見出し画像

〜不定期連載・取材後記〜「20220820:ロドリゴ・ルイス・アンジェロッティ」

8月20日IAIスタジアム日本平での2022J1リーグ第26節・清水エスパルス戦(1ー1)の試合後に設けられた対面式取材エリアにて柏レイソルのブラジル人MFロドリゴ・ルイス・アンジェロッティ選手に話を聞くことができました。

先日Twitterでコンパクトにお伝えしたところ、あまりに反響が大きかったので、こちらの投稿で回収させていただきます。

8月20日の清水遠征では後半開始から出場

アンジェロッティ選手とは練習場や試合前に簡単なコミュニケーションは取ってきましたが、公式な形でのインタビューや囲み取材となりますと、この機会が初でした。プレーのイメージや何処かのリアリティーショーで見かけそうなルック、カジュアルなセルフィーの印象は湧きますが、声明となるとレア。「絶対にナイスガイ」という確信の下、アンジェロッティ選手を待ちました。

その後、取材エリアに現れたアンジェロッティ選手に「アンジェ!君と話せたらうれしい。きっとサポーターたちは君に関心があるはずだよ」と声を掛けてみると、「もちろんオッケーだよ。エジソン(通訳さん)が必要だね。ちょっと待ってて、連れてくるから」と流暢な英語で対応してくれました。

7月まで柏に在籍したエメルソン・サントス選手と

アンジェロッティ選手だけでなく、マテウス・サヴィオ選手といい、マイケル・オルンガ選手(アル・ドゥハイルSC)といい、第2外国語としての英会話が達者な選手が増えてきているように思います。

さて、前段が長くなりましたが、
今回の投稿では清水戦後のアンジェロッティ選手へのインタビューをお送りいたします。
(2022年8月20日IAIスタジアム日本平にて収録。Special thanks: Edson Masayoshi Hayakawa -Translator-)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

試合最終盤には同点ゴールの起点となる活躍

◆出場機会もプレータイムも増えてきて、今夜の武藤雄樹選手の同点ゴールの起点になったりとアンジェロッティ選手のチームへのフィットを感じます。

RLA29:それについては自分でも感じているところなんだ。試合へ向かう時にはしっかりと集中して、ネルシーニョ監督からの指示や要求に応えられるようにと思っている。プレーポジションとしては試合によってはFWだったり、MFだったりのケースもあってね、それぞれ違う要求がある。そこは自分の特長を理解してもらっての起用だと思っている。最近はMFとしての繋ぎ役の仕事が増えてきている気がするんだ。今夜のように、チームの成果に関われていることは本当にうれしいし、もっとレイソルの力になりたいね。

◆スタートポジションは左サイドでした。右のサヴィオと同様に、左でウイング的な仕事や中央でのチャンスメイクを担いながら、右サイドへ進出してアクセントを付けるボールタッチが特に効果的だったと思いました。ズバリ、このあたりがアンジェロッティ選手の特長だと思っていいですか?

RLA29:アリガト!そうだね。自分としても「流動的な判断とポジショニング」という部分を大切にしているんだ。FWとして出場しても、MFとして出場しても、「流動性」を活かしていきたいと思ってプレーしてきた。今までのキャリアを通してね。もちろん、次回にどちらのポジションで起用されるかについてはまだ分からないにしても、良い水準でチームへ貢献できる自信があるよ。そして、今日のような貢献をしたい。FWでも、MFでも、そうありたいね。

シネマスターの風情だか誠実な語り口が好ギャップ

◆レイソルやJリーグに適応するために必要となる「コツ」みたいなものってありますか?特にブラジル人選手はJリーグのサッカーに対して、「rápido(速い)」というワードを用いて特長を表現します。やはりポイントはスピードですか?

RLA29:Jリーグはオレたちブラジル人からすると、プレー強度が独特なんだ。攻守の入れ替わりや試合展開がとてもダイナミックだしね。そのあたりは今まで自分がプレーしたブラジルやオーストリアではなかった感覚だったんだよ。例えば、ブラジルだとね、もっとゆっくりしたテンポで試合が続くんだ。それぞれ国のリーグの特長が異なるものだから、もっと理解を深めたい。レイソルでプレーする以上はもっと改善して、適応していかないとって思っているよ。

◆近頃のアンジェロッティ選手からは攻撃面でのテクニカルな部分と守備面での強度や戦術への忠実さを感じるシーンも増えてきました。サポーターもそう感じていると思いますよ。

RLA29:今日の清水戦でもそうだったけれど、ネルシーニョ監督からの要求は多岐に渡る場合もあるんだ。攻撃に関しても守備に関してもね。だから、「攻守のどちらかだけできている」ではいけないんだ。「守から攻」と「攻から守」のところで発生する「キリカエ(切替)」の精度というか、この両面での貢献が重要だと感じている。認識の更新は続けているし、もっと適応できる。

来日から1年以上が経過。俄然、楽しみな存在に

◆さて、プレータイムが増えた、いい仕事もした、貢献度も変わった。次はスタートからという気持ちもあるのでは?

RLA29:スタートから出場をすることも、今日のように後半開始から出場したり、試合終盤から出場することもある。それはネルシーニョ監督が決めること。ただ、どんな形でも自分の考え方に変わりはないよ。自分に与えられた機会の中で勝利に貢献できればそれでいい。レイソルのためにいい仕事をしたいんだ。次の試合も、残りのリーグ戦も、その一心で最善を尽くすだけさ。


以上、アンジェロッティ選手のインタビューでした。

アタッカー陣にあっては稀有なレフティでもある

試合を終えて、シャワーを浴びて、バックヤードに現れたアンジェロッティ選手。ポップスター感漂う風貌は相変わらずでしたが、一つ一つの質問に真摯に向き合ってくれました。一度スウィッチを切った素顔の姿はまさにナイスガイでした。

意志とアクションがシンクロしてきている。

日本の、レイソルのサッカーへのアジャストに励んでいる。

それらの事実と出会えたことは取材者冥利に尽きますし、僭越ながら今後のアンジェロッティ選手のプレーを見る上での参考となればうれしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?