオメーカーなどのゲームは、非常に能動的でクリエイティブな要素が多分に含まれており、創造性を発揮できるゲームの代表例と言えるでしょう。
このようなゲームは、比較的ユーザーに『飽きられにくい』特性を備えていると私は考えています。

『飽きられない』ゲームへ

ユーザーに創造してもらうことで、『飽きられない』ゲーム作りが出来ます。その理由としては、以下のようなものがあげられます。

1. ゲーム作品に関する創造物を作ると、その作品に対して、愛着が沸く
2. ゲーム作品自体に常に新たなコンテンツが創出され、新鮮さをもたらす
3. アウトプットするのは、単純に楽しい
4. 自分のアウトプットやアイディアがゲームに反映され、開発側との仲間意識が芽生える
5. 自分のアウトプットを誰かに見てもらいたくて、勝手に宣伝する・仲間を呼びこむ

このように、ユーザーに創造してもらうことは、ユーザーに楽しんでもらいつつ、ロイヤリティを向上させ、さらには宣伝効果も担うことができます。逆に、このような仕組みがない場合は、各施策を開発側で実施していく必要があるので、非常に大変だと思います。

あるけみすとにおけるUGC

ユーザーが作るコンテンツをUGC (User Generated Content)と呼びますがが、あるけみすとでUGCと認識しているのは、もちろん絵や動画だけではありません。
あるけみすとでは、以下のようなコンテンツにおいて、ユーザーの創造性を発揮するための場を提供しています。

  • イベント企画

  • キャラクターのプロフィール設定/AIプロンプト設定

  • キャラクター/モンスター/ペットなどのアイコン投稿

  • アイコン情報の承認/査閲

  • 名産品アイテムの作成

  • オリジナルモンスターの作成

  • オリジナル武器

  • 国や旗の作成

  • グループチャットの作成

  • ゲームに対するフィードバック

  • Twitter広告の宣伝文や広告画像

  • Lineスタンプ

  • Wiki編集

  • ユーザーアンケート調査

  • ゲームなどの二次創作コンテンツ

などなど。多いですね…。
これら全て、ユーザーさんが主導で行い、ゲーム作品や広報活動に貢献頂いております。通常、ユーザーに委ねないような部分も、多くユーザーに委ねて、創造的な活動がしやすいような環境を作っています。
もちろん、UGCには、ユーザートラブルや著作権侵害のリスクが伴い、コンテンツの査閲や修正にもコストが掛かります。ただ、それ以上に、ユーザーの創造性を発揮してもらうというのは、とても価値があることだと思うのです。

UGCの成功の秘訣

UGCを成功させる1番大事なところは、ゲーム内通貨やポイントなどの金銭的インセンティブを提示しないことです。
一時的になら良いですが、定常化すると、一部のユーザーは、金銭的なメリットや効率を重視して、中身のないものや魂のこもらないものが量産するでしょう。
一度、そうなってしまうと、心の底から、創造を楽しんでいたユーザーは離れ、二度と戻りません。
金銭的なメリットのような分かりやすいインセンティブが無くても、ユーザーが作りたいと思えるものを作れる環境を提供するのが望ましいです。

今後、あるけみすととしてサポートすべきUGCとして、適切だと思っているのは以下の条件を満たすものです。

  • 難しすぎない。質を問わない場合、高い専門性を必要としない。

  • 作ったユーザー以外も作品を楽しめる。

  • 一つの作品を作るのに時間が掛かりすぎない。

  • 金銭的インセンティブがない。

この条件によると、音楽や動画製作などは専門性も高く、誰でも出来るものではないので、あるけみすととしての相性は微妙かなと思います。

条件に当てはまるところを考えると以下のようなものがあげられます。

・短編小説
 あるけみすとを題材とした小説をゲーム内で作成/参照可能にする
・ニュース
 あるけみすと関連のニュースをゲーム内で作成/参照可能にする
・簡単なマップデザイン
 マイクラの超簡易版のような形で、自分好みのマップを生成可能にする
・ダンジョンの簡単なシナリオ作成
 AI技術を活用して、ユーザーが定義したシナリオからゲーム内でのイベントやゲームを生成

このようなところは、今後実装していくかもしれないです。

さいごに

「あるけみすと」オープンから1周年が立ちました。
本ゲームは、まさにユーザーの皆様と一緒に作り上げてきたゲームです。
これからも、皆さまと一緒にゲーム作りを楽しみたいと思います。

「あるけみすと」 ぷりけつ

https://games-alchemist.com/


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